【1GAME 】ー明治神宮大会(大学の部)に学ぶーvol.3
○大会第2日目 第1試合
富士大学 - 上武大学
富士大 佐藤がイケイケドンドン
佐藤柳之介が投手戦を制した。
被安打3四死球無失点。ストレートと大きなスライダーのコンビネーションでどんどん投げ込み、最終回までは被安打1という快投をして見せた。
この日の佐藤の投球は、ストレートはアバウトに強く投げ込み、特に左打者に対してはスライダーを織り交ぜてカウントを整えるといった内容であった。この投球で最も印象しているのは、最速(この日)145のkm/hストレートである。数字を見たら神宮大会レベルでは驚くような数字ではないが、上武大打線は終始差し込まれた。
上武大打線は、なぜこれほどまでに差し込まれていたのか。推察するに、その理由は打者から見て胴体に隠れるような佐藤の投球フォームにあると考える。
一般によく「球持ち」と表現されるがテイクバックが打者から見えない時間が長いほど球持ちがよく、打者にとっては投球が急に出てくるように感じられる。和田毅投手(現ソフトバンク)がこの代表だろう。
打者は通常、投手のモーションに合わせてタイミングをとって振り始めるのだが、球持ちの良い投手に対してはこれがしづらい。振り出しの「今」というタイミングでまだボールが投げられないために、その分打者は前に出されるかたちとなり、結果的に距離が詰まって差し込まれる。実際に上武大の打者らのファールは逆方向に飛ぶことが多く、その反応はもの凄く速い球を見ているかのようだった。
このようにして本来打者にある「間」が消され、上武大の良さであるフルスイングによって捉えることは難しく、対佐藤に対してはミスマッチとなってしまった。
ただ、この手のフォームなテイクバックのタイミングと上半身のバランスが生命線である。この日の佐藤も徐々にそにバランスが整ってきたものの、序盤は左のインハイに抜ける球が多かった。2回戦以降、この日ほとんど見られなかったクイックでの投球でどのようなピッチングを見せるのか、注目したい。
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