人類って滅亡した方がいいの?

「人類が滅亡した方が、他の生物にも地球にも迷惑がかからないし、結局その方がいいのでは?」という考えが、アニメとかマンガとかゲームとかではなく、実際の哲学でも論じられているようだ。
めんどくさくて(議論の立て方が個人的にアホらしすぎて)くわしく読む気がしないのだが、「他の動物に迷惑がかかるから」とか「地球を汚すから」という理由で「人類が滅亡した方が良い」と思うのなら、まったく同意できない。
そこには「なんで地球を汚しちゃいけないの?」、「なんで動物に迷惑かけちゃいけないの?」という問いがまったくない。

というか、そういうことをジャッジするのは究極的には「唯一神」なのだが、それなら「唯一神」がいるかどうか、検証する方が先だろう。

むろん、私だって感覚的に、動物をいじめていいとか滅ぼして良いとか、山を切り崩したり海を汚したりしていいとは思わないが、
だからといって滅亡させられてはたまらない。

それともうひとつは、これまた昔からSFなどでもよく出てくるのだが、他の動物に比べて、人間だけが道具を使い、たとえば肉食動物が草食動物を狩るのとは比較にならない規模で大量生産や大量破壊ができるという点。
自意識を持っているという点。
「神」という概念を持っているという点などから、
「人類は良い意味でも悪い意味でも、他の動物に比べて特別で特殊な存在である」
という思考がある。

しかし人間だってオケラだってもとは海の「生命のスープ」から生まれたわけでしょ?
人間って地球や他の動物から観たら、そんなに特別な存在なわけ?
「人間が動物や植物と違う、破壊的な側面」を斟酌してなお、
「他の動物と人間はそう変わらない」
という理屈があっても、よさそうなものだ。
まあ私が知らないだけで、そういう理屈があるのかもしれない。

私はこの種の思考実験には、あほらしくてつきあっていられない。
そもそもテロリストでもないかぎり、ほとんどの人々が「ヒューマニズム」を基調として暮らしているのに、なんで人類全体の話になると「滅びた方がいい」とかになるのか。
あるいはヒューマニズムをこじらせるとそうなるのだろうか。

一日いちにち、死にたい、死にたいと思いながらも懸命に生きている人に失礼だろ。
ユニセフに寄付とかしてほしい。

おしまい

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