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腹痛でまる一日無駄にした

中高年で太っている私は当然、かかりつけ医から「酒も飲むな」と言われているのだが、人とまったく会う機会が減り、新型コロナ禍でもっと会う機会が減り、飲み屋に集うこともなくなり、いやそれ以前に五年ほど前から「酒を飲みたい」という強い欲望がなくなっていた。

しかし強いストレスにさらされた際には、酒が飲みたくなることがある。この点はアル中の人が禁を破ってしまいそうになるときと同じだと思う。気分的にではなく、何か体の何らかの成分が足りないような気がして、それを補填するには酒しかないように思うのだ。

ということで、家で缶ビールの小さいやつを一本飲んだ。二本目を飲もうと思ったらもう飲む気がなくなっていて、満足したからそれはそれでいいのだが、酒を飲むとドカ食いしたくなるのが私の悪いクセだ。
そういう人は少なくない。酒が食欲を増進させるのかもしれない。

それで、イライラしていたせいもあり、三人前くらいメシを食ってしまい、さらにミックスナッツを二袋食べた。
このミックスナッツがよくなかったのだと思う。

翌日の朝、だんだん腹が痛くなってきて、まる一日苦しんでしまった。五十過ぎて腹痛で苦しむというのも、子供じゃないんだから、と思い情けなくなり、よけいイライラした。
近くのキレイなマンションに、渋柿の汁で落書きでもしてやろうかと思ったがその気力もない。第一、渋柿がない。
渋柿の木は、数年前にぜんぶ切ってしまったのだった。

あまりに治らないのだったが、のたうち回るほど激しい痛みというわけでもなく、こんなことで「かかりつけ医」に行ったらまた怒られるだろう。そして当たり障りのない粉薬を処方されるだけだろう。
それだけはイヤだった。
不安になり、胃腸かぜ、ノロウイルス、新型コロナさえ疑ったが、とにかく腹痛の原因はドカ食い以外思い当たらない。そのうち24時間ほどしたら、おさまってきた。

食べ過ぎたナッツ自体が、膨満感をもたらすものだとして、もうひとつの原因は、名称は忘れたが、何かひどく密度の濃いパンがコンビニに、最近売っているじゃないですか。
普通のロールパン五個ぶんくらいありそうな、ずっしりしたやつ。
あれを食べたんですよね。
あれも一因ではないかと思う。

あと、昔テリー伊藤が、ロケで雨だったら「晴れにしろ!」とADの頭を殴っていたというが、それも原因だと思う。
まあ本気でグーで殴ったのではなく、台本かなんかでペシッとやったのだろうが(と、思いたい)、あの人がワイドショーなどで正義感ヅラしているのを観ると不思議でしょうがない。
ADの頭を殴りまくっていたクセに。
悔い改めてカタギになったヤクザ、という扱いなのだろうか?

まあでも、テリー伊藤の番組は面白かったよな。
そこがむずかしいところだ。
ワイドショーに出てくる杉村太蔵が何をしたのかまったく知らない。単に時流に乗ったラッキーボーイとしか思えず、まあラッキーボーイの悲哀みたいなものをテレビからふりまいて対価をもらって生きているのかもしれない。
テリー伊藤はテレビマンとして実績のある人だから、杉村太蔵とは違う。
ちなみに藤村大造とも違うよ(若者、ここで大爆笑)。
ただ、テレビディレクターはいったいどこまでが当人の手柄かがわかりづらい。
「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」などは、当時の円谷英二の当時のメモ帳まで読んで分析している人がいる。
しかし、テレビバラエティ番組に関して、そこまで研究した人はいない、と思う。
山奥に仙人みたいな研究家がいるのかもしれないが、表には出てこない。

「大仏魂」という、体長3~5メートルくらいの、移動可能な巨像を「元気が出るテレビ」でつくっていたが、あれをだれがつくっていたとか特撮マニアの人で調べている人はいないのだろうか。いるような気もする。

まあとにかく、大御所や四十代、五十代以上の芸人たちは「後輩にいかにヒドイことをしてきたか」については、テレビやラジオでまったくしゃべらなくなった。
ああいうのを聞き書きして一冊の本にしたら、きっとみんなお笑いも演芸もすごく嫌いになるんだろうな。
たいして名前も知られていない芸人が、「自分が死んだら出版してくれ」と言ってそういう本が出たら面白いだろうけど、ぜったいだれもやらないよね。

そんなことを考えながら腹痛の悪夢にうなされていた。
いつか必ず復讐してやる。
だれに?
だれだろう……。

おしまい

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一人の孤独な魂を救うと思って……。

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