コンビニからエロ本が消える?

「えっ、もう消えたんじゃなかったの?」と思ったら、「週刊実話」や「週刊ポスト」を「エロ本」と規定して運動している人がいるらしい。

まあ確かに「実話」や「ポスト」や「現代」にはヌードや水着グラビアなどが載っているが、そもそもテープで止められていて青少年は中身が観れないし、仮にテープを取ったとしても、ヌードに関してはほぼ「袋とじ」のはず。
これはFRIDAYやFLASHもそう。
一部、旧来の「エロ本」的な本も売られてはいるが、ヌードがばんばん載っているわけでもなく、定義がむずかしい。しかし今でも売られているということは、オリンピックの際の「排斥運動」のときは「エロ本」の定義から漏れたものなのではないか? と私は思っているが調べてはいない。

正直、コンビニから、昔の、「一般的なエロ本」が消えることにも自分は反対だった。
まったく意味がない(と、私が思っている)からだ。
今、「いわゆるエロ本」が消えて世の中、変わったか? と問われれば、特段、何も変わらない(と、私が思っている)。
逆に、現在のコンビニの雑誌売り場の半分くらいがエロ本売り場になっても、何か大きな問題が起きることはないんじゃないかね。
痴漢やレイプが増えるとか。

性表現に関しては、
「なくしたとしても、効果が明確ではない」
ことが、議論の中心だと私は思っている。

あるとしたら「こういう表現に反対しているワタシたちの意見が通りました! 意見が通ったということは、反対して来た表現が反対すべきものだったということです!」というなんかニワトリが先か卵が先か、みたいな「成果」だけである。

これが差別表現となると、問題はもう少しややこしい。が、本当にややこしいので、そっちについての説明はやめておく(問題になるような性表現は差別表現である、という考え方もあるだろうが、その考えは、ここではとらない)。

それにしてもくだらないと思う。高校生くらいの頃、どこかの町(どこだか忘れた)で、ストリップ劇場のかなり大々的なポスターが貼ってあってギョッとしたことがあるが、「ギョッとした」だけで、特段、私が性的異常者になったわけでもない。

現在、「エロ本」と(一部のフェミニストによって)規定されている雑誌は数種類しかない、スペースもほとんど取らないから、ツイッターのハッシュタグで見かけた「コンビにはエロ本を売らずにオムツを売れ」的なやつも、理由になってない。
週刊ポストや週刊実話を売ったままでも、コンビニでオムツは売れるだろう。また別の問題だ。

こうした「ある種の社会運動と、その成果がどの程度出るか」という問題は、実は「私たちは成果が出ようと出なかろうと、とにかくがんばるんです!!」という一種の根性主義というか、「成果はずっと未来に託されているんだ!!」という「ロマン」によってかき消されてしまう。

「コンビニでオヤジ向け週刊誌をなくすことのどこがロマンなんだよ」と思う人もいるかもしれないが、なかなか、具体的な成果の出ない運動を続けるのはキツい。
これはただの推測だが、だからこそハナクソみたいなことに目くじら立てて怒る人が出てくるのだ(それはいわゆるツイフェミだけではない問題だ)。
そうでなければ、なんかものすごい癇癪持ちの人なんじゃないかな。

保守派の知識人の中には社会運動について「具体的な成果を測って行うべき」と主張している人もいるが、じゃあ具体的な成果は何なのか、となると、コトはそう単純ではないのだ。
(社会運動において「成果主義」をドヤ顔で出してくる人も、私はそうとうクソどうしようもないとも思っている。)

だからいつまで経っても、エロ本に限らずとも、永遠にこういう「運動」に対する問題は起きるだろう。

おしまい


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