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え、なんでこんなところにイヤな部分出す!?

名前は出さないが、某大人気・女性エッセイコミックマンガ家(正確に言うと「エッセイコミック」ではないがそれに近い)が、90年代の終わりか2000年代の初めに、エッセイ本を出した(ちなみにサイバラではない(笑))。

さすが、大人気マンガ家だけあって、エッセイもうまい。そこに描かれた日常のちょっとした疑問や、身の回りに起こった出来事などについて楽しく読んでいると、

「結婚相談所の広告を異様にバカにする」

という項目があり、仰天してしまった。

そのマンガ家は女性だが、「こういう広告に出てくる(ださい)女は、セックスのときも変な声を出すに決まっている」とか、むちゃくちゃ書いていた。
それ以外の、ほのぼのエッセイが台無しになるほどに。

え、なんでこんなところにイヤな部分出す!?

「結婚相談所」の広告に出てくる男女と言えば、20年前は「いかにも恋愛とかが苦手そうだが、朴訥で人のよさそうな、素人っぽい男女」であることがよくあった。

現在では、とある結婚相談所の広告にフリー女子アナの森香澄が出ているが、こういう超絶美女を「イメージガール」的に起用することもあるものの、これは「高嶺の花をあえて起用する」別パターンである。

くだんのマンガ家&エッセイストは、夫を尊敬していて夫婦仲が良いことでも知られていたが、自分たち夫婦を相当に「ハイスペック」だと思っていたのだろう。
この一文を読んで以来、私は引いてしまい、この人の作品からは距離を置くことにした。

以前、とあるママタレが「自分へのご褒美」として200万円もするバッグを購入した、と公表して、「やっぱり私たちと同じ世界の人間じゃなかったんだ」と思われ、人気が急落したことがある。それと同じことをこのマンガ家はやっているわけだが、このエッセイで彼女の人気が急落することはなかった。

このことはいろいろな問題をはらんでいる。

まず20年以上前の結婚相談所の広告が、実際にクソださかったということがある。
いや広告自体がわざとダサくしているのはわかる。超絶美男美女ばかり出てきては現実味がないからだ。
しかしそれにしてもダサかった。それは私も思っていた。

それと、その背景に一般庶民の間で「お見合いで結婚するのはダサい」という考えがあった。
今は、そこまでのことはないだろう。ロックミュージシャンのつんくだってお見合いで結婚したわけだし。
「かぎりなくお見合いに近いっぽい」かたちでの、「知人の紹介」というパターンも、芸能人でもめずらしくなくなった。

「このことはいろいろな問題をはらんでいる。」とか書いたが、もう考察に飽きたのでやめるが(飽きたのか)、くだんのマンガ家は、「お見合いで結婚する人々」の側であるべきだった、と今でも思っている。

だいたい、赤の他人がセックスのときにどんな声を出そうが知ったことじゃないだろう。ちょっと「サブカル的な下品」の臨界点にいるようなギリギリアウトな物言いである。
そういうことを、結婚相談所の広告を観ながら夫と笑いあっているその人のことを考えると、暗澹たる気持ちになる。

一時期「90年代鬼畜サブカル」を批判する流れがあったが、実はこういう「結婚相談所に入会して結婚する人を小ばかにする」ような傾向も、サブカルにはあった。
しかしそんなことにはみんな気づかなかった。
私だけが気づいている。

何か自分だけが超能力に目覚めて、悪の超能力結社と戦うことを決意したような気分だ。

「イナズマンF」でも観るか!!!!!!!

おしまい


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