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大どんぞこ気分2023

日本の青少年向けエンタメは、

「家族をつくる」
「家族を離れる」
「家族を離れて、新しい家族をつくる」

この辺がテーマになることが今も多いんじゃないかと思う。

「シン・仮面ライダー」で、もともとの特撮作品である「仮面ライダー(1号、2号)」では本郷猛が改造されたのは「頭脳明晰、体力抜群」の「優秀な素体」だったにすぎず、彼を改造した緑川博士が心変わりしたのが「たまたま」だったのに対し、
「シン・仮面ライダー」では「緑川博士一家」の家族観の確執が(チョウオーグの「ハビタット計画」と合わせて)世界的に広まっていて、緑川博士は「自分の味方をつくる前提」で、意図的に本郷猛を改造したことになっている。
やはり「家族」を設定した方が、物語の展開には都合がいいことが多いからだろう。

緑川家の「御家騒動」に巻き込まれた本郷猛も、亡き父に対してはアンビバレンツな感覚がある。ここも「シン・仮面ライダー」という作品が「父親との確執」をかなり大きなテーマに据えていることの証左となる。

「父親」が「わが子」としてヒーローを生み出すパターンは「鉄腕アトム」や「キューティーハニー」など、けっこうある。「父親がつくった」ことは後々の展開に関わってこないこともあるが、70年代くらいまでは「父親が関わっていたこと」が「きっかけ」であること、が大事だった。
大きな説得力になっていたのだ。
そうでない例もけっこうあるが、「まあ父親がつくったんだからしょうがない」みたいな説得力が付与されていた。

ちなみに「意図的にファミリーから出て行く」ラストで賛否両論となったのが「トイ・ストーリー4」だ。
私は「4」はけっこう好きだ。「トイ・ストーリー」で描くべきことは、すべて「3」で終わっているから、「4」のラストで何をつけくわえても蛇足になる。
だとしたら、ウッディは「おもちゃコミュニティ」から自立するしかないわけだ。

おしまい




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