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行動経済学+薬剤師

行動経済学の超基本 


何故か買ってしまうレジ前の商品
何故か期待してしまう宝くじ

こういったヒトの行動のいくつかは、科学的に分析されています。
行動パターン、行動心理を薬局の日常業務に活かせないでしょうか? と思い読んでみました。

読み進めてみると、ワークショップで聞いたことのあるワードがちらほら出てきます。患者さんの行動についてのエビデンスはこういうところから来ていたのですね。

例えば、フレーミング効果
同じ治療について「死亡率10%」と「生存率90%」 では、生存率を伝えた方がその治療を受ける割合が増える といった効果です。

言い方ひとつで確かに印象は変わりますよね。
「タウリン1000㎎」と「タウリン1g」は同じなのに、前者の方が沢山含有されている気がしてしまいますし。(フレーミング効果

こういった行動経済学をどうやって薬局の仕事に活かせるのだろうか?と考えてみました。

かかりつけ/在宅に 時間割引 + ザイオンス効果 を活用

かかりりつけ薬剤師や在宅(居宅)訪問って大体同じ人が対応しますよね。 最初はどんな人なのだろう?と薬剤師も患者さんも、その家族も距離感があります。
同じ人間が続けて対応して会っていると、好印象を持つ傾向がある「ザイオンス効果」というものがあります。 初回より回数を重ねていくと少しずつ世間話をしてくれる患者さんいらっしゃいますよね。

医学論文では、プライマリーアウトカム(主要評価項目)のハードアウトカムには死亡率や心筋梗塞、脳梗塞などの重大なイベントを設定してあるものがあります。 それをそっくりそのまま目の前の患者さんに当てはめて説明をしても、聞いている患者さんは怖くなってしまいますよね。 なるべく近い目標(血圧や血糖値)といったソフトアウトカムを活用することで、患者さんの治療モチベーションを維持(願わくは上げる)できそうじゃないですか?このように近い未来の方が価値が高く感じるといった「時間割引」効果を活用する
※ソフトアウトカムだけが効果的なものは採用しない(CAST試験の結果みたいになってしまうから)

まとめ

たぶん、初対面の患者さんにハードアウトカムを目標として与えても受け入れがたいでしょう。

そこで、何回も会う(ザイオンス効果)中で(ハードアウトカムが得られているもので)ソフトアウトカムを近未来の目標としてモチベーション維持に活用する。

これなら、行動経済学+薬剤師 で医学論文を活用につながるのではないかな。繋がると良いなぁ


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