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「学業とラグビー」両立のTips vol.4


皆さん、こんにちは。二兎Beプロジェクト新企画、「両立のためのTips」第4回を担当します、教育学部3年の森下尚と申します。私自身、高校時代にラグビーと学業の両立で苦労した経験がたくさんあります。現在大学3年生になり、自分自身の過去を客観的に振り返ると、「あの時こうすれば良かったな」といった後悔や、今だからこそ感じるものがあります。もちろん読者の皆さんにとって下記の考えや実践法が合う、合わないはあるかと思いますが、皆さんの両立に対する思考・実践の「引き出し」になれば幸いです。

1.「欲張りすぎない」

私自身の経験になってしまうのですが、ラグビーと勉強のどちらにも全力を注ごうとするあまり、当然のことながらラグビーと勉強がダブルブッキングのような状態になってしまいました。例えば、大事な練習試合と受けたい模試が重なってしまったり、練習後に残ってウエイトをしたいのに、課題が終わっていないから勉強しなければいけなかったり、と両方を求めようとするとパワーバランスの均衡点を見つけるのに苦労します。その中で、それをどう両立していくのか、つまりどのようなパワーバランスで割り切って取り組むのかを「考える」ことに時間が奪われてしまいました。つまり、「Plan」ばかりに気を取られ、肝心の「Do」の部分が疎かになっていたのです。完璧にしようとしすぎるがあまり、余計な部分で力を使ってしまうと本末転倒です。このような両立に対する葛藤の中で苦労していたある日、自分の中で、ラグビーと勉強の割合を7:3にしようと心に決めました。では、どういう意味での7:3なのか、少しお話しします。まず、勉強とラグビーを高校3年間という限られた期間の中で、どちらの優先度が高いのかを考えました。この時の思考の軸となったのは「高校ラグビーは3年間しか無いが、勉強は一生できる」という考え方です。仮に第一志望に届かなかったとしても、大学で勉強に全注ぎすれば、それなりに後悔は回収できるのではないかと考えました。当時の高校時代の生活を考えても、練習がハードで明らかにラグビーに注ぐ時間と気力の方が大きいことは明白でした。ある意味流れに逆らわず、ラグビーに力配分を7割という広い割合で余裕を持たせてあげることで、練習中、勉強のことが気になる、といったことを無くすようにしました。これは、勉強があるからラグビーはできなくていい、という「逃げの思考」を防ぐ上で効果的でした。しかし、かといって勉強を全くしないというのではなく、その3割の中でどれだけのパフォーマンスと集中力を注げるのかという点にフォーカスしました。3割の力で勉強のレベルをある程度高く保つには、要点を掴むことが非常に重要です。ラグビーの割合を高めた結果、やみくもに問題を解いて、「時間」という圧倒的な武器を使って理解していくことは不可能になりました。ですから、問題を解く上で基本となる「核の部分」を見つけ出し、それを理解することに注力しました。多少テストや模試の点が悪くても、ここだけは覚える、これだけは理解しておくという最低限の取り組みと、そのレベルの底上げだけを意識していました。ラグビーも勉強もそれなりに努力すれば普通よりは上の位置に到達することができます。ただ、周囲から抜きんでた存在になるには、人とは違う、「工夫」が必要です。その「工夫」とは何か。それは自分自身の中で、ラグビーと勉強の比重、つまりどちらに重きを置くのかを「割り切る」ことだと私は思います。「完璧主義」になりすぎない、と言った方がわかりやすいかもしれません。一度覚悟を決めて、優先順位を割り切って決めてしまうことで、「勉強」と「ラグビー」どちらの逃げ道も塞ぐことができます。

2.ルーティンのすすめ

上記にあるような「Do」の部分の欠落をどう克服していったかという部分に「ルーティン」が大きく関係します。1で述べたようなラグビーと勉強の比率の「割り切り」は、あくまでも精神的な心がけに過ぎません。具体的にどう実践したかというと、「ルーティン」を決めて、それを信じて日々続けることです。ラグビーに限らず、あらゆるスポーツでは練習の一番最初に「ウォーミングアップ」をします。これを勉強に取り入れて、本腰を入れて勉強を入れる前のウォーミングアップのルーティンを確立しました。具体的には、問題集や参考書を開く前に、英単語や古文単語を声に出したり、暗記することです。いきなり、脳みそをフル稼働させるのではなく、暗記や音読といった比較的単純な作業を、思考力を要するタスクの前に行うことで、机に向かう準備、脳みそのセットアップを行うことができます。ある程度集中力が持続してくると、メインの勉強に移る、というわけです。ポイントはあまり意気込みすぎない、ということです。勉強なんて思うようにいかないことが当たり前なので、事前にハードルの低い暗記物や単純な勉強を行うことで、その日の収穫がゼロにならないよう、最低限の質を保障できます(ゼロにならない)。こんな感じで毎回ルーティンをこなしていると、確実に単語力や基礎力がついてくるので、メインの勉強にも活きてくる、といった感じです。どれだけラグビーの練習で疲れていても、とにかく、「5分」簡単な作業から始めてみると意外と続いたりします。

このように、ラグビーのウォーミングアップからヒントを得た、勉強法ですが、実はこれが逆にラグビーにも活かすことができます。例えば、練習が始まる前に、ルーティンとして体幹やパワー系のトレーニング、ハンドリングをメニュー化して取り入れることが挙げられます。個人的な身体能力を上げるようなトレーニングはチームスポーツであるラグビーの全体練習であまりフォーカスすることができない部分であるので、練習前にルーティン化して個々の能力を上げるというのは、非常にお得な気がします。


○まとめ
手軽なタスク(暗記系)をルーティン化することは、続けやすい、調子が悪い日の質を最低限担保できる、やがて身を結ぶ、という3つのメリットがあります。


3.「姿勢」


ラグビーにおいて重要視される点の一つとして、試合中「どれだけ体を張れるか」といった指標があるかと思われます。どれだけ練習中、口で偉そうなことを言っても、理論を展開しても、試合中最前線に立って体を張れなければ説得力がありません。試合中のプレー、言葉、その一つひとつが伴って初めてチームの中での信頼を勝ち取ることができると思います。そういったラグビーならではの感覚に近しいことが勉強とラグビーの両立においても重要視されると私は考えます。勉強とラグビーを両方頑張りたい、と言っても、例えば普段の生活、チームの規律の部分でいい加減なことをしていると説得力がありません。自分がこれだけ本気で両立を実現したいと思っているんだとチームの皆に自身の行動、結果で知ってもらうことで、信頼を勝ち取ることができます。また、自分自身をしっかりとマネジメントできているからこそ、周りから信頼され、チーム、組織マネジメントする方向へと応用することができます。特に、進学校においてラグビーで花園を目指すとなると、そういった集団と個人のマネジメント力の高さで勝負していくことが強みになるかと思います。チームの現状を分析し、より良くしていくための改革にコミットしていくためにも、勉強とラグビーの二つを頑張れる人材は絶対にチームに必要であると思います。

勉強からラグビーに応用し、ラグビーから勉強に応用する。異なる2つの相乗効果を引き出し、さらなる自己成長へと繋げることができる点に両立の醍醐味があると思います。

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