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北大ラグビー部OB・OGインタビュー第7回(後編)

第7回OB・OGインタビューのいよいよ後編になります!ここからは稲田さんの大学院での学び、そして大学受験についてのテーマになります。具体的な取り組みや、両立する上で重要なメンタル面について、詳しく話していただきました。

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3.大学院での学びについて

Q.大学院に進んだ理由を教えてください!

やっぱり、4年生の時にやっていた研究が楽しかったというの大きいですね。あとは,研究室ですとゼミなどの人前で発表する機会が多いです。僕は,人前で話すのが非常に苦手で社会に出る前になんとかできればなとも思いました。また、3年生の時は院に進むか、就職するかずっと迷っていました。就職6割、院4割の気持ちの時期もありました。でも、部活も、研究も、となると、就活の時間もなくて、段々と院に進む気持ちが増していきました。実際,大学院に進むと後輩指導など相手が納得できるような説明をしないといけないというのがあり,本当に苦労しています。

4.大学受験について

Q.稲田さんは、5歳からラグビーをはじめ、中学受験から大学在学中まで、ラグビーと勉強を両立されてきました。「両立」において大事だと思っていることはありますか?

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大学受験を控えた高校生ラガーマンの方々の焦る気持ちはとても分かります。僕が大学受験の時に大事にしていた3つのことがあります。
① スキマ時間に集中する
普通の受験生たちよりも圧倒的に時間が少ない中で、スキマ時間でどれだけ集中できるかを大事にしていました。勉強に割ける時間が少ないから、大事ということもありますが、長い時間を集中力散漫の状態でダラダラ過ごすよりも、少ない時間でガーッと集中した方が身に付きやすいと思います。
② 同じ部員でより高い目標を持つ友達と共に勉強する
勉強をする上で環境は非常に重要です。その中でも一緒に勉強をする仲間は特に大事です。では、どういう仲間がいいか。当たり前ですが、ハイレベルな目標を持っている方がいいと思います。あえて、レベルの高い環境に自分を置くことで、自分のレベルを上げるのです。それだけでなく、ただでさえ、無駄な時間を過ごすことはできない僕にとって、分からないこともすぐに友人に聞けるような環境だったのは本当に良かったです。その友達は現役で東大にいきました。
③ 「勉強だけでやってる人には負けない」というメンタル
僕のメンタルの持ち方は「勉強だけやってる人には負けない」という気持ちでラグビーも勉強も頑張り続けました(笑)。言い方は悪いですが、別に直接口にするわけではないので、誰にも迷惑はかけてないので、セーフです(笑)。常にそういう人たちは側にいるので、彼らを見る度に思っていました。これは完全に僕の周りだけの話ではありますが、僕の高校で部活を途中で辞めて勉強に専念しようとした人たちよりも最後まで部活を頑張った人たちの方が現役で志望校に受かっています。これは個人の経験ではありますが、このとき、僕は部活も勉強も頑張り続けて良かった!と思いました。


Q.塾には行くべきか、どう思われますか?

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周りの友達で、塾に行っている人もいると思います。塾に行くことは決して悪いことではありませんが、注意して欲しいのが、「学校も塾も中途半端な状態」になることです。つまり、塾に行くなら、塾1本に絞るべきだということです。ただでさえ、部活とラグビーの両輪で動くのも大変なのに、それに加えて塾の勉強もやろうとすると、結局全部うまくいかないと思います。
さらに、もし国立を目指すならば、学校で十分だと思います。実際に、国立大学の入試に出る範囲は、学校で習う範囲で網羅しています。つまり教科書からしか出ません。いろんな参考書ばかり集める人いますが、それも間違っていると思います。大体書いてあることは一緒ですし。塾も参考書も、あれこれ手を出さずに同じものを何周もやって、復習することが大事だと思います。これも僕の経験ですが、東大に行った僕の友達も塾に行ってなかったです。
Q.稲田さん流の過去問の活用法を教えてください!

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 僕は北大を目指していたので北大の赤本をやっていました。始めたのはセンター後です。ここで、伝えておきたいのが、過去問をやる目的は演習ではなく、その大学の傾向を掴むということにあります。だから、早い人だと、たまに2年生の時点で、過去問をやっている人がいますが、はっきり言って時間の無駄です。ただでさえ時間のないラガーマンにとって、ベースとなる基礎知識のない状態で過去問をやっても、本当に時間の無駄です。少なくとも、高3の夏までは過去問をやる必要はなく、それまでは基礎の積み重ねの方がよっぽど重要です。基礎の積み重ねが1番大事です!

最後に、受験を控える高校生ラガーマンにメッセージをお願いします!

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皆さんに伝えたいのが、「大学受験は決してゴールではない」ということです。実際に部活を最後までやっていた人達の方が大学に入ってからの伸び率は大きいですし、何よりも、その苦境を乗り超えた先の人生において、この経験は絶対的な自信に繋がるだろうと思っています。この先の人生を考えたら、絶対に部活をやり続けた方が良い!と思います。
焦りも生まれ、何をしたらいいのだろうとなるときもあると思いますが,そういう時は頭で悩むよりも、紙にToDoリストを書き出すなど、アウトプットした方がいいと思います。また、受験は100点をとるゲームではありません。勉強できる時間も少ないので、戦術的にも「何かを捨てる」という選択肢も大事です。全部やらなきゃ!と思って、中途半端になったり焦ったりするくらいならば、こういう戦術もアリです。僕に関して言えば、数学は得意でしたが、物理は力学以外は,捨てましたし、化学も無機有機以外捨てました(笑)。それでも無事北大に受かりました!
1月に花園出てても、合格できる人もいます。時間がないのは言い訳になりません!焦らず、無駄を無くすのが、ラガーマンの受験の鍵だと思います。

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