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北大ラグビー部OB・OGインタビュー第5回

河内谷誠真 環境科学院(2020年度水産学部卒/HO/近畿大学附属和歌山高校) 

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昨シーズンの主将であり、チームの精神的支柱として4年間活躍された河内谷誠真さん(2020年度水産学部卒)のインタビュー。両立の苦労やリーダーシップの在り方について話していただきました。

Q.北大ラグビー部に入ったきっかけを教えてください。

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そもそも高校から始めたラグビーが好きだったという事があります。また、高校の自分の最後の大会である花園予選が、悔しい形で終わったので、大学のラグビー部でその悔しさを晴らしたいという思いがありました。新歓で入りたいと思ったというよりは自分の中で、ある程度固まっていたラグビーを継続するという気持ちに従った形です。

Q.北大ラグビー部の魅力を教えてください。

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やはり、全国の舞台に出られる道があるという事だと思います。自分たちでも十分に手の届く範囲に全国という舞台があるということは、大きなチャンスでもあると思いますし、他の旧帝大と比較しても、なかなかそういった環境はないので、本当にすごいことだと思います。
もちろん、全国目指すということはすごく難しいことです。北大ラグビー部に、皆が皆、そのマインドで入ってくるわけではありませんし、選手たちの実力も様々です。高校時代のルーツも様々、マインドも様々という環境のなかで、自分たちの意識と行動だけで全国を目指すという意味で、この環境は、自分たちの日々の生活さえ引き締めてくれるものだと思っています。そのために自ら、考えて効率的にやっていくことは、価値高いことだと思いますし、北大ラグビー部の魅力という事が出来ると思います。

Q.受験時の苦労・両立の苦労はありましたか。

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受験時は、モチベーションが重要な要素でした。周りの友人は長くても夏、それよりも短い期間で部活を終了します。そういった人が周囲にいる中で、ラグビーを秋・冬まで続けていくことは、当然時間や疲労といった不利な点もあります。一方で、そういったハードな環境だからこそ、生まれるアドバンテージもあります。そこに注目していました。周囲のことは正直気にしていましたが、二兎Beプロジェクトのテーマにあるように、正に「二兎追うものしか二兎を得ず」というマインドでやっていました。実際問題、時間は少ないので、休み時間や昼食時に早めに食事を切り上げて、自習室に行ったりしていました。二つのハイレベルなことに、挑戦できる環境に誰もがいるわけではありません。だからこそ、挑戦している自分をステータスに感じて、それだけは絶対に達成してやろうという気持ちでやっていました。「部活やってるから、ダメなんだ」となってしまうとすべての頑張りが崩れてしまいますから、自分の頑張りを認めてあげるということと、周りに負けたくないという反骨心は大事にしていました。結果的に、花園予選は決勝で敗退してしまいましたが、本気で挑戦していたからこそ、悔しさを勉強への意欲に昇華することができました。
北大には函館キャンパスの水産学部がありますが、実はその中での両立の大変さもありました。もちろん、様々な選択肢があるが、北大の場合OBさんからの資金援助があり移動費等はサポートしてもらえています。思い切って勉強に集中してもいいし、両立を頑張り続けてもいいという環境です。北大ラグビー部にチーム力や、伝統があり、水産学部にも魅力があるからこそ、選択肢が生まれます。

Q.大学院ではどんな勉強をしていますか。

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大雑把に言うと、物質循環の高速な海洋にいるバクテリアの分析をしています。所属している環境科学院では、メインテーマとして、環境問題に取り組むというのがあります。今研究しているのは、青森県陸奥湾のホタテ貝が過剰に養殖されている環境下で、ホタテ貝が海洋の栄養バランスとどのように関わっているかを研究しています。また、余談ではありますが、院に進学したことで部活やっていた頃には出会えなかった人や価値観と出会うことができたと思っています。自分の価値観を広げていく機会であり、期間になっていると感じています。もちろん、北大に入学して、ラグビーに熱中するのもいいことですが、その他の価値観に触れていくことも重要だと思います。

コラム)理想的だと思うリーダーシップやキャプテンシー

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大学三年生まで、自分の中では、高校時代のハードな練習が普通と考えていたので、練習を全力でやってあたりまえ、声は出して当たり前、発言もして当たり前と思っていた。また、それまで、キャプテンは背中で見せ、引っ張っていくというイメージでした。しかし、4年になって気づいたのは自分の中のスタンダードが他人にとってのスタンダードではないということです。これをうまく調整する必要があります。そのため、リーダーシップは自分の成長+誰かの成長を助けてあげることと考えるようにしました。みんなそれぞれ個性があって、取り組みがあるからこそ、それを普段から把握する必要があります。チームのみんなの個性を見抜いてケアし、成長を手助けすることこそがキャプテンシーだと思います。自分の成長を第一に考える一方で、他人の成長も同じくらい考えられる人間ということですね。その成長の促し方も、最初は「もっと声出せよ」とか「出し切れよ」という感じでした。実際、チームのスタンダードを上げるためにはそういった声かけも重要なのですが、自分のなかでのスタンダートを押し付けるのではなく、それぞれの個人に適切な促し方をして、みんなが一つの方向に向けるようにする。皆の大きさも方向も別々のベクトルを一つの方向に向けていく、それがキャプテンとしてあるべき姿ではないでしょうか。全国出るレベルにしなければならない一方で、皆のラグビーへのニーズも異なっているからこそ、全員を全国に行く動きに巻き込んでいくこと。もちろん、「自主性」も北大ラグビー部の強みではありますが、そういった環境を整備し、維持していかなければ廃れていってしまいます。ですから、個人として、チームとして「なぜラグビーをしているのか」という事を考える必要性も生じます。ですが、そういったことを考えられることは楽しさでもあります。それは、北大ラグビー部では、多様な人間関係があってこそではないでしょうか。


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