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もったいないおばけ VS つくもがみ
何年か前ふと疑問に思ったことを今更解消してみます。
日本に長く住んでいる人なら
「もったいない」という言葉は
なじみが深いですよね。
ものを粗末に扱うと「もったいない」
食べ物を残すと「もったいない」
はては
褒められた時なんかにも
「もったいない」お言葉です。
なんて使い方もします。
私も子供の頃に「〇〇なんてもったいない!そんなにしてるともったいないオバケが出るよ!」
と言われて
身の回りのものを丁寧に扱ったり
残さず食べたりを教育されました。
なので私はつい最近まで
この精神は日本に古くから根付いた考え方なんだと
思っていました。
ところが最近になって
「江戸時代では新年になると、家具や衣服を全て新しいものに替えていた。長く使うと付喪神(つくもがみ)が付くので良くないとされていた」
という話を耳にしました。
え?
「もったいない」は?
で、ちょっと調べてみました。
江戸時代ではというより江戸時代以前からあったようで
100年を超えて使っている家具などには
付喪神がついて良くないので捨てようという習慣だったようです。
100年・・・。
途方もないスパンですね。
今でも100年は長いと感じますが
寿命も短かった当時は100年は相当な長さだったんじゃないでしょうか?
それでも年の瀬に捨てる習慣が生まれるほど
そんな家具たちが残っていたというわけですよね。
なかなかすごい話だと思いました。
今だと2、3年もすれば使えなくなるものも少なくないと感じています。
ある量販店の服を買ったとき、1シーズンで伸びきって着られなくなり驚いたことがあります。
大型家電の寿命も10年ほどと言われています。
そう考えると昔の家具は丈夫で長持ちだったんでしょうね。
100年ともなると
さすがにもったいないおばけも納得してくれるんじゃないでしょうか。
もしかして年々ものの寿命が短くなることに憂慮した人が
「もったいない」という言葉をクローズアップしたのかもしれませんね。
そして付喪神というのはそもそも
100年経って捨てられた家具たちが
「こんなに人間に仕えていたのに捨てるなんてひどい!」
と嘆いてなったものらしいです。
「つくもがみ」という言葉、ならびに「付喪神」という漢字表記は、室町時代の御伽草子系の絵巻物『付喪神絵巻』に見られるものである。それによると、道具は100年という年月を経ると精霊を得てこれに変化することが出来るという。
『付喪神絵巻』に記された物語は次のようなものである。器物は百年経つと精霊を宿し付喪神となるため、人々は「煤払い」と称して毎年立春前に古道具を路地に捨てていた。廃棄された器物たちが腹を立てて節分の夜に妖怪となり一揆を起こすが、人間や護法童子に懲らしめられ、最終的には仏教に帰依をする。
ということは
「付喪神」とは「もったいないおばけ」だった・・・!?
やはり日本の精神としては
「ものは大事にしましょう」
ということのようです。
生活が厳しくなる昨今
ものは大事に使っていきたいですね。
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