自己投資が浪費になる時

最近よく言われる「自己投資」ですが、これについて正しく理解する必要があると考えましたので投稿します。


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まず自己投資の「投資」の部分を定義します。


自己投資を(無責任に)すすめる多くの情報発信者やコンサルは、この「投資」の定義を(わざと)あやふやにして、自分たちの高額商品・サービスを買わせようとしてきます。


ですので、「投資」の定義をまずははっきりと認識し、これを厳格な基準として考える必要があります。


「投資」の定義は以下の通りです。


「投じたお金にプラスされた額が戻ってくること」


です。


もちろん、ゼロリスクはありませんので時に戻ってこないこともありますが、戻ってくることがはっきりとした因果関係で説明できることが重要です。


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ちなみにこの「プラスされた額が戻る」というリターンの部分について、「人生にとって得になる」「いつかは役に立つ」「無駄なものは無い」とかいうあやふやなリターンの基準しか言わないもの、挙句の果てには「自己責任」と言ってお金を払った側のせいにするのは全て詐欺であり、まともな商売ではありません。


本当の「投資」のリターンは全て金額として、数値として測れるものでなければならず、それ以外は「投資」とは言いません。


つまり、ROI(投資利益率)は定性的なものではなく、定量的に数値(金額)で測れる(換算できる)モノ以外は「投資」ではありません。



定性的なことしか言えないものは、どんな屁理屈をこねようとも「浪費」でしかありません。


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ここで「浪費」という言葉が出てきたので、あわせて定義しておきましょう。


「浪費」とは


「使わなくても生きていけて、かつ使った後に戻ってこないお金の使用」


です。


たとえば、


「キャバクラに行く」

「恋愛・婚活をする」

「ギャンブルをする」

「高級なお店で外食をする」

「(男性に限り)結婚する」


などです。


このほかにも、「投じた金額以上のお金が戻って」こないものは結果論であったとしても全て浪費でしかありません。


たとえば、


「コミュニケーション能力を磨くためにコンサルを受ける、セミナーに参加する」

「読書をする」

「異業種交流会や合コンなどに参加する」


などは、全て投じたお金以上のお金が戻ってこない場合は、誰が何と言おうとも問答無用で全て「浪費」という括りになります。


以上が「投資」とそれにかかわる「浪費」の定義となります。


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以上をふまえて「自己投資」を定義しますと、


「自分の労働の価値を高める、もしくは不労所得の仕組みづくりをする能力を創るために、自分自身の能力向上にお金を投じて、投じた金額以上の金銭的リターンを得ること」


となります。


「投資」と違うのは、「投資」であればお金を投じる対象が、株だったり不動産だったりするのですが、「自己投資」の場合は労働にせよ不労所得にせよ「自分のお金を稼ぐ能力」を高めることであり、それ以外ではありえません。


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ただ、「自己投資」の場合は、お金を投じる自分自身がどのような属性なのか?で、同じことをしても「投資」になったり「浪費」になったり変化します。


たとえば、「コミュニケーション能力を高める」ことにお金を投じたとしましょう。


もし職業がセールスマンだったとしたら、コミュニケーション能力を高めた結果、客を言いくるめることができて、それが歩合給の上昇につながるというのであれば「自己投資」と言えます。


しかし職業が事務職の公務員の場合であれば、コミュニケーション能力を高めてみたところで、逆立ちしてもお金には繋がりませんので、これは「自己投資」ではなく「浪費」でしかありません。


このように、リターンの金額「だけ」を見てROI(投資利益率)を冷徹冷酷に評価できる能力が「自己投資」には必須です。


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ちなみに、ここまで「浪費」を悪と言わんばかりの言い方でしたが、人生において「浪費」は悪いことではありません。


というのも、人生における楽しいこと、充実していることなどは全て「浪費」であり「浪費無くして人生無し」と言ってもいいくらい、人生に彩りを添えて、人間らしい人生を送るためのものが「浪費」です。


なので大切なのは「浪費」をするために、「浪費」をしても経済的に安定して生活できるために、「浪費」するための原資を稼げるようになりましょう(できれば不労所得で)というのが、私の言いたいことです。


そのためには、確実に結果として反映される因果関係を説明できるかどうかで「自己投資」か、コンサルの単なる詐欺商法でしかない「自称・自己投資=快楽なき浪費」なのか?を見極める必要があります、ということです。


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まとめますと、「自己投資」と言えるための判別基準は


1.子供や親友にすすめられるレベルで、お金が戻ってくる因果関係=ロジックを説明できるか?


2.自分の属性を考えて、お金を投じた結果得られるものが、所得向上につながるか?


3.リターンを数値(金額)で検証できるか?(定性的なリターンでしかないものを誤魔化していないか)


以上の3点を「すべて」満たせるものだけが「自己投資」であり、それ以外はどんな権威や成功例、実績を持つ人間が何と言おうとも「浪費」でしかないと判断して「自己投資」の枠から切り捨てましょう。


ただ、世の中の情報発信者、セールス、コンサルは人を騙して売りつけることに長けていますし、それで飯を食べていますので、自己投資詐欺に引っかかることもあるでしょう。


その場合は、早く、冷徹に損切り=サンクコストを切り捨てることが大切です。


無理にポジティブに考える必要はありません。


「犬にかまれてしまった」くらいの不運な出来事だったと思って、さっさと切り捨てることが大切であり、そこに意味とか意義とかを無理やり考える必要はありません。


その代わり、次はもっと厳密にROIのロジックを精査して、確実な金銭的リターンを狙えるものにお金を投じられるよう、見る目を磨くことが大切です。


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