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現代にも生きる島津の戦法:鉄砲の使い方

いつものまとめ動画かと思ったら、一つ面白いものが含まれていた。

それは動画の2分44秒のあたりから始まる「鉄砲の使い方」について。

というのも、他の戦国武士は鉄砲を弓矢の代わりの遠距離武器として使っていたのに対し、島津は「鑓の代わりに敵に止めを刺すもの」として鉄砲を使っていたという点。

もちろん、遠距離からの狙撃用としても鉄砲を使っていたものの(もともと日本に伝来した火縄銃はヨーロッパでは猟銃として使われていたもので、ヨーロッパでは軍用銃の扱いではなかった)、そういった散兵ではなく正面から敵に当たる主力部隊での鉄砲の使い方ということ。

鉄砲の武器としての最大の特徴というか長所は「装甲貫通力」にある。

従来の射撃兵器である弓矢では板の楯を割ることはできないけれども、鉄砲であれば簡単に板の楯を割ることができる。

また弓で甲冑を貫くのは非常に困難ではあるけれども、鉄砲であれば鎧を貫通させることも可能である。

となれば、遠間から撃つよりも、近間から撃った方が貫通力も高まるのは単純な物理法則から言っても当然のことなので(近くにあるものに当てる方が速度が乗ってる=運動エネルギーが高い)、鉄砲を鑓の代わりとして使うというのは非常に理に適っている。

また、動画の中で言われているとおり、鉄砲を当てるのが下手くそな人間でも、近間のものに対して打てば当てやすいので、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ならぬ「下手な鉄砲も近寄りゃ当たる」という方法。

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これらは現代戦においても該当する原理であると思われる。

というのも、遠間から撃つと、敵に回避の隙を与えてしまうし、弾道を逆に計算されて射撃位置を特定されてしまうというデメリットがある。

なので、遠距離で使える武器ほど近距離で使うと効果が大きいという島津の戦法は、現代においても大いに研究し、訓練する価値のあるものを含んでいるといえよう。

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