家制度が廃止された日本で別姓婚は伝統云々言われても

明治時代には家制度があったので、夫婦は別姓でもどちらかの家に属すことになる。(つまり、婿養子もあり得た)

今の時代は家制度がないので夫婦が別姓だと単なる対立関係を生み出すことになる。まあ、離婚が増えるのは女性の自立だからその方が良いという人もいるのかもしれない。

もしその原則で行くのなら、離婚後、養育費を支払う義務をキチンと母親側にも課すべきである。現在のところ、父親が支払う率は25%弱だと言われているが、養育費の取り決めをしている事例では半分以上の父親が養育費を支払続けている。一方で、母親が養育費を支払っているのは取り決めをした事例でも数%しかないのである。これを男女の収入の差のせいにして不問に付せという人もいるが、それならば、父親が離婚後失職して養育費を支払えなくなったり、新しい家庭を持ってその生活のために養育費が支払えない場合も認めなければならないのではないか。

どこかで見たけれど、今、男女の(多分正社員の)給与差は93%だという。女性が非正規を選択することが多いのは扶養に入るための妻の収入に制限があるからだろう。そのため、フェミニストは専業主婦に反対してきたのではなかったか。

今、夫婦別姓を後押ししているのは経営者達である。企業の経営者にしてみれば女性が活躍する社会を望んでいるわけである。つまり男性でも女性でも、社員は企業の利益に役立つからこそ給料を払うわけである。女性社員だからと言って家事や子育ての方を優先してもらっては困るわけである。家庭など崩壊しても良いので女性社員には企業の利益のために男性社員と同じようにエネルギーを注いで欲しいのではないか。そのためには結婚も別姓にして女性に妻や母であることより一個の社会人、企業人として責任を持って企業に尽くしてもらう方が利益である。

もちろん、そういう社会で維持してゆくために解決法はある。男性の育休取得率を50%にすればよいのである。現在は5%でしかない。しかも、数週間も取っていないのである。女性のように1年もしくは2年くらい男性社員に育休を取らせればいいのである。

けれども、現実は男性の育休取得率は5%である。

つまり、企業経営者の目論みとしては女性に働き続けろ、産休・育休を取らずに男性社員のように企業に尽くしなさい。そうすれば昇進もさせる。ガラスの天井も取っ払うよと言いたいわけである。

そりゃ男と同じように正社員としてフルタイムで働き続けるのに昇進をさせないというのは差別である。少なくとも男と同様に昇進させるのは当然のことである。

一方で、産休、育休をフルで取って、しかもアファーマティブアクションで女性を優先して昇進させなさいということについてはやはり本心では躊躇するところがあるのかもしれない。コアタイムの勤務だけだけれども女性という理由だけで昇進させます。男どもはサービス残業をやっても頑張って業績を上げても女性の方が昇進は優先なので、平社員で我慢しなさいということになれば男どもの勤労意欲は低下することは明らかである。そういう状況になっても上司となった女性は「育児があるのでコアタイムで帰りまーす。あとはよろしくね」って帰ってしまうわけである。

ここで文句を言う男はフェミニストにとっては「女性差別主義者」になるであろう。文句を言う男は「差別主義者」の烙印を押されることになるので、表立っては文句を言うこともできない。しかし不満は消えないわけである。自分たちが必死で企業のために利益を上げてもその手柄はアファーマティブアクションで女性が掻っ攫っていって昇進する。しかも昇進した女性は実務を昇進できなかった男に押し付けるだけということになる。

女性の側も「自分ができることは精一杯やっている。できない部分をお願いしているだけなのに文句を言われるのは心外」という気持ちになるであろう。

そうなれば企業の推進力は落ちて内訌が起こることは目に見えて明らかである。

こういう事態を防ぐためには女性に家事育児をやらせないのが一番である。少子化がなんだっていうのです、企業の活性化には女性が必要です。女性が正社員として残業も含めてフルタイムで働くことは家事育児より重要なことです。家庭に入らない女性は別姓でいいじゃありませんか。同姓にして専業主婦をするような女性は「劣った」能力の低い女性です。もちろん、能力の低い女性は家事や育児でもしていればいいですね。そういう人は企業は必要としません。

企業が必要な優秀な女性は別姓婚で家事や育児よりも企業に身を捧げてください。愚かな女性は少子化解消のために子どもを産む機械でいいですよ。企業はどうでもいいです。だから選択制夫婦別姓です。同姓を否定してはいないのですよ。

こういうことになると、同姓を選ぶ女性は落ちこぼれ、子を産む機械と烙印を押されることになるので、女性は必死で別姓婚を選ぶという目論みなのだと思う。

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