見出し画像

家父長制?

フェミニストたちは家父長制打破を叫んでいるようなのだが、実は、彼女たちの見ている「家父長制」とは何なのかよく分からないというのが実感である。ホモソーシャルというのも男尊女卑というのも彼女たち、彼らの使う意味が広すぎてもはや訳が分からない状態だと思う。

「家父長制」とは家父が家長として絶対権力を振るって「家」を支配する制度だと思うのである。その意味で言うと現在の「家」に家父が存在するところは少ない。(ないというわけではない)少なくとも女性が「夫が家事をしない」ってブーブー言える家は少なくとも家父長制ではない。家父長制の家ならば家父の命令が絶対な訳である。口答えなんてできるはずがない。文句があっても腹の底で噛み殺さなければならないわけである。

「うちの夫はモラハラよ、私が皿洗いしろっていっても嫌だっていうから蹴り飛ばしてやった、あはは、うちって家父長制だよねー」って言えるおうちは間違っても家父長制ではないのである。

そう言っていると、「うちは父親が暴力で家庭を支配して口答えなんかしようものなら死ぬほど殴られたんですよ、これでも家父長制じゃないんですか!」っていう人がでてくるかもしれない。確かに暴力で絶対的な支配権を確立している父親というのは存在するだろう。(そういう支配を母親が行なっている場合もある。)けれども、それが「家父長制」とは言えない理由は、もし、そこで殴られた子供が警察なり児童相談所なりに駆け込めば虐待として保護されるからである。父親(母親)による暴力を用いた家族の支配というものはもはや公認されていない。もはや家父長制は制度としては成り立っていないのである。

そういう現状で「家父長制打破」って叫んだとしても一体何を求めているのか分からない。別に家父長でもないただの男を「家父長だ!」って糾弾したらどうなるか。殴る方のフェミニストたちはストレス解消である。快感を持って殴ることができるであろう。自分の正義感も満たされるし、周囲のフェミニストたちのギャラリーからの称賛の声浴びて誇らしい気持ちになることであろう。

殴られる方の男にしてみたら、なぜ殴られるのか分からない。自分が家父長として絶対権力を振るったわけでもない。そりゃちょっと残業したけれど、稼いできたのだから家事をやらなくてもトントンではないか。別に性加害者であるわけでもない。それをホモソーシャルとか男尊女卑と言われてなぜ殴られなければならないのか。大体そういう無茶をやってきたのはもう老人になっている上の世代である。文句を言うならそちらにいえばいい。

例えば未婚者であると「胸に手を当てて考えてみろ、自己批判しろ」と言われても、そもそも女性との付き合い経験ないし、彼女いない歴=年齢だし、ということになりかねない。そもそも女性との関わりもないのに男尊女卑で自己批判しろと言ってもできないのである。

そうすると、お前の爺さんは婆さんにご飯を作らせて自分は偉そうに座っていただろう。「あなた作る人、僕食べる人」は男尊女卑だ!家父長制だ、と言われるわけである。

そうなると、「『僕稼ぐ人』はどうなるんだ。つまり、『自分で稼いだ金で自分で作って自分で食べれば(洗いは食洗機を買えば良い)自己完結するじゃないか』」ということになる。

そりゃ日本を滅ぼそうと考えている人たちや反出生主義なんておかしなことを考えている人たちにとっては都合のいいことになるかもしれない。結婚戦線はどんどん縮小することになるのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?