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養育費

この先生もnoteに参戦しているのか。

この先生の意見はまあ、今の離婚の現場のステレオタイプだと思うのだが、これを飲んでしまうと、男たち逃げてと言うより他はなくなる。男たちは結婚することにリスクしかなくなるので、「もう、いいじゃないですか。今は「家制度」もなくなって家父長制もない。伝統的には後継に自分の家を継いで行ってほしいと言う気持ちは良くわかりますが、もうそんなことはすっぱり諦めなさい。男たちは「家」のことなどもう考えずに自分のことだけ考えて、トラブルを避けることに専念した方がいい。結婚なんて危ない橋を渡るのはおやめなさい。そりゃお互いに財産持ちでよく知った相手ならいいかもしれませんが、不用意な相手と結婚したらケツの毛まで毟られて捨てられるのがオチですよ。そんな不幸を目指すよりは孤独な安全を確保すべきです。」と言っておくしかないのである。

もちろん、男の結婚についてである。

まず、恋愛結婚はご法度である。結婚すれば相手の家族とも付き合わねばならないのである。駆け落ちなんてドラマの世界でしかない。そのときいかに相手が素晴らしいように見えたとしても家族は見えない。例え、家族がとんでもない人であったとしても恋愛結婚では隠されていてもわからない。つまりは見えないのである。

本人についてもそうである。恋愛で燃え上がっちゃうと「アバタもエクボ」、ついつい警戒心や疑心が緩むことであろう。結婚した後で「そんなはずじゃなかった」と後悔しても遅いわけである。例えば、フェミニズムでは「婚姻は性行為の免罪符ではない」と言う意見がある。つまり、女性には性行為を拒否する権限があると言うのである。結婚している以上、貞操義務は両者に掛けられる。つまり他の人と性関係を結ぶことのできないあなたは蛇の生殺しということである。恋愛結婚では相手がそういう人であったとしても気付かない可能性がある。

子供を産む権利をリプロダクティブ・ライツというが、フェミニストたちはこれも女性の権利であると主張している。子供を産むかどうかは結婚した相手であっても関係なく女性が決めるということである。男が後継を欲しいと言っても却下である。もちろん、女性が欲しいといえば男に拒否権はない。なので、男にとって「後継が欲しいから結婚する」という伝統的な価値観にはもはや合理性はなくなっている。

結婚して子供が産まれても離婚というハードルがある。さっきの人の「子の連れ去り」とはそのときの話である。

そもそもが離婚時には親権は単独親権になり、一方の親にしか与えられない。つまり、他方の親は事実上、「親ではなくなる」ということになる。いや、最近は寡婦手当てが減ったので「親ではないけれど養育費を支払う義務だけは履行しろ」という主張が強くなっている。非親権親は子供と一切会うことすらできず、子供が生きているか死んでいるかもわからなくてもひたすら養育費の支払いだけは求められることになる。(流石に本当に死んだら支払い停止はできると思うけれど)

家庭裁判所も非親権親は養育費を支払えよ、というけれど、子供の顔も見ることのできないのは良くないと「面会交流」の履行を推進しているが、親権を持つ監護親側は「あんなろくでなしに子供を会わせたくない」と抵抗しているので養育費を支払っていても会えない人も結構いるそうである。

http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2018.asp?fname=T06-14.htm&title1=%87Y%81D%8C%8B%8D%A5%81E%97%A3%8D%A5%81E%94z%8B%F4%8A%D6%8CW%95%CA%90l%8C%FB&title2=%95%5C%82U%81%7C14+%90e%8C%A0%82%F0%8Ds%82%ED%82%C8%82%AF%82%EA%82%CE%82%C8%82%E7%82%C8%82%A2%8Eq%82%F0%82%E0%82%C2%95v%8D%C8%95%CA%97%A3%8D%A5%90%94%81F1950%81%602016%94N

上記の人口統計資料集では2016年までのデータであるが、2000年以降は父が親権を得る割合は10%台であり、年々減少していることがわかる。つまり、離婚後、子供に会えない非親権者になる親はその大多数が父親であるということになる。

「子の連れ去り」というのは離婚成立前に母親が子を連れて行き先を父親には知らせずに別居することである。そうなると、離婚裁判時には裁判所は「監護の継続性」を重視するということである。「実際に母親が監護しているのだからそのままでいいでしょう」というわけである。父親側にしてみれば探しようがないわけだからその時点で親権を得ることは絶望的になる。母親側は離婚成立までの生活費は夫に請求できるので損はないのである。もちろん、離婚の慰謝料とか財産分与も別に請求できるであろう。父親が家計を支えている家庭では離婚裁判では母親側の優位は動かない。

問題は離婚後である。母親が再就職するなどして十分に家計を支え、子育てができるようであれば問題はない。けれども、再就職までブランクのあった母親や育児に手間がかかる時期の子供がいる母親は十分に稼げる職につけるとは限らない。保育所も母子家庭は随分優遇されるが、それでも選に漏れることがある。そうなれば貧困化一直線である。そこでふと気づくのである。養育費はどうなったと。

ここで上記の厚労省調査である。平成28年にひとり親家庭の養育費について調べられている。

ここで問題とされるのが24.3%という数字である。母子家庭で「現在も養育費を受け取っている割合」である。「なんて低いんだ!父親はオニだ!」というわけである。56ページの「表17-(3)-1 母子世帯の母の養育費の受給状況」に載っている。平成23年の前回調査から5%は増加しているのだけれど、そのことに言及する人はいない。ひたすら元夫、元父親がオニであるという非難のみである。

この調査には他にも表があるのだが、そこに言及する人もいない。

例えば「表17-(2)-1 母子世帯の母の養育費の取り決め状況等」である。この表を見ると母子家庭で養育費の取り決めをしている割合は42.9%とある。つまり、半分以上の母子家庭ではそもそも養育費を支払う約束をしていないのである。「約束もしていないのに支払われるわけないじゃん」ということは決して語られることのない事実である。

何で取り決めしないの?と思ったらその理由も書いてある。「表17-(2)-11-1 母子世帯の母の養育費の取り決めをしていない理由(最も大きな理由)」である。ここには「相手に支払う意思がないと思った(17.8%)」「相手に支払う能力がないと思った(20.8%)」というのもあるが、一番多いのが「相手と関わりたくなかった(30.1%)」である。

相手と関わりたくなかったから養育費の取り決めをしないでおいて、後から「この鬼のような元父親は養育費すら払いやがらねえ」ってリンチにかけようということである。元父親にしてみれば「え?養育費の話すらしなかったのに払わないって槍玉にあげられるの?一体いくら払っていればよかったのよ」って気分になっても仕方がないであろう。

さらにいうと、現在も支払っている人は24.3%だが、かつてもらったことがあるという人は15.5%いるわけである。足せば39.8%である。支払う取り決めをしても支払わなかった人はわずか3%程度である。

もう一ついうと、父子家庭で養育費を受けている人は3.2%である。受けた経験のある人を合わせても8%程度しかいないのである。これは父子家庭で養育費の取り決めをしているのが20.8%しかいないということを割り引いても「わずか」という形容詞をつけてもよいだろうと思う。時々フェミニストたちは「父子家庭の年収は母子家庭より多いからそもそも養育費を請求する必要ない!」っていうけれども、だからこそ母子家庭の半分の20%しか取り決めをしていないということであろう。そして一回でも養育費をもらったという父子家庭は8.1%であったということである。

こういうあからさまな非対称をなかったことにしているのが今のジェンダーや離婚界隈である。男たちは夢を見ていてはいけません。恋愛結婚など決してしないように。一番いいのは二次元嫁をもらうかドールを嫁にすることです。

どうしても三次元の嫁をもらわなければならない時にはきちっとお見合いで釣書をよく確認して、本人もその親もよくよく確かめて安全を確認してからでないとお勧めできないですね。そうしていても結婚後に豹変されるリスクはゼロにはできません。

正に「男たち逃げて」の時代である。


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