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男が結婚する必然性はない話

男がなぜ結婚しなければならないか。
実はそういう必然性はないのである。結婚して子供を産み育てることは女性にとっては人生の一大事かもしれないが、男にとっては平気でヤリ逃げするレベルの話でしかないわけである。無論そういう無責任な男でない男にしてみれば「だが断る。やらない」という選択で済んでしまう。結婚するより命を賭ける大切なことは男にとって沢山あるわけである。

以前は家父長制ということで無理やり家を存続させる責任を男に課すことで子供を育てる責任を男に押し付けていたわけであるが、もうそんな時代ではない。家父長制などという前世紀の遺物は効力を失っている。今や男が子供を育てる理由は犬や猫などのペットを飼うのと同じレベルである。男にとってみればペットの猫がいればわざわざ結婚までして人間の子供を育てなければならない必然性はない。

こう言ってしまうと身も蓋もないのであるが、実情としてはそうとしか言えない。多分、女性はこのことを理解していない。自分たちが子を産み育てたいのと同じように男どもも子供を産み育てたいのだと勘違いしているのだと思う。だから女性がハードルを上げればあげるほど、土下座してなんとか子を育てさせてくださいと平身低頭になるはずだという根拠のない自信に満ち溢れているのではないか。

日本では老人なども平気で「少子化対策も結構だがそんな無駄金があれば老人福祉の充実に使うべきではないか。老人が少子化対策のために負担増なんてとんでもない!」というわけである。若者の税金や社会保障費の負担はすでに47%であるが、老人たちは「なんだ。まだ50%にも達していないじゃないか。まだまだ絞れるはずだ」と考えている可能性も高いのである。

経団連なども女性の権利、女性の役員比率の向上を言っているが、これも海外の企業が女性役員比率の低い企業との取り引きを断るようになってきたからということであろう。女性の比率を高めるために男性の昇進を抑制しているという企業もあるらしいのである。NHKの番組でも「これまでは子持ちは戦力外と言われていましたが、(そういう私も)昇進を打診されて戸惑っています。」と言わせているのである。企業にしてみれば女性が結婚などしなくても構わない。少子化などどうでもいい、それよりも役員の女性比率の向上だというのが本音であろう。

企業にしてみればさすがにバカな人は男であっても役員にしてしまえば社運が傾く危険があるわけで、女性で優秀な人、企業を運営して行ける人をカネや太鼓を鳴らしても探しまくっているということであろう。結婚したり子供を産み育てるなんて(企業にとっては)無駄なことをするなよ、それよりも社畜になって会社に尽くして、という気持ちでいっぱいなのではないか。逆に男は要らなくなっているわけである。男は専業主夫になって家事育児に精だしてくれればいいよ、それより優秀な管理職になれる女性や役員を家庭にいれずに企業に頂戴ということであろう。

おそらくこれは多くの女性の希望とは異なるものかもしれない。今まで多くの男たちが過労やストレスで命を落としてきた立場に立たねばならないからである。そんな苦労をして子供も産むことなく企業に尽くさねばならないわけである。今でも40代まで企業戦士として働き続けていた女性が「もう産めなくなる」という危機感から不妊治療に大金を払って挑戦している人は少なくないのではないか。そういう人たちも10年、15年前ならば問題なく自然妊娠していたかもしれないのである。

私だってもう数年すれば子供も成人するから(大学に行くと言われればまだまだ学費を払うために稼がなければならないが)、流石にこれからもう一度子育てをするわけではないのでもうどうでもいいとは言えるが、これからの子供たちの生きる社会はどうなるのか、大変だよなあと思うのであれこれ書かざるを得ないのである。

リベラルさんの描く理想社会はもう子供を産み育てるというきっちりとした社会ではなくて男女であろうが同性であろうが子供のことなど考えずにキャッキャうふふで恋愛至上主義の二人の幸せのみを追求する社会になるだろう。テレビドラマのヒロインはいつまで経っても歳を取らないのである。だから永遠の若さを享受できるはずという錯覚に陥っているのかもしれない。そしてあるとき、現実の自分はもう妊娠できない年齢!ということを自覚して不妊専門クリニックの門を叩くことになる。

シングルマザーさんも同じで、夢の世界と自分を重ね合わせていると、現実の自分とのズレが出てきて離婚に至ることになる。無論その過程には同情すべき事情は十分にあるかもしれないことは当然だけれど。いずれにせよそこで現実にぶつかって、子供を産んでからは時短勤務や専業主婦で生きていた人が再就職することの厳しさを受けて、民法何条かの元夫による子の扶養義務を叫びだしたりするわけである。今や実の親でも扶養せずに生活保護を申請させる時代である。もう二度と会えない子のためにお金を払おうという元夫の方が少ないわけである。

DV夫呼ばわりされ、子供を面会交流させたら殺される危険がある!と面会交流を拒否され、元夫に危害を加えられる!と言って居所すら秘匿されている母子のために喜んで金を払いたい元夫の方が少数派になるのはやむを得ないであろう。ほとんどの金を払っている人はひたすら義務感のみで払っているだろうし、もう捨て金と割り切っていて、親権者の母親が黙って養育費の金を受け取りながら子供には「あのクズ父は子供のお前のためには一切金を払わない悪鬼のような男」と吹き込んでいる可能性すら覚悟していることであろう。(かつてネットで、元父のところに一切面会交流を拒否されていた成人した子がやってきて、元父に養育費を払ってくれなかったことに恨み言を言った時に黙って振込した記録を出されて絶句して帰っていったという話も見たことはある。嘘松かどうかは知らんけど)

リベラルさんやシングルマザーさんの描く理想の社会は元夫が自ら奴隷志願して進んで強制労働する社会であって、男は自殺志願者ということになる。企業の求める社会はそもそも女性が結婚より社畜になろうという世界である。そういう世界では結婚する男は同性婚でいいわけで、わざわざ女性と結婚するような男は専業主夫志望ということになるかもしれない。

もうこういう家父長制粉砕を叫ぶ人たちは「少子化万歳」を叫んでいるわけで、未婚を後押ししているわけである。こちらから見るとself-destructiveであるが、もう後戻りできないラインを踏み越えているということだろう。このままゆくとそもそも男には結婚する必然性がなくなり、女性たちが自縄自縛になって結婚や妊娠出産子育てを口にしにくい社会になってゆくことだろう。推奨されるのはそもそも不妊である同性婚である。少子高齢化が賞賛され、老人が利己的に予算を要求し続ける子供のいない社会は女性たち自身の選択として見えてくるわけである。

多分、離婚後共同親権が潰されたらこういう社会が口を開けて待っているということである。

1日1記事にしようと思ったけれどいっぱい書いてしまった。

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