日本でNHSなんて夢である
実はその米山氏がひろゆきを論破したという動画は見ていないので、米山氏がどういう医療システムを提唱したのかはよくわからんわけであるが、英国のNHSみたいなものならば多分速攻で破綻するのではないかと思う。
なんか知らんが、想定しているシステムは医学生を無料にする代わりに医者になった後は高齢者様のために医師に鎖をつけて逃げないようにして永遠に働かせるシステムでも考えているのかもしれない。「嫌ならやめろ代わりはいくらでもいる」ですらないわけである。医師が嫌だと言っても鎖があるから逃げられない。労働基準法ってそれ美味しいの?っていう全時代的な強制労働システムになることはまあ想定の範囲内である。
NHSなんて風邪なら寝とけ、はあ?がん?検査は一年後ね。手術は3年待ちかなくらいのレベルなんである。それで日本の患者たちが納得するわけないのである。
そうなるとどうせ強制労働だから医師には最低賃金で24時間働いてもらいましょう。医の倫理があるから盆正月も要らんでしょう。病院に住んで貰えばいい。当直室にはシャワーもあるし。そこで患者の病院食を検食して貰えばそもそも食費も不要じゃないですか。24時間働くのだから白衣だけ病院が支給すれば私服とかも不要ですよね。
もちろん、製薬会社様の利益を考えると薬価はその分上げる必要があるでしょう。もちろん、圧力団体である看護師協会や他のパラメディカルの労働基準は厳格に守るべきだし給与も保証すべきでしょう。その分医者に泣いて貰えばいいわけです。どうせ24時間365日病院で暮らしてもらうので外出もできないのだから現金の支給も不要ですね。
患者さんにしてみれば常に病院には主治医の先生がいるということで保険料が上がったとしても安心できるわけである。病院も救急加算もあるし、医師が辞めるというリスクもなくこき使える。製薬会社も「ガンガン薬使ってください。高い新薬もどうぞ。」というわけで国も幸せになるし、病院も製薬会社も皆幸せになれる。
国民も医者の給料はゼロだし、24時間いつ行ってもみてもらえる。ということになる。団塊の世代はもちろん医療費ゼロを叫ぶので若者がその補填をしなければならないけれど、まあ、それが八公二民くらいになったところで高齢者はどうということないわけである。
でも、そうなれば子供が生まれるというのはどう風が吹いたら桶屋が儲かるのかはわからない。
今の日本は若者は大都会、東京などに集めて老人は田舎に行ってもらうというのが原則である。
2015年にはそういう提言がなされている。
https://www.kaigo-kyuujin.com/oyakudachi/break/24452
それが報道されて一度問題となったので、今では東京都のホームページでも東京都内の施設がリストに上がっている様子である。
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shisetsu/gaiyo/osagashi.html
けれども、実際にこれから高齢化の波が押し寄せた時にその施設だけで足りるのか。結局一都三県では賄いきれない部分は地方に担ってもらうしかないのではないかと思われるわけである。
そうなると、地方にはこれまでよりももっと老人が押し寄せるということになるのではないか。そうなると子供どころではないわけである。
もう、東京の御三家などに高額の出産費用を払える上流階級以外は少子化で産科も小児科も淘汰されていってもうかかろうとしても病院自体がなくなってしまうのではないか。
東大の教育学の先生も「リスキリング!」って叫んでおられたのでもう学校は子供の行くところではなくなって、高齢者が余生を楽しむためのものになるか、もしくは食って行くために必死で新しい技能を身につける場所になってしまうかもしれない。フェミニストたちの理想の世界である。
ああ、英国のNHSも英国が英国病で苦しんで左前になった時にはその医師たちはとにかく英語の技能があるわけなので多くは米国に移住していったわけである。
で、医療の空洞化が起こったために英国首相はNHSの医師の給料を増やすと発表したわけである。けれども、医師不足で働かないNHSに対して、私立の病院も開設され、ここは自費診療で高いけれど、急病になって命を救ってほしい金持ちたちが大金を払ってさっさと入院したり治療を受けている。まあ、金が稼げるので最先端の技術を持つ医師もこういうところで働く人は米国には流出しないわけである。
日本人の弱点は英語であるとよく言われるわけである。なのでみんな「どうせ英語ができないから日本の医師は奴隷労働させたって米国に逃げることはないよ」と言うかもしれない。けれども、NHSですら週40時間労働は守られているのである。日本では当然ながらそんな基準など守られるはずがないわけである。今、議論されているのは過労死基準の残業以上は流石にやめようと言うことではなかったか。
金ももらえず、過労死基準でこき使われても「医者は恵まれている」と周囲からは羨まれ、嫌味を言われ続けるわけである。そして、過労死でもしようものならば皆、そんな医者など最初からいなかったかのように目を背けて問題は無かったことにすることはまあ、想定の範囲である。
まあ、その医師が若い美人の女医さんだったらマスコミが取り上げるかもしれないが、悪いのは女医さんの代わりに過労死しなかったオタク男の男性医師ということになるのもまあ想定されるわけである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?