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横の線と縦の線

昭和オヤジとして思うのは異性愛、同性愛という愛は横の線である。縦の線は相続である。相続というのは子育てである。

伝統的な技術では同性愛では子供は生まれなかった訳で、そのことが同性婚に対する忌避に繋がっていた訳だけれど、現在は異性婚でも子供を作りたくないという人は稀ではない。それは家制度が破壊されて、「後継」つまり子供を作ることが必須ではなくなったからである。

進歩派の人は「同性婚でも養子を取ればいいのよ!」と叫ぶが、一組の養子を取る同性婚カップルのために養子を取らない99組の同性婚カップルを「結婚」という保護枠に入れるのは非効率であろう。

そういうと「異性婚でも子供のいないカップルはいくらでもいるじゃない!」と噴き上がるお方が出現する訳である。そうであれば「結婚」という制度を廃止するのはどうだろうか。

子供のいない異性カップルも同性カップルも単にカップルとして登録するだけにしておくのである。税制の特典や相続の特典も発生しないけれど、役所に問い合わせれば「ああ、この人たちは一応、カップルですね」とわかるようにしておくのである。

子供が生まれた、もしくは養子を取った時点でもう一度、両者の意思を確認して子育ての意思があれば改めて結婚という登録にして、子供が成人するまでは税制の特典や親権の行使が可能になるようにする訳である。相続権も発生するがそれは子が成人しても残る。ただ、日本は単独親権なので両親が離婚したときには親権は一人の親にしか与えられない。その場合には親権を失った方の親は相続権の停止ができるようにすればよい。養育費の支払いは相続とは別だからそれはきちんと取り決めすればよいのである。

つまり、結婚は横の線で相続は縦の線である。伝統的には横の線と縦の線は一体化していたのだけれども、近年の文明の進歩でそれを分離することが可能になったのではないか。

一度結婚という包括的な制度を解体してもっとリーズナブルな制度にすることを考えてみればよいのではないか。

追記: カップルとして登録する段階では結婚ではないので別姓が当然になる。別れても慰謝料なども発生しないので別姓婚を叫ぶ人にも受け入れやすい制度ではないだろうか。もちろん、正式な結婚をするならばどちらかの姓に合わせる必要が出てくるけれども。

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