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わいせつ教員の処遇について

ベビーシッターに性犯罪歴のある男性が前歴を隠して応募し、その人が担当した子供に性被害が起こったということで、男性保育士への忌避感が広まったことが端を発して、教員のわいせつ行為に対する厳罰化の議論が広がっている。

一応、名誉のために言っておくと、私の知っている男性保育士は皆真面目で熱心な人ばかりで、彼らにも風当たりがキツくなったであろうから、それはあまりにも不当に扱われているのではないかと思う。

教員のわいせつ行為や性犯罪もしばしば報道されるようになっているのはご存知の通りである。

これについて、わいせつ事案は懲戒免職は当然で、刑事罰も与えられるが、刑期を終えた後は公民権は復帰するので再度、教員免許の取得が可能であったようである。いや、普通の教員免許取得過程ではそういう不適切な人に教員免許を与えないように注意していると思うが、10年以上経つと記録も散逸したりして十分なチェックができないのですり抜けてしまう事案があったということであろう。

本来なら、犯罪を犯しても刑期を終え、罪を償った時点でその人の人権は回復されるべきである。たとえ詐欺行為を働いたとしても、刑期を終えれば再び国会議員として働くことは差し支えない。公務員の任用も懲戒免職の2年後からは再任用が可能となっている。

けれども、性犯罪は再犯率も高く、外国では尻に発信機を埋め込んで所在地をリアルタイムでインターネットに公開しているところもあるようである。また、性犯罪者とわかれば他の囚人がリンチして殺してしまうんだよ、という話を聞いたこともある。

流石に囚人がリンチして性犯罪者を殺してしまえばもう解決じゃないかというのは法治国家としてどうかと思うわけである。

私はそちらの方は専門ではないけれども、性依存症を治療するクリニックもあるということである。

法務省も性犯罪者だけを刑期が終わっても人権を剥奪したままにすることはバランスが悪すぎるという見解を出したと思う。

文部科学省は懲戒事由に「わいせつ」という項目を設けて官報で公表するという方針を出した。

私は教員免許取得過程でこういう情報を担当者が検索して該当者を免許不可にしたり、各教育委員会が採用不適格という対応をすればよいと思ったわけである。

わいせつ教員は自由に免許取得を試みたり、教員に応募できるかもしれないが、免許授与や採用の時点で除外するのは免許授与機関や各教育委員会の裁量の範囲内である。

けれども、それだけでは不満な人が多いようである。

この人が目指しているのがよくわからないのだけれど、もし、わいせつ教員を永遠に犯罪者として自由に就職に応募させないとか行動制限を死ぬまで続けさせるというならちょっと人権侵害であるわけである。

例えば、コンビニの店員であったとしても、子どもが買いに来る可能性があるわけである。レストランの従業員もだめ。

マグロ漁船なら海の上で長期間外界と途絶されるからいいんじゃないか。そんなことをすればマグロ漁船の船員が元わいせつ教員だらけになってスティグマになるわけである。

基本的人権は憲法に載っている訳で、それを真っ向から無視するのはいくらなんでも酷いと言うべきである。いくら護憲を唱えても、精神が憲法から離れてしまえば無意味であろう。

こう言う人もいる。というか、このnoteを書く動機はこの人である。去勢するってことはその人の生殖機能を奪うことである。性犯罪者ならその生殖機能を奪ってもよいのかという議論でもある。

フェミニストなら「リプロダクティブヘルス・ライツ」は女性だけのものだから男が生殖機能を持っているという前提を否定するべきである、男はただの財布として養育費を支払うだけの存在である。」というかもしれない。つまり、人権はないというレベルの話である。

もう一つの論点としては、性犯罪者は決して男性に限られたものではないということである。

さて、こういう女性が犯人の性犯罪では去勢は意味があるのだろうか。男は女性から迫られたのだからラッキースケベじゃないかとか言い出されたら困ってしまう訳である。

しばしば性犯罪者については人権侵害して何が悪いという論調が目立つのではある。本当に性犯罪者がいくら刑法で罰しても、一切の反省も悔悛もなく、漫然と犯罪を継続するだけであるならばそれはむしろ、去勢ではなくて死刑を執行した方が当人にとっても慈悲になるのではないか。本人が自分の犯罪をコントロールできないのである。本心というものが何かというのは難しい問題であるが、本当は犯罪など犯したくなかったかもしれないのである。そういう人に死刑を行うことは、刑罰という側面だけではなく、一種、犯罪からの解放をもたらす慈悲と言えるのではないか。

実際のところは、もちろん、再販防止への取り組みがなされている。

該当のプログラムを受講した人の再犯率はしなかった人の3/4であったそうである。この数字がまだまだ低すぎるという人もいるかもしれないが、さらに効果的なプログラムを開発して彼らの歪んだ認知を強制してゆく方が死刑にしたり去勢するより建設的だと思うのである。






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