漫画『怪獣8号』の話
今月からジャンプ+で連載が始まった漫画『怪獣8号』。
"怪獣"というワードだけで個人的な食い付きは十分だったので、一話が更新された当日に「どんなもんだ」と、とりあえず呼んでみたんですね。
そして読み終わってすぐ「めっちゃ面白いじゃねぇか!!!!」と唸りました。
一話の構成としては完璧ですし、新しい要素も満載で、これからどんな展開を見せてくれるのか期待しかなかった。もうがっしり心を掴まれてしまったと思いました。
そのまま二話もワクワクしながら読んで、「やっぱり面白いし、これからの展開が楽しみ過ぎる。これはnoteに書こう!」と思って取り掛かったのですが、書く時間が取れなくて出だしの部分で止まったまま一週間経ってしまったんですね……
で、三話を読んだんですよ……
そしたら………あれ………ああ………そういう感じか……と。
素直に言うと、見たかった展開とは違った……
二話までは、「これから今までには無かった新しい漫画を作っていってくれるはずだ!」と、そう信じさせてくれるほどのアツい展開が沢山あったんですよ。なのに……簡単に言ってしまうと、ありがちなレールに乗ってしまったというか……
※ここからはネタバレを含みます。先に漫画を読んでからどうぞ
まず一話、怪獣清掃員は言うまでもなく『パシフィック・リム』を連想させますし、怪獣を災害と捉える視点も『MM9』のようです。今までのジャンプ漫画では見られなかった新しい設定、かつどちらも僕の大好きな作品なので、好みどストライクの世界観でした。
さらに、このような異端な要素を散りばめながらも、ストーリー展開は超王道。
「幼なじみに先を越されてしまった主人公がもう一度夢を追いかける」というジャンプらしい一番燃えるストーリーですね。
しかし、最後に主人公は怪獣化してしまうという驚きの展開。
ここまで読んだ時点では本当に期待しかなかったです。一話からこんな大立ち回りを繰り広げてくれるのなら、絶対に新しいものを見せてくれるはずだと思って、これからの展開の予想で頭が一杯でした。
追われる身になりながらも敵と戦う仮面ライダークウガのような感じになるのかなとか、もっとダークヒーローっぽくなるのかなとか、怪獣との巨大戦は見せてくれるのかなとか、正体明かすなら全体の中盤くらいとかだとアツいなとか、そりゃもうめちゃくちゃ楽しみでした。
そして、二話も良かった。
幼なじみとの約束を思い出して夢を追いかける覚悟を決めるってそれオタクがみんな好きなやつ(偏見)。怪獣の血が涙のように見えるカットなど、一つ一つのコマの見せ方も最高でした。
覚悟を決めた主人公。しかし、これから先も逆境が待っているのだろう。防衛隊には狙われてしまうし、人々には恐れられる。怪獣になってしまった苦しみの中、主人公は夢を叶えることが出来るのか。そしてどんな怪獣が出てくるのか。
楽しみで仕方なかったです。ゆえにハードルを上げすぎてしまったのかもしれません。
そして、訪れた三、四話。
しれっと人間体になれている主人公。開催される選抜試験。続々と現れる新キャラ達。
ああこういう感じか……と。
確かに!怪獣とのドンパチが好きな自分が少数派だということもわかる!ギャグが多かったことからも暗めの路線に行かなさそうな予感はあった!
けど…けど……なんかよく見る展開になっちゃったなぁ……と。
主人公が特殊な力を持つことになって、序盤の方から組織に所属する流れになるやつ…某ヒーロー学園のとか、呪いのとか、チェーンソーのとか、最近よく見るのと一緒だなぁ……と思ってしまったわけです。
本題は全く違うのですが、こちらのブログで紹介されている中にナイツの塙さんが仰っていることがあって、
塙「今の『ジャンプ』と一緒で、今『ジャンプ』がさ」
土屋「ジャンプ?」
塙「新連載がすぐ終わるのよ」
ノブ「はいはい」
塙「結局ね、『ドラゴンボール』も、『キン肉マン』も、『HUNTER×HUNTER』も、元々ちょっと違う話から始まって、で、なんとかトーナメントみたいになっていくのよ」
大悟「うん」
ノブ「天下一武道会みたいに」
塙「天下一武道会とか始まって人気になっていくのに、そのパターンを知ってるから、今の漫画家が、初めから天下一武道会やろうとするんだけど」
ノブ「なるほど!」
塙「まだそいつらのキャラクター知らねえよ、みたいな」
ノブ「はいはい!」
塙「千鳥はやっぱりいろんなことやってきて、スベったこともあったし、M-1で、それをやってきたから今面白いわけじゃん?」
ノブ「なるほど」
塙「だから『1年目からそういうことすんな!』って言いたいの」
(スタジオ笑)
大悟「それをワシらに言われても」
土屋「はははっ、いや、そうだね」
ノブ「昼からアチ~、アチ~な~、昼から」
2018年3月3日放送「ナイツのちゃきちゃき大放送」(TBSラジオ)より
まさに言いたいことはこれなんですよね。早々とお決まりのパターンに入ってしまったというか。正しくここで言われている「天下一武道会」的なものではないのかなと思うのです。
(本題が別なので分かりずらかったらすみません。元のブログの内容も面白いのでぜひ読んでみてください。)
まぁ僕の求めていたものと違っただけなので、ただのわがままなんですけどね……Twitterで、ウルトラマン好きの方が「私の求めているものが見れそうではない」って一話の時点で言われていて、その通りだったなと今になって思います。どデカい怪獣と戦うのとかって、やっぱり大衆にはあんまり刺さんないんですかね……(悲しい)
防衛隊は防衛隊で、主人公サイドは主人公サイドで動いて欲しかったな、なんて思ってしまいます。BLEACHの護廷十三隊と一護みたいな。
どれだけ考えても僕の食わず嫌いが悪いので、ないものねだりでしかないんですけどね……
というわけで結果モヤモヤ話になってしまいました。
といっても『怪獣8号』十分面白いですし、これからも楽しみにしています。もちろん作者さんのことも応援しています!皆さんもぜひ読んでみてください。
それでは。
ジャンプ+でのオススメは『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』です。
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