19.沖縄県人が古墳について思う事・・・
沖縄県の方に古墳についてのイメージを聞く機会があった。これは報告ではなく単なる雑文であるが、日本人の間でも認識の差があり面白いので述べることにしたい。
本土の古墳についてどう思うか?どれだけ知っているか?等について質問してみた。
①写真のようなドアのかぎ形のもの⇒前方後円墳のこと。
②平面しかわからない。⇒高さや横から見た状況が不明。
③大都会の真ん中にある。⇒古墳の周りに家が立ち並んでいる。
とのことだ。一応学校の歴史で勉強するらしいが、詳しいことまでは教えてもらっていないという。この質問について少し考えてみることにしよう。
①鍵穴のイメージ、前方後円墳が古墳の全てであると考えている。確かに古墳時代のステータスシンボルなので、間違いない。また古墳時代を前方後円墳の時代といっても過言ではない。しかし、古墳の数でいえば90%以上は円墳なので古墳時代を代表する古墳の形は?と問われると最も数の多い円墳です。と答えるのが正解であろう。古墳時代を古墳がつくられた時代、古墳に代表される時代と歴史区分しているのも特異な年代区分だ。日本史は各都が所在した名前(奈良・平安・鎌倉・室町・安土桃山・江戸まで)その後は天皇名(明治・大正・昭和となる)となっている。
②の平面しかわからない点。古墳は最低でも人間の身長以上の高さはある。古墳とは高い塚(土饅頭という言い方をする)であるが、厳密に何メートル何センチと規定される訳ではない。沖縄の方に高さの話をしても納得されない。また横から巨大な前方後円墳を見たところで、山があるだけ…恐らく実見された方は幻滅するだろう。
③大都会の真ん中にある。古墳は規模の大小を問わなければ、むしろ山中に多い。山自体がないので理解できない。
いずれにしても、沖縄には古墳そのものが存在しないし、高い山もないので実感がないという意見を尊重すべきであろう。この認識の差は極めて大きいが、本土の古墳というものが沖縄の亀甲墓のようなものと説明すると、何となく納得された。知っていることと理解してもらうことの難しさを痛感した。
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