作り人は苦労する 訪問看護が迫る掃除の要求
語り手(創造者):私
聞き手:藤井尚枝(ふじいひさえ)さん。(架空の人物です)
藤井:ツクックのお時間です。
私:ごきげんいかがでしょうか。
藤井:不必要に時間を取られるというのはあまり好きではないというお話ですか。
私:私の住むグループホーム(!)の関係者が、関連するサービスを受けないとこのグループホームに住むことを許してくれないという通達がありまして、仕方なく訪問看護を受けているのです。
藤井:しかし、それはグループホームに在住するのに、ただ闇雲にアパート的な扱いで生活することは許されないという管理者の思いがあるからでしょう。
私:その通りではあるのですが、指定時間に指定された何かをしなければいけないというのは、私にとって実は苦痛以外の何物でもないのでありまして。
藤井:できることなら、自由に生きたいというのが、あなたのスタイルというのは、重々承知しております。
私:今は、まだ寸前のところで自室に入ってもらうのは躊躇してもらってはいるのですが、この最後の鉄壁が崩れることがあると、たぶん訪問看護といえども、私自身が混乱することになるかと思われます。
藤井:乱雑というレベルでは済まされないほどの汚さを誇る自室を片付けることを言い渡される羽目に陥るのがより苦痛というわけでしょうか。
私:この訪問看護の初日に、部屋を見てもらわなければいけなくなる危機がありまして、それのために前日を費やして部屋の片づけをしたのですが、もうどうにもならないレベルで乱雑が浸透してしまいまして。
藤井:しかし、いつかは今住んでいる部屋を何らかの形で離れなければいけない時が来ると思うのですが、その時に今の乱雑な部屋をどうするかを考えると、訪問看護の方の手助けを借りてでも、部屋の整理を考えるのは必然のことかと思われるのです。
私:たぶん、倒れますよ。そのまま入院して、私の知らないところで勝手に部屋を整理されるというケースも十分に想定されると思ったほうがいいのではないでしょうか。
藤井:いくらなんでも、勝手にということはないと思いますが、本人が見ていないところで整理されるということは十分想定しておいたほうがいいでしょうね。
またきついことを言うようで申し訳ないんですが、あなたの部屋はあなただけのものではないということを理解しておいて下さい。
私:それは肝に銘じて。
藤井:それでは今回のツクックはこの辺にて。
私:ありがとうございました。
(了)
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