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喰う寝る映画【OP FILM RED】凄い映画を観た【後半ネタバレあり】

儂はワンピースファンの中では古参の部類に入ります。
なんてったって
グランドラインに入る前から
リアルタイムで追っておるんじゃからのう。

原作主義者なので、
もともとアニメ、映画は追っていませんでしたが、
作者の尾田栄一郎先生(以下おだっち)が製作総指揮を務めた
"ONEPIECE FILM STRONG WORLD"からは、
全部見に行っています。

そんな感じなので、
昨日から公開された「ONEPIECE FILM RED」は……
……まぁ、見に行かなきゃいけないよなぁ……。
と、半ば義務感で思っていたので、
今日、鑑賞してきました。

……あれ……
今までで一番面白かったんだが!!
IMAXで、500円料金割増しで観てきたんですが
大正解!!!500円?安い安い!!

以下、しばらくネタバレなしで感想を書きますが。
途中、ネタバレあり宣言が始まった後は
未鑑賞の方はご注意ください!

■音楽、ただ「いい曲!」なだけじゃない!

今作は予告の段階から、
「音楽に力を入れています!」
とのメッセージが制作側から出ていました。
中心キャラクターの歌姫「ウタ」は歌唱パートがAdoさん、
楽曲提供は中田ヤスタカさん、Mrs. GREEN APPLEさん、澤野弘之さんなど
名だたるアーティストが並んでいます。
その予告通り、劇中の7曲みんなよかった!
まだ全曲配信されていないので、公式早よ!という気持ちです。
(いや買えよ。……配信サービスに飼いならされた成れの果てである。)

ですが、それだけじゃなくて、
演出がもう、バリバリに映えていましたね!
そのままMVとしてもおかしくない。
最先端のSNSで見る雰囲気をとらえつつも
ONEPIECEの雰囲気を壊さない、
ちゃんと映画のワンシーンになっていてお口がポカーンでした。

前述の通り儂は古参の原作ファンですが、
「ああ、時代によってONEPIECEは変化しているのだ、
 させているのだ……!」

と感動しましたね。
今の時代のONEPIECEを観ることができました。
若い層の感想がすごく気になります!

あと、こだわりを感じたところと言えば、
ライブ会場のオーディエンスの歓声です。

アニメとかでのライブやスポーツのシーンで、
群衆が「ワァァー!!」と騒ぐ場面がよくありますが、
実際にライブ、あるいはスポーツ観戦での歓声って
「ワァァー!!」じゃないんですよね、
なんていうか、
「ズアァーー!!」っていう、
色んな感情が混ざったような叫び声が
束になってるんですよ。

冒頭の歓声シーンはまさにそれで、
これ、どうやって撮ったんだ!?
とびっくりしました。
実際に何千人も集めて声を撮ったのか!?と。
臨場感ありましたねー!
このこだわりは、他の映画では、僕は見たこと無いですね。

■脚本も「謎」→「実は」→「実は」→……で飽きさせない!

言っても、ONEPIECEは王道少年漫画原作アニメ映画です。
なので、そのストーリー進行はどうやっても、

主人公が敵と出会う → 敵を倒してハッピーエンド

の流れになります。
主軸を地味な人間ドラマにしたり、
主要の登場人物に悲劇的な結末を持ってくることもできません。
要は「前にも見た話」にはどうしてもなりがちなんですね。
「あ~、はいはい、で、この後敵を倒す、と」
なんて思ってしまうのも仕方ない。

しかし……今作の脚本はうまかった!
作中内できちんと謎を散りばめて
(しかもセリフだけではなくキャラクターの表情を使って!)
僕たちに「どういうこと?」と興味を持たせて、
短いスパンでちょっとずつちょっとずつ開示していって、
「あ、そうなの」
「あ、そういうこと!」
「え!あ、そうなん!?」
と気持ちがどんどん高まり、
そしてすべてが明らかになったとき、
ガツーンと感動パンチでハートをぶちぬかれるんですね!

※余談ですが、この流れは原作で感動する心の動きと同じですよね……!

いや、これはホント、参りました。
実は何度か涙ぐんでしまいました。
詳しくは後程ネタバレありの感想で。

■エンドロールのサービス!

細かいところですが、
エンドロールのサービスも満点でしたね。
IMAXで大人数が鑑賞できるシアターだったんですが、
だ~れも最後まで席を立ちませんでした。
そりゃそうだよ。
ああいうの大好きだもん、俺たちファンは(笑)

誰もが知っているあのキャラから、
「お前が出てくるんかい(笑)」という超マイナーキャラまで出てきて、
ライト層もコアなファンも最後まで楽しめます。
……逆に、「ONEPIECE初見です!」って人は
さっぱりだっただろうけど、
「ONEPIECE初見です!」って映画に来る人がどれだけいるのか、
って話ですよね(笑)
最後まで大満足の映画でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、それではここから先はネタバレを含みます。
未視聴の方は驚きが減ってしまうので、
是非とも先に映画を観てからお読みください!

うっかりネタバレ防止カウントダウン

10

9

8

7

6

5


4


3


2


1

■ウタが今作の敵対ポジションなのかよ!!

いやー、ミスリードでしたね。
作中の絶対的主人公サイドの存在、シャンクスの娘ってこと、
また、オリジナルキャラ「ゴードン」の
胡散臭い(今思えば胡散臭いなんてホント失礼)ビジュアル。
「あ~、ウタがお姫様ポジなのね~」
と思ってしまったのは僕だけではないハズ。

序盤でウタが「みんなは帰さないよ」と言っていた時も、
「あ!こいつが敵か!騙された!」とまで思えず、
「……ウタちゃん……?何言ってるの……?
 それじゃあまるで、悪役のセリフだよ……?」

って頭に疑問符が浮かんだままでした。

けど徐々にとウタの過酷な半生が明らかになるうちに
「徐々に」ってとこがポイントだよね!巧みな脚本)、
この子は止めなくちゃいけない子なんだ、
ルフィ、頼む!お前ならやってくれるよな!

と熱くなることができました。

僕はとうとうウタの目の前にシャンクスが現れた時、
この映画で最初の涙腺衝撃が来ましたね。

12年以上会いたくて、
でも会えなかったシャンクスにようやく会えたのに、
「……みんな!一番悪いやつがきたよ!……やっちゃって!」
と叫ぶ時の、表情と震え声。。。
これは本当に悲しかったね……。

■シャンクスとルフィの邂逅……のようで邂逅してない!

トットムジカとの決戦!
ここも熱かった!

シャンクスとルフィを、
再会させずに共闘させる、なんて
離れ業と言わずなんと言いましょう(笑)
僕ら観衆からしたら、明らかに共闘しているように見えるのに。
でもシャンクスとの約束は守ってる。いいですねー。

それと、これもONEPIECE映画の宿命なんだけど、
麦わらクルー全員に見せ場を持ってくるのって
絶対難しい
んだよね。だって普通に考えたら

敵の幹部と戦う → 倒す

というくだりを9回繰り返さないといけないというね(笑)
そんなんやられたらさすがに飽きるわ!

しかし今作は、
トットムジカを倒すため、各部位を、
さながら原作の魚人島のような順次撃破をつるべうち、
しかも原作含めて初登場の、
赤髪海賊団の戦う姿を挟んで
ですから、
燃えざるを得ない!
飽きなど来ようハズがありません。

何も考えないと単調になりがちな対決シーンですが、
工夫をめちゃくちゃ凝らしています。すごい!熱意!

■よくわからん部分もあったが逆に

正直、ルフィたちがいつからウタワールドにいたのかとか、
ウタの能力解除方法が
トットムジカを現実世界・ウタワールドの
両面から撃破とか「え、なんでそうなの?」だったし、
ウタによって楽譜に捕えられたときの解除方法が
その譜面を読むことだとか、
どういう仕組みなんだかよくわからんかったけど(笑)
まぁ、その辺は全体としては些末な問題でしたね。

逆に、楽曲の演出ですが。
映画の最中に急に踊り出すミュージカル演出が
苦手な方が(日本人には)多いですが、
今作のMV的な演出も、
「ウタワールドにいるからウタが見せている」ということで
ちゃんとストーリーの整合性がとれている
んだよね。
序盤からかなりウタがめちゃくちゃやってるけど
(ライブ中に急にルフィとチキンレース始めるってなんやねん)、
あとあと考えると、なるほどそういうことだったか、
と思えました。仮想世界設定は便利だなぁ。

■テーマへの回答を僕らにゆだねる

鑑賞後に特典でゲットしたONEPIECE40億巻を見てて、
(ONEPIECE40億巻という字面よw)
おだっちが

仮想世界(バーチャル)とは?現実とは?
逃げる事は悪なのか?

ONEPIECE 40億巻より

という投げかけをしていまして。
そこに答えは書かれていなかったんですね。

で、僕も作中で気になるセリフがありまして。
終盤、ウタが作った仮想世界に対して、
観客が「帰りたい!」「最悪!」「アンチは黙れ!(意訳)」と、
まぁ、いわゆる「炎上」しているとき、
観客のモブキャラが、うろ覚えなんですが
「たしかにここ(ウタワールド)はいいことがたくさんあるけど、
 なんか違う!
って言ってたんですよ。
テーマに関わる大事な部分のはずなのに、
なんか違う!ってセリフ、なんなんだよ(笑)
ってちょっと笑っちゃいました。

でもこれって、若い10代の子どもたちに対して、
あえて明確な答えを準備しなかったんだろうなぁ、
と思いました。

僕だって、仮想世界の居心地は好きですし、
かと言って仮想世界に浸かりすぎるのも良くないとは思うし、
でも「じゃあ何がいけないの?」って言われると
言語化は難しい。
それに単純に仮想世界そのものが悪いってことでもない。
そう考えると、「なんか違う!」っていうモブのセリフは
僕の思いと合っているには合っているし、
じゃあ何が違うんだろう、っていうのは
各々が考えていく、ってことでいいんじゃないかなぁ、
と思ったのでした。

本来、単純明快な少年漫画の映画。
そこに「何が大事かは自分で考えよう!」
という、単純ではない投げかけ、
面白いなぁ。

■まとめ 虎は居れども威を借りず

ということで、感想を書いてきました。
いやー長くなったね!
仕方ないね。
面白かったもの。

総じて、
そして映画を観終わって最初の感想でもあるんだけど、
「面白いONEPIECE映画を作ろう!」ではなくて、
「誰も見たこと無い、最高の映画を作るぞ!」という、
並々ならない迫力を感じました。
虎の威を借りる狐、ではなく、
虎は居れども威は借りず、といったところでしょうか。

予告含めたミスリード(ゴードンさん……泣)、
物語の全貌が明らかになる脚本のテンポ、
Adoさんの感情激込め歌唱と
それに力負けない映像美
(観終わってから楽曲を聞いて
 「Adoさんこんなに力込めてたのか」と驚いた)、
ウタの細かい表情の演出、
アクションシーンのカメラの動き
(最近のTVアニメでも力入ってますが)
さらに原作ファンも喜ぶ新情報、
エンドロールのサービスまで、
「凄いもん見たわ……これは!」
と思わされました。

いや、これは観てよかった!
しかもIMAXで観られた!
これはいい映画体験でした。

次回の映画がつくられるときは、
原作もクライマックスのさ中、
あるいは完結後か……。
制作側は大変でしょうが、
ONEPIECE映画のハードルを上げてくれてありがとう!
まだまだ先の話だけれども、
次めちゃめちゃ楽しみ!!。

それでは寝ます!
また今夜!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※あまりに面白かったんで興奮して、
また当方デジタル絵練習中なこともあり
ウタの絵を描いたんですけど、
へたくそ過ぎた。。。
恥ずかしくて上げないことにしようとしましたが、
ここまで4500字も読んでくれた優しい方ならバカになんてしないだろう、
と思って上げます(見て欲しいには見て欲しいのだ)。
ウタの2面性を表したデザイン、いいよねー。

次はもっとがんばりましょう。


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