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6/3日声協オンライン研究会:カルロ・ボスキ

【オンライン研究会一覧】

今回は6/3に開催されました【日本声楽家協会オンライン研究会 in Zoom】〈発表者(講師):カルロ・ボスキ先生〉 の模様をお届けします。

【テーマ】
Virtuosismo vocale. Le virtù del Belcanto

【要旨】
歌はそれ自体が非日常的な表現形式です。
はるか古代より感情や社会の並外れた瞬間を特徴づけ、その特別な瞬間を表現する演奏技術「virtuosismo」が次第に発展してきました。
そう考えると「Belcanto」の概念は、通常言及される時代よりもはるかに古い形式のように思えます。
この講義の目的は演奏家の質「virtù」と技巧「virtuoso」の関係、つまり、「virtuosismo」は歌の技巧だけでなく、演奏家が熟知しなければならない多面的な「virtù」の産物であることを、特にメロドラマのレパートリーから偉大な作曲家たちの「virtuosismo」を例に挙げて検証したいと思います。    
通訳:川畑里子

参加された皆さまからは、
「先生のお話を聴いて、歌を学ぶ時にとても重要な視点を新しく持つことができました。それぞれの作品の生まれた国や時代、作曲家のスタイルに加えて、自分は歌うことで何を伝えたいのかをいつも明確にし、エモーショナルな歌い方を追求していこうと思いました。ありがとうございました。」

「『Belcanto』という言葉の定義と展望を検証するアカデミックな研究会でした。
言葉がうまれた契機は『1600~1800年初頭にかけてのある特定の歌唱様式』に対するリスペクトに強く由来することは確かだと思われますが、いくらでも自由に解釈できる普遍的な言葉なので、それ以外の定義は認めないというのは不自然ですし、また使われてゆくうちに自ずと言葉が育ち、あるいは変容してゆくことは自然だと思いました。そして定義されることを待っているであろう現在進行形の『Belcanto』はどのようなものだろうと、思いを馳せつつ。大きな学びをありがとうございました!」

など感想をいただきました。

次回のオンライン研究会もぜひご参加ください。お待ちしております。
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【発表者】新垣有希子(声楽家)

【日時】2023年7月8日(土)15:00~16:45

【テーマ】
ベルカントって結局なに? Vol. 2 発声練習編

【要旨】
前回の講義ではベルカントの全盛期にナポリの音楽学校では、毎朝2時間以上の発声のトレーニングがカルキュラムに取り入れられていた、というお話をしました。今回はベルカントのレパートリーを歌うために必須とされていた発声のテクニックとヴォカリーズ(母音唱法)について深めていきたいと思います。
発声練習用のヴォカリーズに関してはコンコーネが最も有名ですが、実はポルポラ、モーツァルト、ロッシーニも作曲しています(有名なラフマニノフのヴォカリーズは発声練習のために作曲されたわけではないので今回は除外します)。
ベルカントの定義の復習もしながら、残されている文献からわかり得る、いにしえの発声練習に一緒に向き合ってみませんか?
現在うたいにくい箇所の手がかりが見つかるかも知れません。

【オンライン研究会のお申込】
〈正会員・半年パスポートをお持ちの方〉
※今年度より事前の申し込みが不要となりました。
木曜日までにZOOM IDをメールいたしますので、
金曜日までに届かない場合はお手数ですが事務局までご連絡下さい。

〈一般・個人会員の方〉
お申込みはこちら

【参加費】
〈正会員の方〉
 無料

〈一般・個人会員の方〉
 一般:1,000円
 個人会員:500円

半年パスポート】もございます。
一般:7,000円
個人会員:3,500円

大学生向け 半年パスポート:2,000円