【読書メモ】教師と学校の失敗学 なぜ変化に対応できないのか 妹尾 昌俊 著

学校・家庭・社会の分断という課題認識が既に本田由紀教授の「戦後日本型循環モデル」として定式化されていたことを知り、モヤモヤが一つ解消。対策も分かっているのに解決しないのは相当に難題なのかというモヤモヤが生まれた。

【読書メモ】
教師と学校の失敗学 なぜ変化に対応できないのか (PHP新書)
妹尾 昌俊 著(2021/5/14)
https://www.amazon.co.jp/dp/4569849431/

コロナ危機で再認識した学校の3つの機能
①学力を高める(学力保障)
②安全と福祉を守る
③人間的、社会的な成長を促す
(p.104)

教育関係者に浸透している「平等志向」「平等信仰」
(p.121)

多喜弘文・松岡亮二「新型コロナ禍におけるオンライン教育と機会の不平等」(2020/9/19)
(p.123)

文部省高谷浩樹氏の2020/5/11情報環境整備の説明会Youtubeライブ配信の発言要旨
(p.193)

「しろうと理論」=確証バイアス
自分の持論に合う事実や自分の意見を裏付けるような情報だけを優先的に探して、目にとめて「しろうと理論」をより強固にしてしまう。
(p.219)
→エコーチェンバー現象(p.235)

「シングル・ループ学習」と「ダブル・ループ学習」(アージリスとショーンが提唱)
「ダブル・ループ学習」=モデルが当てはまらない時に、支配変数(枠組みや価値そのもの適切さ)を吟味してモデルを再構成すること
(p.221)

●課題認識
問題は、かなり多くの学校の先生方、そして教育行政、さらには私たち保護者、社会の基本的な考え方、教育観などが従来のままで、モデルチェンジ、パラダイムシフトしようとしないことです。
(p.199)

●原因分析
本田由紀教授の「戦後日本型循環モデル」
教育・仕事・家族という3つの社会領域が堅牢に結合されていた「戦後日本型循環モデル」が、1990年代以降に劣化し、格差を生み、学校と保護者との分断にもつながった。
(p.203~210)

●解決策
3つの柱と7つの施策
【柱1】学校を関係者が学び合うコミュニティにする
【柱2】学校・家庭・社会をつなぎ、カリキュラムの企画・実施から多様な人々の参画を得る
【柱3】あれもこれも教師に担わせる、欲張りな学校を見直す
(p.259~)

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