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数時間の日帰り奈良道中。 色々な発見があったよ

みなさま、ごきげんよう。

先日、4時間程ではございましたが、日帰り奈良道中の模様をご紹介したいと思います。

◆奈良国立博物館 なら仏像館「名品展 珠玉の仏たち」にて

私が訪れた日は、コロナ禍の中、特別展開催期間中でもなく、平日ということもあってか、館内には作業服を着たおじさんが1人、鼻息荒く仏像を堪能されているという状況でございました。

「その気持ち、よく分かる!」

と、心の中で勝手に「同志!」みたいな気持ちになりつつ、展示資料を堪能してまいりました。

訪れた日、[なら仏像館]では「名品展 珠玉の仏たち」と「特別公開 金峯山寺 金剛力士立像」が開催されていました。

過去に、特別展が開催されていたときに何度か、同館を鑑賞したことがあったのですが、だいたい特別展鑑賞後に立ち寄っていたので、相当な数の仏像や資料を鑑賞した後での[なら仏像館]はより一層パンチがあり、いつもお腹いっぱい状態でございました。

しかし、今回は、名品展のみの開催ということで、[なら仏像館]を中心にじっくり、ゆっくりと鑑賞することができました。

せんべいくださいと、とにかく寄ってくる鹿さん。

◆とにかくでかい 金峯山寺「金剛力士立像」

どうやら、金剛力士立像が展示されているらしい、という情報を事前に耳にしていたこともあり、なんとなくの覚悟はしていたのですが、自分の中で勝手に、

「2mぐらいのものでしょう。」

と想像しておりました。しかし、実際に目の当たりにすると、[なら仏像館]の天井に届きそうなほど、想像を遥かに超えた大きさの金剛力士立像が存在しておりました。

阿形、吽形、共に高さが505.8センチと、506.2センチ

5メートルかーい!!

見事に蘇った阿形・吽形をそれぞれじっくり眺めていると、その大きさもさることながら、衣の流れ具合、激しいまでの表情、肉付きの躰付き、どの角度から眺めてもどこかうっとりする見事なバランスに、しばらく見惚れてしまいました。

今回は、この2軀のみ写真撮影ができるそうなので、思い出フォトとして、幾枚かスマホにおさめておきました。時々眺めてニヤニヤしたいと思います。

金峯山寺(きんぶせんじ・吉野郡吉野町)の仁王門に安置されている金剛力士立像は、令和元年から2年もの歳月をかけて保存修理がおこなわれたものになります。ちなみに、仁王門の修復にはまだまだ時間を要するとのことで、遷座までの間は、[なら仏像館]で特別に公開されています。

地下のミュージアムショップでは、冊子「特別公開 金峯山寺 金剛力士立像」(200円)という資料も販売されておりますので、資料説明と素敵画像を眺めながら、ご自宅にて「なるほどなー。」と「ムフフ。」を何度でも堪能することができますよ!

印刷物でも相当な存在感を放っていますが、本物はもっと凄かったです。

◆気になるほとけさま「名品展 珠玉の仏たち」

どのほとけさまも素敵だったのですが、いくつか気になった仏像をご紹介いたします。

不動明王坐像
(木造/彩色・截金/像高45.0/鎌倉時代12~13世紀 快慶作/京都 正寿院)

火焔光背の迦楼羅焔がとても優雅で美しかったです。

馬頭観音菩薩立像
(木造/彩色・截金/像高106.7/鎌倉時代 仁治2年[1241] 良賢・増全・観慶作/京都 浄瑠璃寺)

実は以前から馬頭観音さまが気になっていたこともあり、表面の美しい彩色が残った状態での鮮やかな色彩の馬頭観音さまに釘付けでございました。
立像だし、試しに(2D仏像顔出し看板を)作ってみたくなったほとけさまです。

梵天立像
([頭部]脱活乾漆造 [体部]木造/彩色/像高205.0/[頭部]奈良時代 [体部]鎌倉時代 正応2年[1289]/奈良 秋篠寺)

頭部と体部は別の時代につくられたものだそうで、頭部の目元口元のきりりと引き締まった表情に何度も目が離せなくなりました。このようなお姿の梵天さまも素敵だなぁと。

十二神将立像 子ー巳
(木造/彩色/像高35.2~43.3/鎌倉時代[13世紀]/奈良国立博物館)

横浜市金沢区にある太寧寺(たいねいじ)旧蔵の十二神将像だそうです。35~43センチと小ぶりなサイズではありますが、どの神将さまも、動きや表情がユーモラスで、頭部に乗った十二支と、それぞれのポージングの数々から、常に煩悩と闘っている彼らは一体どんな働きをしていらっしゃるのだろうと、色々と想像が膨らみます。

◆東大寺 毘盧遮那仏の光背はまるで大階段の娘役ちゃんたちみたいだ!

東大寺と澄み渡る大空。

言わずもががな、毘盧遮那仏と大仏殿の大きさ、荘厳さに改めて平伏したわけではございますが、ふと、横から眺めた毘盧遮那仏の光背が、想像していたよりも、ものすごく分厚い様子にびっくりしてしまいました。

「え、こんなに分厚いの?!?」

と、1人驚いていると、ふと、光背に化仏がびっしりと12体奉られていることに気がつきました。

「化仏だ…。これもでか。
 人間、一人分の大きさはありそうだわなあ…。
 びっしり板張りじゃんか。」

と。そして、ふと、あることに気付きました。

「え!
 フィナーレで、大階段でトップさんが娘役ちゃんたち従えて決めポーズする瞬間にクリソツ!!!」

そうなのです。
“フィナーレ”とは、宝塚歌劇のショーのとある場面のことなんですが、ショーの終盤に“フィナーレ”という場面が展開されます。フィナーレでは、定番のシーン展開とも言いましょうか、だいたい以下のような“型のようなもの”があります。

(1)トップさん登場(大勢の娘役従えて。若手男役達を従えての場合もあり)

(2)トップさんと2~5番手さん登場

(3)男役群舞

(4)トップコンビ デュエットダンス

(5)フィナーレパレード 大階段下り

といった流れで幕が降りていきます。

フィナーレの最初の場面でトップさんの登場時は、時にお一人の場合もありますが、だいたいが、どなたかを引き連れてドーン!とド派手に登場というシーンが多いもの。
今回、気がついたのは、この(1)の場面での様子に似ているなぁというお話です。

個人的に、もしも自分が娘役ちゃんだったら…大階段で高らかにポーズを決めてひとしきり群舞の一員で高らかに踊ることで、トップさんの登場シーンに花を添えることができるんだわ!等と勝手に想像するだけでもかなりテンションが上がります。

東大寺の毘盧遮那仏と光背を眺めていると、そんな(1)の場面みたいだなと感じた次第です。

フィナーレ。大体こんな雰囲気でトップさんが登場されます。


◆東大寺ミュージアム ミュージアムグッズは、「これだ!!!」発見隊と「いつ使う?」隊とのせめぎ合いをしてナンボ

鹿と東大寺ミュージアムの案内看板。

東大寺ミュージアムにて。

特別公開中の戒壇堂の四天王立像や、日光菩薩立像や月光菩薩立像、誕生釈迦仏立像などを拝見し、大満足で展示室を後にし、何気なく立ち寄ったロビーのミュージアムショップでの出来事でした。

一筆箋や、クリアファイル、タオルハンカチや、しおりなど、様々なグッズが並べられておりましたが、なかなか自分のなかで琴線に触れるものがありません。

そのまま立ち去ろうとしたとき、売り場の端に、くるくる回る展示台ひ、整然と並べられた大量のマグネットが目に止まりました。

それは、表情アップと、腰から上の様子が収められた、戒壇堂の四天王立像のマグネットたちでした。

「これだ!!!!!」

と、すぐさま駆けつけ、速攻レジへと向かいました。

「こんなに破壊力のあるものはそうそう出会うことはないだろう。」

と、表情アップバージョンを4つ、レジへゴロリと差し出します。

思った以上にマグネットの威力が強い4体のマグネット四天王たち。

グイン、グインとひとつづつ取り外しながら、思わず

ふふっ…

と笑う、売り場の女性スタッフさん。
「ふふ…
 これら、4つを一つに重ねても、いいですか…?」

「ええ、いいです。」

と私。そして、聞かれてもいないのに、

「どうにも、コレは買わねばと思いまして…ふふ…」

と、何故か購入理由を勝手に語っていた自分がいました。

そして、満足げに東大寺ミュージアムを後にしたわけですが、同時に、

「あの4体のマグネット…いつ使おう…」

といった疑問が脳裏に浮かびましたが、すぐさま、

「いや、ミュージアムグッズは、いつ使うかじゃない!

 用途ではなく、存在することに意味があるんだ!!」

と、なんだかよく分からない持論を発見した平日の夕暮れでございました。

これぞお土産!これぞミュージアムグッズ!


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