エッセイ「目の前」

アルバイトを頑張っている人を見ると、近視眼的だなとか、動物的だな、とか、ネガティブなことを思う。
それと同時に、彼らのような人々が、”いい人間”であり、結果的には、優秀とされるのだろうと思う。

オレはアルバイトに全力になれる人達の気持ちがわからない。揶揄しているわけではなく、本当にわからないんだ。
時給性のアルバイトは手を抜くほど自分にとって得だし、誰がどんな風にやっても大して変わらないと思ってしまう。
自分の人生にも、お客さんの人生にすら、大して影響をもたらさないであろう事に、どうしてそんなにエネルギーを注ぐことが出来るのだろう。
それこそ浪費というものではないのか。
目の前のことに真剣になれない人間は、他のことにも真剣になれないといわれることがあるが。
言いたいことは分かる気がするが、一方で全く逆の意見も頭をもたげる。つまり、他の重要なことに力をそそぐには、目の前の重要ではないことにエネルギーを注ぐべきではないという考え。
みんな、目の前のことしか見えていないから、目の前のことに真剣になれるのかなと思ってしまう。勝手な思い込みなのだろうか。
だとしたら他に何の理由でそんなに頑張るのか、なおさら謎だ。
他に重要なことがないからとかだろうか。

「そんなこと言うなら、貴方は頑張らなければいい。」
「頑張っている人のことはほおっておけばいいじゃないか。」
「頑張っている人を馬鹿にするな」
と思われるかもしれない。
まあそうなんだけど、
なんでこんなこと考えるかって、まあ、頑張りたいからだろう。
皆と同じように、「ふつうに」目の前のことに一生懸命になりたい。しかし、それにはまず理解が必要だ。理解しなければ行動できない、不器用な性格なのだ。

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