【詩】受け取る

人からの好意を
そのまま受け取る人を見た
とてもうらやましいと思った

裏を考えてしまう
この親切のあとに何を要求されるのか
いつか裏切るのだろうか
みんな下心で動いている
という気持ちを拭えない

何かをもらうときに
一瞬躊躇し
そして断る
だって何も要求されたくないから

躊躇なく好意を受け取る人を見ると
愛されて育ったのだと感じる
周りに悪い人たちがいなかったのだろう
まっすぐに育つとはこういうことか

きっともう人からの好意は素直には受け取れない
だけどまっすぐ育った人たちのような
躊躇なく好意を受け取れる人でいたい

好意を受け取った数だけ
好意を渡していけばいい

疑いのない人生は
気持ちが良さそうだ
騙されてもいいという気持ちは
心地が良さそうだ
好意を渡していく生活は
幸せそうだ