「GACKTの勝ち方」GACKT(著)

タイトルの通り、GACKTの勝ち方が載っている本である。彼なりの成功方法が書かれていて、興味深く読める点もある。しかし真似できるかと言えばできない。どの成功本にも言えることだが、おおよそ真似できない方法が書かれているので、参考にならない。できれば世話ないよ、という話だ。この本も、とにかく異常なほどストイックに、厳しく生きることに重点が置かれており、参考にするのは難しいだろう。ただ、私は勝ち方に興味はないので内容は本質ではない。ここで考えたいのは成功本の本質である。

あらゆる成功は、突き詰めて考えると運でしかない。宝くじにあたって大成功したとしても、必死の努力で大成功したとしても、特に違いはない。単なる運を与えられたのか、努力する才能を与えられたのかの違いしかなく、いずれも運である。だから成功本は、サンデルの書籍である「実力も運のうち」とその本質においてほぼ差がない。成功本とは、私はそのように生きることができる才能を与えられました、という見本市だからだ。「実力も運のうち」という抽象に対する具体例とも言える。サンデルを読んだ後、色々な成功本を読むことは、抽象と具体を行き来するという意味では有益かもしれない。


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