【表現評論】メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム コアレビューその1 共通ルート1【全作再プレイシリーズ】
⚫︎前回の記事
⚫︎#5の印象
それからのコアレビューで全てを出し尽くして、グランドフィナーレのような雰囲気がありましたが、普通に続きます。
今回から#5です。KIDとしては最後の作品。なんと呼ぶのが正しいんでしょうかね。とぎフィルと呼ぶのが一般的な気はしますが、あんまりしっくりこない。僕はシャープファイブとずっと読んでます。
この作品は結構賛否両論だった記憶がありますね。2ndとそれからが評価されてる作品で、想君が評価されない作品だとすると、その間くらいの印象。個人的にはかなり好きです。リバースカットが神なんだよ。リバースカットが。後々の作品にも部分的に取り入れられていますが、この作品ほどヒロイン視点をうまく取り入れた作品はないと思います。ヒロインの心の機微を想像するのがメモリーズオフの醍醐味なので、説明しすぎるのも仇となる可能性はあるわけですが、バランスの取り方が良かったんでしょうかね。リバースカットが意味をなしているとは思えない作品もあった気はしますが、それはまた別の機会に。
誰かの死を引きずるというのはメモリーズオフの中核にある概念ですが、この作品は主人公の親友が亡くなっているという状態で始まります。その親友の死に関わっている麻尋が登場して、あれこれと物語が進んでいく流れ。
主人公は河合春人。声優は森久保祥太郎さんです。初の声優つき主人公。あたおかの智也とか、二股サッカーバカ蔵の健ちゃんとか、大学無出席モテ男のショーゴ君とか、生い立ちに全ての不幸を背負ってる一蹴君とは異なり、割と生まれも育ちも性格も普通な感じの人です。ただ、親友が亡くなっている点では、やはりメモリーズオフの主人公と言えます。あと主人公に明確な目的があるのは、#5独自の特徴でしょう。映画は俺の夢だ、というくらいの映画好きで、映画を撮るために映画サークルに入って日々活動していました。今はアレだけど。これまでの主人公は、将来やりたいことなんてねえんだよとか、わからねえんだよ、知らねえんだよ、というキャラばっかりだったので、割と正反対です。主人公に立ち絵が用意されたのも初ですかね。過去作も一枚絵で顔は出てきていましたが。
攻略キャラは5人で、いつも通りです。ここからずっと5人で固定なので、それからがうまくいった結果、適切なボリュームも把握できたんじゃないでしょうか。双想はどうなるのか。たまには3人くらいでもいいんじゃない。
今作からOPとEDが彩音さんになっています。メモリーズオフといえばこの人、という感じになっていますが、意外と登場するのは5作目から。オレンジとロマンシングストーリーは今でも人気の曲ですよね。
⚫︎タイトル画面
まず一番最初に思うのが、メインテーマのScreen wiz youが神なことです。ちょうど公式でyoutubeに上がってます。
意外とここまでの作品で、せつなさ爆発みたいなメインテーマ少ないんですよね。2ndと#5くらいでは。2ndも素晴らしいんだけど、やや冷たすぎる印象を受けます。#5はほのかに暖かい感じがして最高です。
そして意外なのは、タイトル画面に出てくるのがあすかだったことです。麻尋じゃないんかい。まあでもね。幼馴染かつ親友だった男の妹という、メイン格に相応しいポジションのキャラですからね。その辺のぽっと出女に負けるはずがないんだよね(フラグ)。
⚫︎日名雄介
真ん中左の男が日名雄介。声優は櫻井孝宏さん。主人公の幼馴染で親友。メガネのイケメン。ロマンチストで恥ずかしいセリフを平気で言える人です。主人公(真ん中右)より男前。主人公グループのリーダー格的な存在だったようですが、1年前に亡くなっています。浜咲擦りは限界が来たのか、ついに高校が変わりました。綾園学院。まあ卒業式のシーンなんだけど、それにしてもどういう制服やねん。真っ赤な制服とか絶対悪いことできませんやん。あまりにも目立ちすぎる。#5以外で出てくるかな。この学校。
⚫︎今回の稲穂信
今回は主人公の引っ越し当日に出会います。それからの使い回しじゃないですか。新しい絵をもらえなかった人。ゲーム開始時点で知り合いじゃなかった作品は初めてですね。主人公の住処は、それからと同じアパートです。
⚫︎日名あすか
声優は野川さくらさん。雄介の妹で、主人公の幼馴染で、極度の方向音痴。格ゲー好きらしい。年齢は二つ下です。幼馴染と言っても、昔から知ってるという程度の間柄。春人にとっては雄介の方がメインなので、たまに顔合わす程度だったんでしょう。ここ1年でよく話すようになったとか。もういきなり好感度マックスのキャラです。上限値に入ってる。BGMは非常にギャルゲーぽいですね。そもそもお顔がギャルゲーっぽいんだよね。いや、ギャルゲーなんだけど。麻尋があんな感じなので、あすかはそっちの方向に振ったのかもしれない。
それにしても、年下がメインキャラって珍しくな〜い。前も同じこと言わなかったっけ。じゃあ珍しくないですね。音緒さんとあすかは年下か。あすか入れるならノエルも入れるか。でも後輩キャラはあすかだけじゃないですか。先輩呼びと言えば、さよりんとあすかだけ? 詩名もか? いうほど少なくなかった。あすかは子役を演じていた芸能人です。僕は芸能人というだけでセンサーが反応しなくなるんですが、あすかはそうでもない。りかりんもか。芸能人だけあって、出てくると画面が華やぐ。自分が可愛いとわかってるムーブをしてきます。あのイケメンの妹だからね。そら可愛いわ。引っ越しの手伝いに制服で来るんじゃないよ、と思ったら主人公も同じことを言い出した。方向音痴なのにどうやってアパートに辿り着いたのか聞くと、その辺の幸せそうなカップルに尋ねたらしい。いのりと一蹴君かな。
⚫︎ポータブルMDプレイヤー
凄まじく時代を感じる骨董品が出てきました。MDて。太古の化石みたいなもんですよ。若者には絶対通じないワードNo. 1。あすかは方向音痴で機械音痴なので速攻でMDプレイヤーをぶっ壊します。人の話を聞かない女その2。その1は誰かって? あの人ですよ。あの人。
⚫︎ファム・ファタル
という小さいビデオテープが出てきます。雄介が死ぬ直前に何気なく渡してきたビデオテープで、昔の麻尋が写ってるやつです。雄介はこれを渡す時、ようやく映画の脚本が書けたと言い残していました。メモリーズオフはミステリー色が強くなっていくシリーズですが、その筆頭格の作品が#5ですね。親友の死にまつわる謎を解き明かしていくことが、物語の骨格になっています。
⚫︎どういう服着てるんだよ
回想の雄介さん。こんな胸元開いた服、許されるのGacktくらいだろ。あとこのゲーム、4:3を16:9にしている弊害が一番出てる作品かもしれないですね。男キャラは全員上が見切れてるんじゃないのか。
⚫︎早蕨美海
声優は名塚佳織さん。実はあまり覚えてない人です。苗字も読めない。さわらび。陵(みささぎ)なみに読めない。最初の記事では名前も思い出せなかったお方です。主人公の従兄弟だか親戚だかで、頼まれて家庭教師に入るという流れだったはず。とある病を抱えているのが物語のキーになる人物です。1年に1回記憶がなくなるという設定だった気がする。
⚫︎ミッキーさん
昔アパートに住んでいた映画監督。ミッキーさんに影響されて雄介と春人は映画に興味を持ったとか。ミッキーさんもすでに故人です。
⚫︎観島香月
声優は桑谷夏子さん。高校の頃からの映画仲間。1枚目のCGの左の方にも映っています。性格はサバサバしていて、女子要素ゼロみたいな感じです。口調も結構男っぽい。ただ涙脆い人情派です。ここまで極端な友人枠は過去にもいなかったんじゃないか。かおるとか那由多とか、その辺ともちょっと違う感じがします。他人と恋愛関係になるのを極端に怖がってるキャラだったような記憶はあるけども、やはりほとんど覚えていない。
⚫︎ちゃんと授業を受ける主人公
アレとは違う。アレとは。
⚫︎小津修司
声優は岸尾だいすけさん。このゲーム、男性声優豪華すぎないか。香月と同じく昔からの映画仲間です。1枚目のCGの一番右にも映っている。あとあすかLOVEな人。7年前からブラウン管越しに好きになったらしい。しかし全然相手にされてない。シリーズでは珍しく理系の男。
⚫︎CUM研
ミッキーさんが設立した千羽谷大学の映画サークル。解散状態だったのを、雄介と立て直したのが1年前の話です。その頃はやる気勢だったわけですが、雄介が亡くなってからはただの溜まり場と化しているようです。全てが雄介中心のグループだったようなので、いなくなったら終わり。雄介がいなくなってからは誰も映画作りのことを話さなくなったとか。
⚫︎主人公←あすか←修司
あすかは主人公にお熱で一直線に攻撃を仕掛けてきます。目の前でイチャつこうとするあすかと、邪険にする主人公。そしてその様子を見せつけられる尾津さんという構図。男の嫉妬は見苦しいのぉ〜。修司君は、あすかが好きなのは春人だから告白はしないと言っています。だからお前は負け組なんだよ! どうしてそこで諦めるんだ! 男なら潔く玉砕しろよ! 熱くなれよ! 謎の説教タイム。
次回に続きます。
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