【表現評論】メモリーズオフ それから コアレビューその19 縁ルート4(終)【全作再プレイシリーズ】
⚫︎前回の記事
⚫︎白鷺は鴛鴦になれない
そんなタイトルのシーン。素晴らしいネーミングじゃないか。鴛鴦というのはおしどりのことですね。久遠の絆で見たから間違いない。おしどり夫婦のおしどり。白鷺は縁と一蹴君のことですかね。
部屋でいのりといちゃついているところに、合鍵で入ってくる妹。これは一蹴君が悪いな。油断しちゃったねぇ。自業自得です。
縁がいのりに合鍵差し出すシーン悲し過ぎないか。縁は不合格にもなれないもん、失格だもん。ここまで悲しくなるシーンはない。つばめと翔太のシーンくらいしかない。妹という設定をここまで残酷に扱った作品ってあるんですかね。マ〜ジで悲しくなってきた。
あまりにも悲しい。無双転生くらいは余裕で使えるはず。あれだけ仲良かったのに、いのりのせいでこれですわ。どう責任取ってくれるのよ。まあ一蹴君のせいなんだけど。
いや、誰のせいでもないのか。オレは妹に惹かれてるから、いのり、お前とはヨリも戻せないんだ。悪いな。こんなセリフ言えるやつ、この世にいないだろ。誰も悪くない泥沼ストーリー。
⚫︎ピアノを聴かせるのは一蹴のため
と豪語するいのりさん。ほたる先生のいう通り、実は才能はあるのかもしれないけど、才能云々以前に、プロには向いてないですね。一蹴君の専属ピアニストとしてやっていくのがいいのでは。実際、プロにはなってないし。そもそもピアノのプロなんて数いないだろうけど。若手女性ピアニストの枠はほたる先生で埋まってる。
⚫︎妹ガン無視スタイル
連絡が来ても全てを無視する一蹴君。部屋の前に来ても無視。可哀想過ぎないと思うけど、惹かれているからこそ会えないという気持ちはまあわかるよね。妹だし。どっちも可哀想すぎるだろ。このお話。
⚫︎飼い猫連日の体調不良
兄を呼ぶために飼い猫に何かを誤飲させてる節がある縁さん。ふざけんなよと思うけど、マジで可哀想すぎて何も言えねえ。北島康介より言えねえよ。医者の診断では、無自覚に兄に会いたい一心で猫を傷つけてしまったとか。こんな重い話だったのか。縁ちゃんルートは。
病室で寝込むゆかりに対しての独白シーン。縁と新しい道を行こうとしてたのに、結局兄妹だからという、社会正義的に正しそうな言い訳をして、妹を切り捨てようとしたことが、とてつもない卑怯な行為だと自覚する場面です。やっぱオレ、一蹴君のこと好きだわ(二回目)。いい主人公だよ。
⚫︎いのりと幸せそうな一コマ
を見るのすら辛くなってくる。わりぃ。やっぱつれぇわ。いのりさんとは早く別れてください。いのりが元気になっても縁さんが苦しんでるんですよ! って一蹴君もおもってるから、いのりと一緒にいても上の空です。雅ルートと同じ。ただ雅ルートでは、いのりも、ワンちゃん藤原さんとラブラブになってるのでは、と想像できるかもしれないけど、こっちのルートは、流石に縁とラブラブになってるとは想像できないだろう。誰も悪くなさすぎて救いがない。
⚫︎トビーの振る舞い
縁が急に失踪。探し回った挙句、星恋の丘で発見します。ここで暗躍してたのが扉さん。トビーと一蹴君は同じ養護施設にいたわけなので、当然一蹴と縁は実の兄妹じゃないことは、推測できるわけですね。ということで、嘘が大嫌いな扉さんは、ヒャッハー! 嘘つきは成敗だ! と言わんばかりに、縁に真実を告げていました。。この人は一体何がしたいのか。ただの嘘アンチと考えると全てが納得いく。真実厨。
縁もなんとなく気づいてたらしい。それはそうですよ。全然似てないんだから。そもそも本当の兄妹だったら、ここまで惹かれあったんですかね。血が繋がってないから惹かれあったんじゃないかという気がする。一蹴君はトビーが嫌がらせで伝えたと勘違いしてるようですが、違いますよ。彼は真実厨なだけです。
一蹴さん呼び。呼び方変えるシーンって、基本的にウキウキするもんですけど。呼び名変えるだけでこんなに物悲しいシーンはない。
⚫︎いのりが部屋に
寝坊魔のくせに早起きしてやってくるいのりさん。これ絶対別れに来てますよね。と思ったけどこの日はまだセーフだった。誰も悪くないのに、な〜んでこんなことになっちゃったんだよ、と毒づく一蹴君。世の中には、誰も悪くなくても責任を取らなければならないことがあるんだよ。貧乏くじを引いてくれ。
⚫︎これは真の修羅場
登場人物全員善人の修羅場。いのりVS縁。
ほたると巴とかね、巴と付き合いたいのにほたるが邪魔やの、どうやって別れるか、くらいの感じだったんで、修羅場というか、ほたるが一人で叫んでるだけだったけど、こっちはガチで修羅場です。
縁の、一回別れて傷つけたくせにふざけんなよマジで! お前なんか相応しくないんだよ! という攻撃に対抗できないいのりさん。でもさぁ。いのりも悪くないしさぁ。あえて言えばトビーのせいだけど、まあいのりさんも嘘ついてるんでね。でも、根源を遡れば、つばさちゃんを連れ出した一蹴のせいか。やはり一蹴君が責任を取るしかない。いのりさんも、絶対に渡せないと、結構攻撃的になってます。やはり愛か。でも雅の時は割とすぐに諦めなかった?
いのりの重要なセリフ。あの頃というのは、病室にいた時からですよね。そう考えると、縁が小さい頃からお兄ちゃん大好きだとしても、一蹴君を好きな歴は、いのりの方が長いんだよね。いのりと出会ったのは養子にもらわれる前の話だし。年季が違いが自信となって現れる。でもいのりを振って縁を追いかけます。ハッピーエンド。ハッピーか?
⚫︎いのりの手紙
わたしは、幸せでした。さよなら。という内容の手紙をもらい、最後にコンクールのピアノを聴く。ピアノを弾くのはこれがラストということなので、ガチで一蹴のためだけに弾いていたらしい。そしてEDはLOVE微熱。このルートは明るい曲を聴く気分ではないぞ。ヒトシズクアイにしてほしい。最後に星恋の丘に伝わる伝説の恋愛成就の流れ星を見て、物語は終わりました。終わりはあっさりです。
⚫︎縁ルートまとめ
基本的に誰も救われないというか、くっついても結局兄妹ですからね。いくら血が繋がってないとはいえ、周りは知らないし。養親とどう話をつけるかもわからんし。お前最近縁とくっつきすぎだぞ、と言われたくらいだしね。愛の力でドーンと乗り越えてくださいよ。という感想です。
縁ルートは、師匠のルートよりもいのりの悲壮感が漂ってますね。どっちつかずで全員が傷つくというのは、雅のルートよりもこっちの方が上かもしれない。なぜかというと、誰も悪くないからですね。雅のルートは雅の自業自得感もあるので、お前のせいやんとも言えますが、このルートは縁もいのりも一蹴君も悪くない。全員悪くないがゆえに、悲壮感が漂う。雅よりも後味が悪い。ただ後味が悪いのが悪いってわけではない。
物悲しく、すっきりしない結末の物語でしたが、感情を揺さぶられるシーンは一番多かったかも。トータルで素晴らしいルートでした。惜しむらくは、雅と違って一番最後が盛り上がらなかったところかな。盛り上がるようなシナリオでもないので、これで良かったのかもしれません。しんみりとするお話。あと呼び方はお兄ちゃんの方が良かった。一蹴さんはちょっと他人行儀すぎない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?