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評論、その他いろいろ。

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私の好きなもの

 私の好きなもの、についての話をしようと思う。あまりにもノージャンルすぎるけど、共感できる項目から読んでいただければなと。 思想・哲学  もともと、仏教に興味があって法華経とか親鸞の『歎異抄』とかスッタニパータとかを読んでいた。そのうち高校で倫理という科目をやりはじめて、西洋哲学とか他の東洋思想、日本思想にも興味を持つようになった。  今特に好きな思想家、哲学者を挙げるならば 日本:親鸞、道元、法然、安藤昌益、吉本隆明、小阪修平 東洋:釈迦、善導、墨子、ラーマクリシュナ

    • 【ショート評論】法然について

       法然は卓越した仏教者であり、宗教家である。法然と親鸞の異なるところは、親鸞の教理が仏教の枠組みを超えて一個の「思想」にまで昇華されているのに対して、法然はあくまでも仏教の枠組みの中で一つの「宗教改革」を起こしたというところにある。法然自身はもともと当時仏教の一大権威であった比叡山延暦寺の優秀な学僧だったが、あるとき反体制に身を転じて山を下りる。そして黒谷というところで市井の民衆のために称名念仏による平易な仏教を説きはじめる。さらに当時の民衆が抱いていた仏教教義に対する誤解や

      • 日記と断想 8/31

         黒澤明監督作品「七人の侍」を初めて観る。さすが名画といわれるだけあるなと思った。侍たちと、百姓たちの対比。本当に恐ろしいのは侍でも野武士でもなく、侍の犠牲に対して、何事もなかったように田楽を唄い田植えに戻る百姓たちだ。  明日も晴れらしい。何をしよう…暇。

        • 日記と断想 8/30

           一日中家にいた。退屈。夜ちょっとだけ寮の人たち(初対面、別の階の方々)とお話した。同じ学部で、いろいろな話ができて楽しかった。宗教とか思想とかの話をめっちゃ喋ってしまって申し訳なかった。  「異端の書」とか「偽経」みたいな怪しい文献が元々好きなんだけど、インドはやっぱり古典文献がめちゃくちゃあって、しかも内容も怪しげで面白いものに溢れてるから、つくづく印度哲学分野を選んでよかったなーと思いつつ。正統な哲学のやつももちろん好きだけど。早くサンスクリット語やって色々読みたいな

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          3本

        記事

          日記と断想 8/29

           午前中はほぼ何もせず。午後は図書館で借りたい本があったので、雨だったけど借りに行った。元駿台講師の表三郎先生の「問いの魔力」。安っぽい自己啓発本みたいなタイトルだけど、中身はしっかりした西洋思想史。塾講師やりながら思想研究、憧れる。  学祭申し込みしなきゃ。日本語ディベートサークルで出展します。即興型ディベートを何回かやるつもり。  雑誌の話が思わぬ形で前に進みそうでうきうきしている。哲学研究のサークルをつくろうぜ、っていうお話。読書会も、雑誌も、やりたかったこと色々そ

          日記と断想 8/29

          日記と断想 8/28

           市内までバイトに行く。電車の中は帰宅する高校生がぽつぽつ。中にはカップルもいる。自分は高校時代、いつもお馴染みの5、6人の男子集団で帰っていた。各々クラスはバラバラだった。私の担任はHRの話が長かったため、よくみんなを待たせてしまっていた。思えばその集団の中で私は一番勉強もできなかったし、別に何かの権力があったわけでもなく、彼らに取って私と付き合うメリットほとんどなかったと思うけれど、それでも彼らはいつも教室の外で待ってくれていた。「友達ってそういうもんだろ」、いやいやうち

          日記と断想 8/28

          中高一貫の嫌なトコ

           私は中高一貫の私立に通っていた。いい学校だったし、大好きな母校だけれど、通ってみて感じたのは私はそもそも「中高一貫」という形式があまり好きではないということだった。もともと受験するときに何かそういう感情があったわけではない。通ってみることで、なんかやだなあ、という感じになった。  何が嫌だったのかというとずばり、仲のいい友人の「高校デビュー」的な瞬間を目の当たりにしてしまうということだった。これがキツかった。すごく。  中学に入学し、友達を作り、わちゃわちゃして、三年だ

          中高一貫の嫌なトコ

          日記と断想 8/27

           一日中ベッドでくねくね。これはイカンと思って、夜は食堂に行ってご飯を食べる。そういえば中高の頃、食堂のことをジキドウと呼んでいた。そういうのがカッコいいと思ってた時代。  ディベート熱がこれまでにないくらい高まっている。どんどん即興ディベートしたい。毎日でもしたい。恋愛系の論題、面白いなと思った。  レヴィ=ストロースの「神話と意味」を読んでいる。読み終わったらまた読書ノートをつけるつもりだ。構造人類学の考え方が分かりやすく語られている。「未開」という言葉の差別性。西洋

          日記と断想 8/27

          【読書ノート】『現代思想入門』-千葉雅也

           この本は最近読んだ本の中で、一番刺激的で、エキサイティングなものだった。現代思想(主にフランス)は非常に難解で、自分で原著や翻訳本にあたっていくことは相当な難行である。しかしこの本はそれらの思想のエッセンスをものの見事に抽出し、かつ読みやすい日本語で(現代思想の翻訳本の中には日本語の体をなしていないものもある)解説してくれている。  特にドゥルーズの解説は必読だ。今までもドゥルーズ本人の書いたものや話したもの、あるいは日本の哲学者による解説書など色々読んできたが、一度も「

          【読書ノート】『現代思想入門』-千葉雅也

          雑誌について③

           今日母校に帰って、現代文の先生とお話しさせてもらった。 「文芸誌を作ろうと考えてるんですよー」 といったら応援してくれて、色々とアドバイスを頂いた。  やはり資金のやりくりが難しいとのこと。あと無理に長続きさせようとせず、終わる時は終わるんだと覚悟を決めてやること。そしてたとえすぐ廃刊になったとしても、創刊号を出すだけでも、やはり意味があるのだということ。  デジタル紙はお手軽にいろんな人に読んでもらえるけど、そのぶん信用度も少ないと思われる。そういう点では紙の雑誌の方

          雑誌について③

          哲学とは何か

           哲学とは何か。  さて、これは難しい問いかけだ。僕たちは日々生きながら、絶えず何らかについて思考している。しかしその思考を、そのままではわざわざ「哲学」とは呼ばないだろう。ふつう哲学とは、大学の哲学科で学んだり、難しそうな本を読んだりするを通じて繰り広げられてゆく、特殊な思考様式であるといえる。そのテーマもたいてい「生きるとは何か」とか「認識とは何か」とかそういう「まあ、俺にとってはどうでもいいや」っていう感じのものばかりだ。そういう意味で、哲学は、いつも大衆の生活から遊

          哲学とは何か

          雑誌について②

           作ろうと思っている文芸誌の誌名は何にしようか。今のところの案として「原像」「蒼春」「ぽえにくす」とかがある(ダサい?)  季刊誌くらいにできたら一番いいけど。  同人誌関連を全く作ったことなく作り方がわからないけど、「編集」ということ自体に結構興味があるからやってみたいなー。  だいたいこういうのって作ってから、参加者に配布した後、多少は販売するものなの?誰に売るの?ネットとかで…?  まだまだ具体的には決まってないし、参加してくれる人がそもそもどのくらいいるのかは

          雑誌について②

          雑誌について

           文芸雑誌を作ることを本気で考えている。     掲載するものとして、メインは評論にしたい。書評でも、文芸批評でも、哲学、政治、表象文化に関するものでも、なんでもありで。  あとは小説、随筆、詩、俳句、短歌とか作るのが好きな人がいれば、それも載せてもらって。  対談企画とかやりたいなー。教授にインタービューとかするのも面白いかも。  SNSじゃない、極めてオフラインで自由なメディアを作りたい。  とりあえず、協力してくれる人ゆる募。

          雑誌について

          8月6日について

           〈場所〉が持つ力というものがある。それは絶えずその〈場所〉の上に立つ人間に襲いかかり、時空を超えて〈場所〉が有する記憶の彼方へと、我々のイマージュを遡らせる。  広島の平和記念公園も、そういう〈場所〉のひとつだ。79年前の8月6日、混沌とした戦時中の空を切り裂くように、一瞬の閃光、熱風、そして放射能が街を焦土へと変貌させた。  そういった事実が記録として残っている。しかし私たちはしばしばそれを伝え聞かされるけれど、それらの大半は「実感なき悲劇」として記憶の片隅にしまい込

          8月6日について

          長谷川宏先生とか、小阪修平先生みたいな在野の哲学者兼塾講師みたいな人生めっちゃ憧れる

          長谷川宏先生とか、小阪修平先生みたいな在野の哲学者兼塾講師みたいな人生めっちゃ憧れる

          私の好きな言葉たち①「歎異抄」編

           自分の好きな言葉を紹介するシリーズの第一回。今回は仏教書の中から。  「歎異抄」は、鎌倉時代の仏教者である親鸞の言葉を弟子の唯円がまとめたといわれている書物だ。示唆に富む言葉に溢れた、奇跡のような思想書であり、これまでも数多くの知識人たちが愛読書として挙げている。  私はこの歎異抄と、高校生のときに出会った。きっかけはよく覚えていない。とにかく最初に読んだ時から、これは100年に1冊の素晴らしい書物だと思った。すべての言葉が、常に生と死のはざまにある人間という存在の実相

          私の好きな言葉たち①「歎異抄」編