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今年のおみくじがおもしろかったって話

今年一回目のおみくじは末吉か小吉だった。枝に結んでしまったので覚えていないが、大吉でも凶でもなくありきたりなものだったことだけは覚えている。内容も可もなく不可もなく。ただひとつ恋愛だけは「今はまだ駄目です」。え?駄目?駄目です?これだけですます調なのはなぜですか?ほかは「よしからず」「あわてねば叶う」「さしつかえない」とかなのに恋愛だけは「駄目です」って強い主張を感じる。そして今っていつですか?今年ですか?いつならいいんですか、駄目っていうのは不幸になるのか、成就しないのか、どういう意味ですかーーーーー⁉︎

この2、3年おみくじを引くと面白いほどに大吉だった。しかし、さしていいことがあったかというとそうでもない。なにせコロナ禍だ。でも食いっぱぐれることなく、生きてこれたので満足はしている。食べるものに困らなくて、お金の心配をしなくていいことが何よりもありがたい。

ところで、わたしは過去に二回「凶」を引いたことがある。その話を同僚にしたら大層驚いていた。凶なんか入っていないと思っていたらしい。

一回目の凶は幼少のころ親戚一同で行った初めてのおみくじで。従兄弟たちがドン引きしていて「うわ…凶じゃん…」と言われ、周りに言いふらされた。非常におとなしくてナイーブな子供だったので、とても傷ついた。神様ってなんていけずなんだと思った。初めてのおみくじなのに。トラウマになりそれ以降おみくじを引いた記憶はない。

長らくおみくじから遠ざかっていたわたしが、トラウマを乗り越えて再度おみくじチャレンジをしたのは大学生になってからだと思う。友達と初詣で行っておみくじ引こうよと言われて渋々引いた。たぶん吉とかそんなものが出たんだと思う。それ以降は誰かに誘われれば引くようになった。

あるとき会社の先輩が明治神宮のおみくじは和歌が書いてあるのが全然意味わからなくて好きと言った。わけのわからない個性的な感性の先輩は、ものの見方が面白くて大好きな人だった。先輩曰く、運勢を和歌で表しているのが非常にいいと言う。大吉=いい、凶=悪いじゃないのが素敵だと。先輩のそういうセンスが好き!とさっそく明治神宮に出向きおみくじを引いた。それから幾度となく明治神宮ではおみくじを引いている。先輩、ありがとう。わたしのおみくじトラウマは和歌みくじによって完全に払拭された。わははは。

で、二回目の凶は去年、浅草寺だったと思う。たぶん。違う神社かもしれない。散歩がてらに行って「ねぇねぇおみくじ引こうよ〜」と戯れ合うカップル(死語?アベック?)を横目にサクッと引いたおみくじが凶だった。内容はそんなに悪いことは書いてなかった気がするけれど、とっとと木に結んでしまったので詳細は何一つ覚えていない。もうおみくじで傷ついてしまう繊細なわたしはいない。

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