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英語学習の意外な利点

英語学習は今後ますます重要になる。という意見をよく耳にします。
実際、2020年からの学校教育改革においても英語教育の内容が大きく変わり、英語教育への注力は高まっています。

2020年から小学3年生の時点で外国語を使った活動を行うようになり、
2021年から中学校の英語の授業がオールイングリッシュで行われるようになります。
2022年からは高校で英語を使ったスピーチやディベート、プレゼンテーションなどが行われるようになります。

英語教育はこれまで以上に重視されているように思える昨今ですが、ここで改めて、何のために英語を学ぶのか、英語を学習するとどんな良いことがあるのかについて考えてみようと思います。

英語学習の利点

私が思う、英語を学ぶことの利点は、
①活躍の場が広がる
②脳の機能が向上する
③思考が豊かになる
④受験や就職で役に立つ
です。

活躍の場が広がる

日本の人口約1億2,500万に対して、英語話者は約15億人(母語話者は約4億人)にも上ります。
実に日本語話者の10倍以上です。

つまり、日本語しか話せない場合と比べ、英語を話せることで友達になれる人が10倍に増え、一緒に仕事ができる人が10倍に増え、結婚できる人が10倍に増えます。すなわち、活躍の場が10倍に広がる可能性が英語学習には秘められています。

さらに、我々が英語話者と関わるとき、日本語圏で生活をしてきたという武器を持って相手と接することができます。

日本は経済的にも文化的にも他国から一目を置かれる存在です。自分には誇れる個性が何もないと感じている人でも、日本から一歩足を踏み出すと、日本にゆかりがあるということ自体が大きな個性になります。

英語話者の友達と話すとき、日本独自の文化の話をすれば興味を持ってもらえるかもしれません。
英語話者と仕事をするとき日本の流行や経済の知識が独自の視点としてビジネスのチャンスになり得ます。

このように、第2言語として英語を学ぶことで、活躍する場の選択肢が格段に広がります。

脳の機能が向上する

第2言語を学習することで、脳の機能が向上するという効果が、様々な研究で証明されています。

スウェーデンのルンド大学で行われた研究では、13か月間外国語を学習したグループと、外国語以外を学習したグループの脳を比較すると、外国語を学習したグループの方は海馬や大脳皮質がより発達していたそうです。

また、イギリスのエジンバラ大学では、子どものころと、年をとった時の認知機能の差を、外国語学習をしたことがある人とない人で比較したところ、外国語学習をしたことがある人の方が、年をとってから認知機能が低下しにくいという結果がでたそうです。

その他にも、バイリンガルの人はものリンガルの人に比べてマルチタスクが上手いとか、物事に柔軟に対応できるというようなことを示す研究もあるようです。

日本語と英語を比べるだけでも構造の違いは明らかです。
異なる言語を使い分けるためには、上手く想像できませんがとにかく複雑な作業を脳に課しているのはイメージできますから、認知機能の発達に役立つということも納得できますね。

思考が豊かになる


英語を学習することで、世界のとらえ方が豊かになります。

近代言語学の父と呼ばれるフェルディナン・ド・ソシュールという言語学者は、言語は世界を分節するものだという考えを持っていました。

個別の事物に名前を付けて言葉の意味が規定されるのではなく、言葉の意味は、他の言葉との関係によって決まるという考え方です。

「喜び」という言葉の意味は、「怒り」や「哀しみ」、「楽しみ」という言葉との比較があって初めて成立する。あるいは「走る」という言葉の意味は「歩く」という言葉がない限り成立しないというような感じでしょうか。

このように、我々人間は混沌とした世界を言葉で区切ることによって認識していると考えられます。

そして、世界の区切り方は、言語によって異なります。
例えば、「水」は英語で「water」と言いますが、「お湯」に対応する英語は「hot water」となります。
つまり、日本語では、温度の違いにより「水」と「お湯」という言葉で世界に線を引きますが、英語では単語として分節されていません。
水の中の温かいものというような感じで「water」を形容することでお湯を表します。

このように、日本語と英語における微妙なニュアンスの違いはとても多く、
日本語にはない英語表現、英語にはない日本語表現も多々あります。

そうした言語の違いを知ると、これまで日本語では括ることができなかった感覚を感じ取れるようになり、さらにそれを表現できるようになります。

最近、「エモい」という言葉をよく聞きます。これは「emotional」という語をもじったものらしいですが、これも、日本語では正確に表現できない感情を適切に表せるものとして若者に広まっているのでしょう。

違う言葉を学ぶことで、これまでと違う世界のとらえ方が可能になり、それは感覚の豊かさにもつながるのです。

また、言語を通じて文化を学ぶことも多いです。言語の学習を通じて、あるいは学習した言語を使ってのコミュニケーションを通じて日、本にいては知ることができない文化や価値観を知ることも、人生の豊かさにつながるのではないでしょうか。

受験や就職で役に立つ


最後に、英語の能力は受験や就職にとても役立ちます。
文系、理系を問わず、ほとんどの大学の入学試験で英語の能力が問われます。

大学入試にとどまらず、学校改革により小学校で教科としての英語がスタートしたことにより、今後中学入試でも英語の試験を導入する学校は増えてくるでしょう。
英語が得意であることは、受験において大きな強みになります。

就職活動においても、英語の筆記試験が課されることは多く、TOEICやTOEFLの点数が武器になることもあります。

英語を日常的に業務で使う企業や部署であれば、そもそも英語の能力は前提条件になってきます。

これまでも重要視されてきた英語力ですが、現在行われている教育改革により、受験や就活で問われる英語力の質が変容する可能性があります。

2022年に全面施行される予定の高校英語の学習指導要領では、英語によるスピーチ、ディスカッション、ディベート、プレゼンテーションなどを行うことで、自分の意見を発信する力を身に付けることを目標にしています。

こうした教育方針の変化に伴い、今後は大学入試でも、これまでのリーディング偏重の状況から抜け出し、より実践的な力を測ろうとする大学が増えることが予想されます。

今までのように英語の文法知識と語彙が豊富なだけでは通用せず、より主体的な英語能力が必要になると考えられますが、同時に、英語が得意であれば、自分の意見を発信する力も身に付けやすくなると考えられます。

自身の高校生活を振り返ってみて、国語の授業でスピーチ、ディスカッション、ディベート、プレゼンテーションを行ったことがあるでしょうか。国語の授業に限定せずとも、あると答える人は少ないのではないでしょうか。

つまり、ディベートなどの力を身に付けられる授業は英語の授業以外にないということです。

ここで、英語に対して自信があるかないかで学習のポイントが変わってきます。
英語の文法や語彙、発音に自信がない生徒は、スピーチを行うにあたって、文法を間違えないように文を構成し、記憶し、発音を確認するということが授業における最重要課題になります。
一方、ある程度英語を得意とする生徒であれば、英文を作って読むだけではなく、どのような構成にすれば論理的か、どのような言い回しをすれば説得力があるかなど、より高度な次元の訓練ができます。

こうして、英語力を土台に身に付けた意見を発信する能力は、使う言語にかかわらず、その後の社会でも活用することができるでしょう。

まとめ


さて、ここまで英語学習の利点を書いてみました。
英語学習に気が進まない方も、英語学習の利点を考えて少し頑張ってみてはいかがでしょうか。

少し頑張って英語ができるようになると、英語の楽しさを感じられるかもしれません。
読めなかった本が読めるようになる。洋画を字幕なしで見られるようになる。外国人と話せるようになる。これらはどれも楽しく、達成感のあることです。

こうした楽しみを見つけることができたら、それが一番の利点かもしれません。

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