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効果的な単語学習方法

単語の自然な覚え方

前回の記事で、言語の自然な身につけ方についてお話ししました。
今回は、前回の内容をもう少し掘り下げて、‘単語の自然な覚え方’について考えたいと思います。

皆さんはどうやって英単語を覚えましたか?
学生時代、単語帳を使って苦しみながら単語を覚えた記憶がある人も多いのではないでしょうか。

なんとなく予想がつくかもしれませんが、単語帳などで単語の意味を暗記するという単語の覚え方は、人間の言語学習にとって自然ではありません。
赤ちゃんが言葉を覚える過程を想像してみてください。単語一つ一つを繰り返し聞かされることで言葉を覚える赤ちゃんがいるでしょうか。少なくとも私は、単語帳やフラッシュカードなどで単語の学習をしている赤ちゃんを見たことがありません。

’文’から’単語’を覚える

では、人間はどうやって単語を覚えるのでしょう。答えは、‘たくさんの文を聞く’という方法です。
日常生活の中で、単語を単体で用いることはほとんどありません。単語を組み合わせた文を使って、たくさんのコミュニケーションが行われています。
言葉を知らない赤ちゃんも、単語そのものに触れるのではなく、コミュニケーションに用いられるたくさんの文を聞いて、その文から分節化された単語を徐々に獲得していくのです。

子どもが初めて発する言葉は、「まんま」「ぶーぶー」など、一つの単語の様にも思えますが、こうした言葉も、一語文といってただ物の名前を口にしているのではなく、「ご飯が食べたい!」「車が走っているよ!」というように、文の代わりとして発しているのではないかと思います。

このように、人間は文の中で単語を覚えます。外国語学習においても、単語そのものを覚えようとするよりも、たくさんの文に触れることで結果として単語を覚える方がよっぽど自然で効果的と言えます。

皆さんも、一生懸命単語帳で学習した単語はすぐに忘れてしまうのに、教科書の文中に出てきた単語はずっと覚えているというような経験があるんじゃないでしょうか。

文脈原理と文脈効果

文の中から単語を覚えるという学習法は、いろいろな分野の研究から支持されます。
分析哲学の分野では、もともと‘語の意味は文の意味が決まる前に語のレベルだけで確定する’と考える「要素主義」という立場が優勢でしたが、フレーゲという人物が‘語の意味はその語だけでは決まらない。文の意味との関係においてのみ、語の意味は決まる’と考える「文脈原理」という考え方を打ち立て、今では主要な考え方になっています。
言語の意味をその使用に求めた後期ウィトゲンシュタインの考えも大きな示唆を与えてくれます。

心理学の分野でも、文および文脈の重要性は支持されます。
これは言葉に限ったことではありませんが、前後の‘状況’、‘環境’、‘情報’が、対象の記憶や認知に大きな影響をもたらす「文脈効果」が知られています。

たくさんの英文を聞く英語学習のすすめ

小さなお子さんが英語学習を始める際、どうやってたくさんの文に触れれば良いでしょうか。学習を始めたばかりではもちろんアルファベットを読むのが難しく、文字を使って多くの文に触れることができません。つまり、学習の初期には音声としてたくさんの文に触れる必要があります。

ネイティブの講師がいる英語教室であれば、たくさんの英文を聞いて、自然と英語が身に付いていきます。ぜひ、たくさんの英語に触れられる英語教室に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

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