バブリードリンク

働く者の夜の味方は、長らく
缶コーヒーか栄養ドリンクだった

日づけが変わるころ、次の日の資料作成に追われながら
グビッと飲んで、
「さあ、もう少しがんばるかぁ……!」
これが今までだ

しかし、今では……

バブリードリンクが。
バブリードリンクが、この国を占拠してしまった!

彼奴らは

手初めに、「何者かになりたい」若者たちを
次に、仕事と家庭、その他もろもろでストレスマックスの中年を
さらに、勉強に習い事に、部活にと苦しむ十代を

自分たちの手中に収めていった
最近では、定年超えても働かなきゃいけない高齢者たちの間でも、
徐々に広まり出しているらしい

彼奴らは
気分をハイにし、目をぎらつかせ、一晩ぶっ通しで頑張らせる
(今までとは違うレベルで)

でも、それも長くは続かない。バブリードリンクはあくまで「元気の前借り」なのだから。さながら、バブルのころの、日本のような。

(詩41 おしまい 2023.5.23)

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