ミルクボーイ漫才【書いてみた】

「いやー、いきなりですけどね、明日私がどうしてもやらなくちゃいけない事を指す言葉あった気がするんだけどね、その言葉を思い出せんのよー」

「あっ、そーなんやね」

「その言葉をいくら考えても思い出せないからね、一緒に考えて欲しいんよ」

「どうなってんねんそれ。ほな一緒に考えてあげるからその特徴言ってみてくれる?」

「なんかね、正月休みを終えて職場に行って、年始の挨拶とかをするらしいんよね」

「おー、その特徴は仕事始めやないかい」

「いやでもちょっとこれがわからんのよ」

「何がわからんのよ」

「いや、俺も仕事始めと思ったんやけどね、この言葉は誰もが楽しみで仕方なくて、聞いただけで幸せになっちゃうような言葉だった気がするんよね」

「あー、ほな仕事始めと違うかあ。
仕事始めはね、誰しもが会社に行きたくないと思いながら、明日以降の未来と天秤にかけてやむなく行くものだからね」

「そやねん」

「仕事始めがなくても給与が入ってくるなら永遠に誰も行かんからね、あれは。仕事始めってそういうもんやから、ほな仕事始めとちゃうやないかい。もう一度詳しく教えてくれる?」

「俺の記憶が正しければね、みんなで一斉に社長のメッセージを聞いてる時間が長時間続くらしいのよね」

「仕事始めやないかい!年明けの社長メッセージはむちゃくちゃ長いんやから、あれ。でも俺はね、あの原稿は社長だけの力ではなく、会社の英知を結集させてみんなで考えた内容を話していると睨んでんのよ。俺の目は騙されへんよ。俺を騙したら大したもんや」

「まあね」

「ほんであれ、よく見たら社長はずーっと1点を見つめてて、おそらくカンペ見とんねん。俺はなんでもお見通しやから、そんなもんは仕事始めや」

「でも分からんのよなー」

「何が分からんのこれで?」

「俺も仕事始めと思ったんやけどな。俺の記憶では、毎日こんな日が続いてほしいっていう気持ちになるもんだったと思うんよな」

「ほな仕事始めとちゃうやないかい!また仕事の日々のスタートを切るという重圧には、正月ボケで色んなことを忘れてるからギリギリ耐えられるのよ。もし全てのことを覚えてて、仕事始めとなったら、電車で反対方向乗ってるもんね」

「そやねんそやねん」

「な?挨拶とかしているうちにだんだん去年の残務を思い出していくから、会社出る頃には新年の新たな気持ちはすさみ出してんねんあれ。そういうカラクリやから、あれ」

「そやねんなー」

「ほなもうちょっとなんか特徴なかった?」

「子供の頃にはな、みんなになかったものだったと思うんよな」

「仕事始めやないかい!仕事始めと尿管結石と高血圧は子供の頃みんななかったものやからね。仕事始めよそんなもん」

「分からんねんだから」

「何が分からんのよこれで」

「俺の記憶ではな、まず間違いなく仕事始めではなかったと思うんよな」

「ほな仕事始めちゃうやないかい!」

っていう具合に今日が仕事始めちゃうことを願う

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