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モンドセレクションの実態

最近youtubeの広告の質がすごく低下していると感じている筆者なのですが、どの広告でもよく見かけるうたい文句の1つが『モンドセレクション◯賞』の文字です。

もちろん、youtube広告だけでなく、お土産品でもお酒でもコスメでも食品でも「モンドセレクション金賞」などの文字を見かけます。

どれくらいこの賞って獲得するのが難しいのか、どういう審査でどんな商品が受賞するのか、そして本当にこの賞に価値はあるのか?

私自身あまり詳しく知らなかったので、そういったことを色々調べてまとめてみました。


・モンドセレクションとは

モンドセレクションとは、ベルギーに1961年に設立された機関で、味やパッケージ情報の正確さ、外観など様々な基準で評価を行います。

良質な商品には銅・銀・金・最高金賞の4段階の賞が与えられます。

モンドセレクションの公式ページを見る限り、詳しい判断基準は一切載っていませんでした。

(一応、評価基準は「官能分析」「科学分析」「国際規格と法的アプローチ」の3つと書いていましたが、よく読んでも抽象的なことしか書かれていませんでした。公式ページはこちらです。)


・モンドセレクションはお金を払えば審査してもらえる

モンドセレクションの機関に審査してもらうための条件はただ一つです。15万円程度の費用を支払うことです。それ以外に求められることは見た感じなさそうでした。


・出品された物の8割が受賞

私的に一番の驚きだったことが、出品された商品のうち8割がモンドセレクションを受賞するという事実です。

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引用:https://www.shachikuman.com/entry/2016/03/19/120000

しかも金賞以上が6割程度を占めるという…

参加者の8割が表彰される大会とか、スポーツだと絶対あり得ませんからね。

モンドセレクションは相対評価ではなく絶対評価なため、確かに8割が受賞してもおかしくないのですが、ここまで数が多いと、モンドセレクションの価値がかなり下がってしまいます。

むしろ私はこれから、『モンドセレクション受賞』を前面に押し出してアピールしてくる商品に対して、ネガティブな印象を持ちそうです。


・モンドセレクションは日本以外でのほとんど認知されていない

下図は2016年度のモンドセレクションの受賞製品数・企業数・国の数のグラフです。一番上の帯グラフを見てみますと、出品される商品の8割がアジアの商品です。

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引用:https://saruwakakun.com/learn/knowledge/mondeselection

更に、公式ページの受賞製品というページを見たところ、日本の製品ばかりでした。

このように、日本ではよく見かけるモンドセレクションは、海外ではほとんど認知されておらず、重要視されていないと考えられます。

余談ですが、モンドセレクションに出品している中国企業のインタビュー記事を読んだところ、面白い事が書いていました。

「どうしてモンドセレクションに応募するのですか?」というインタビュアーの質問に、「(何故か)日本人はモンドセレクション受賞と書けば商品を買ってくれるから。」と企業の人が答えていました(笑)。


・まとめ(私の感想)

結論として、私の思ったことを言いますと、『モンドセレクションはそこまで価値ある賞ではない』です。

さすがに、出品数に対して受賞数が8割というのは、あまりにザルなコンテストと言わざるを得ないと思います。

日本人の特徴として、どのようなコンテストなのか知らなくても、「とあるコンテストでお墨付きを貰った商品」が好きなんだと私は思います。

事実、私も金賞や1位などの文字がパッケージに書いていると目に留まります。

しかし、何も考えずに、パッケージに書かれている事やPR、広告を鵜呑みにしていると、価値の低い商品を価値ある商品と信じ込んで購入してしまう可能性があります。

モンドセレクションと同様に、比較的容易に受賞出来る賞というのが他にも存在します。(グッドデザイン賞など)

皆さんも一度、広告に書かれていることが、本当なのか、そしてそのランキングや賞がすごい物なのか気を付けてみてはいかがでしょうか!?


大阪大学の理系院生です。研究生活だけでなく、大学のお堅い教授からクラブに来てた人、弁護士からキャバ嬢まで様々な人と街で日々出会い関わり広い視野を持つ事を大事にしています。サポートして頂けましたら何かリクエストされた記事を理系院生の目線で書いていきます!