老害【全文公開】
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老害。
非常に嫌なイメージを喚起する単語である。
老害とは何なのか。
若者に対して言いたいことはない。一定以上の年齢の方にそっと伝えたい。
年上を敬え。
幼い頃、その教えに忠実だった。
少し歳を取り、その教えをないがしろにするようになった。
さらに歳を取り、年齢をポジティブにもネガティブにもとらえるのをやめて、ありのままに見るようになった。
そして、実際に自分が完全な年長者の立場にならんとする入り口に立ったいま、僕は若者に何を語るべきなのか。
年長者を敬え?
いや、違う。
年長者を敬えとずっと年長者に言われてきたのは、敬うに値しない年長者を名目的に保護するためだったと、いまならわかる。
年長者は「敬う」ものではない。
敬うべき対象は自然と「敬ってしまう」ものである。
すなわち、「自分を敬え」という意図を持つ全ての年長者は老害なのだ。
何も難しい話はない。
若者は「自分を敬え」などと主張しない。
「自分は世界最強だ」と主張する者はいるかもしれないが、それは他人への押し付けではなく自分自身の「好き勝手」である。何も問題はない。
自分の立場を自覚した上で「敬え」という他者への押し付けの感覚を持ったが最後、あなたは老害である。
誰もあなたを敬わない。
あなたが真に何かを為してきた自負があるのなら、その自負は自分の胸にそっと秘めておけばよい。
それでついてくるものがあるかないかは、あなた次第である。
それでも最後に一言だけ言っておきたい。
自分を敬えと強要する年長者を僕は敬わないが、それと同時に年長者を敬わない若者もまた僕は敬わない。
自然と「敬ってしまう」ことができない。
それとも、皆さんは敬うという言葉自体がもはや死語とでも言うだろうか。
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