アナリーゼ「心の光」:そういえばあの頃も分析していた

先日田畑藤本の田畑さんに「ラフマガ」という記事のお手伝いを頼まれた。

アイロンヘッド辻井さんが作曲、インディアンス田渕さんとマチルダのグチヤマさんが作詞した「心の光」という曲の専門的な面から見た感想を教えてほしいとのことだった。

「石橋を叩いて渡らない」くらい行動力が乏しい僕だが、人に頼まれたらすぐやる気質なので、連絡をいただいてから約2時間後には自分なりに分析して感想を送っていた。

(以下リンクを貼るので是非観てほしい)


記事のタイトルに「あの音楽専門家も太鼓判!」とあるのが少し恥ずかしかった。

そして記事中にもあるように、先輩から頼まれたことや音楽の知識を最大限に活かすことに力を入れた余り文字数をはるかにオーバーしてしまったため、実際に掲載されたのは約半分の文量となった。

本文の最後に原文を載せるので、時間がある方は読んでみて僕の熱量を少しでも感じていただきたい。


この感想を書きながら、自分は分析することが好きなんだと思い出した。

芸人になると決めたまだ養成所に入る前の頃、NHKの「爆笑オンエアバトル」を録画して何度も観た。

観るだけではなくノートに横軸を時間、縦軸を笑いの量としてオンエアされたネタを自分なりにグラフ化していた。

芸人になってからもランキングライブで出演していた芸人さんの点数をまとめたり、芸人さんや月毎の平均値を出したりしていた。

今思えば分析というより単に情報をまとめていただけだし、分析したとて自分のネタに行かせているとは思えないが、自分なりに調べたり考えることが好きなんだと思う。


今でもたまに芸人さんのネタを分析することがあるが、自己満足でやっているだけで表に出したりはしていない。

ただ、せっかくnoteを始め自分の頭の中を知ってもらうのなら(書くことが無くて困っていることもあるが)今後自分なりの考察を書いていこうかと思う。

もちろん偉ぶって審査員のように評論するつもりは無い。

芸人さんとそのネタにリスペクトを表し、見ていただいた人によりお笑いを楽しんで好きになってもらえれば幸いだ。

あわよくば分析を続けて自分のお笑い偏差値が少しでも上がればこれ以上の喜びはない。




~「心の光」に寄せて~

合唱曲ほど誰もが口ずさめる曲、心の引き出しに残っている曲はあるだろうか。
ロックやポップスのように青春時代を鮮やかに彩るものではないが、水彩画のように淡く優しく、大人になっても寄り添い続けてくれる耳の思い出である。
そんな合唱曲に新たなる1曲が加わった。
「心の光」である。

辻井氏はこの曲を発表する数日前からインスタグラムで合唱曲をギターで弾き語りする動画を載せていた。
「怪獣のバラード」「believe」「心の瞳」「Tomorrow」など、どれも合唱曲を代表するものである。
その流れを汲んでか「よっしゃ、もうオリジナルの合唱曲を作ったらぁよ」と「心の光」を制作したのである。
しかしこの曲は、いわゆる芸人のノリだけで作られたようなものではなく、数々の合唱曲に流れる血筋をしっかりと受け継いだ曲になったのだ。

4分の4拍子、キーはFメジャー、メロディの音域はB♭2~F4。
これらのシンプルな拍子と調性、変声期の学生でも歌いやすい音域は合唱曲が持つ特徴である。
また、現代のJ-POPにありがちな突飛なコード進行や激しいメロディの跳躍はなく、コード進行とメロディライン共に非常にシンプルで歌詞の言葉一つ一つを大切にしている。
(本格的な楽曲のアナリーゼは文章だけでは伝えるのが難しいため割愛させていただく)

田渕氏と山口氏による歌詞もまた合唱曲ならではの世界観を創り上げている。
直接的な表現を避け、誰もが情景を思い浮かべることができるような言葉を紡ぎ合わせている。
過去の瑞々しい思い出と今の自分の気持ちと未来の希望、そして夢
強烈ではない、しかし誰しもの心に共通する言葉が優しい音楽を纏い、聞いた人の色を帯びまた新しい思い出を作っていくのであろう。

最後に、この曲が昨今の情勢による不安を持つすべての人々の「心の光」になることを願ってやまない。

いつの日にか必ず もう一度抱き合えるさ あの頃のままの気持ちで

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