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骨盤帯疼痛とは

骨盤帯疼痛は腰痛の特殊な形態であり、腰痛を伴う場合と伴わない場合で分けられます。
疼痛の部位は後腸骨稜と臀部の間、特に仙腸関節近傍に生じる痛みがあり、大腿後面に放散することや恥骨結合の痛みが伴う場合もあるとされています。
参考論文;European guidelines for the diagnosis and treatment of pelvic girdle pain

腰痛、骨盤帯疼痛の有無が骨盤底筋機能の関連性については未だ議論が続いているところのようです。

多種多様のため、関連性を科学的に見出すのは非常に難しいかと思いますので、今現在出ている論文をいくつかご紹介したいと思います。

女性における骨盤底筋の筋力低下は、年齢、BMI、分娩回数や種類とは無関係に、非特異的な機械的腰痛と障害を引き起こす。

Cause of non-specific low back pain in women: pelvic floor muscle weakness

腰痛のない人に比べて腰痛のある人では骨盤底筋の機能障害がある。

Assessment of pelvic floor muscle function in women with and without low back pain using transabdominal ultrasound

この2つの論文から、腰痛と骨盤底筋の障害は関連があることがわかります。

腹部深層筋を自発的に収縮させる能力と骨盤底筋の筋力は、明らかに骨盤帯疼痛とは関連していない。しかし、この結果は少ないサンプルに基づくものであり、さらなる研究が必要である。

Abdominal and pelvic floor muscle function in women with and without long lasting pelvic girdle pain

妊娠中の骨盤帯疼痛と深部骨盤底筋の圧痛との間には関連があるが、表在性骨盤底筋圧痛との間には関連はない。妊娠中の骨盤帯疼痛における骨盤底筋の機能障害の欠如は、疼痛持続時間を反映している可能性がある。

The association between pelvic girdle pain and pelvic floor muscle function in pregnancy

この2つの論文からは骨盤底筋と骨盤帯疼痛との関連はあまりないと言える。
4つの論文をまとめると腰痛とは骨盤底筋機能は関連があり、骨盤帯疼痛と骨盤底筋機能は関連がないということになる。
もちろん議論は続いている段階ではあるが・・

股関節と骨盤底筋機能の関連が強いことはよくわかっているので、また別の機会に紹介します。

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