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「道で3万円拾った」のコミュニケーション

ある日父が、お昼ご飯を食べに行った帰りに「3万円拾った」とみずほ銀行の封筒に入った現金を見せてきた。
なんでも、雨の中行きつけの中華料理屋に行く道すがら、道路のど真ん中に落ちていたらしい。

その日にすぐに交番に届けたものの「雨の日に現金落とす人だから、見つからないかもね」なんて話していると、翌日に直ぐに父の携帯に落とし主が見つかったと警察から連絡がありました。

詳しい話は聞いていませんが、落とし主は若い女の子だそう。
父も初めての高額の落とし物だった事と、まさか落とし主が見つかると思っていなかったということで、落とし主の情報は一切知らせなくて良い。
しかし、落とし主が父の情報を知りたがった場合、会社、住所、電話番号等教えても良いという事にしていたそうです。
警察のお話だと「大変感謝している」様子だったそうで、よかったよかった!と安堵していると、父の会社にある日お菓子と商品券が届いたようです。

たぶん、送り主は3万円を落とした女の子で、警察に問い合わせをすると落とし主は拾ってくれた人に価格の5~20%の金額を報労金として支払わなければならない義務があるらしく、恐らく3000円分のお貸しと、3000円分の商品券、計6000円分(20%)のお礼をいきなり送ってきたのでした。

きちんとお礼を送ってくれた落とし主にはしっかり感謝しつつも、父は少し思うところがあったようで。
電話なり、手紙なり、一報入れてくれれば「そんな2割の義務なんて気にしなくて良いよ。お金見つかってよかったね」で終わらせてあげたかった、とのことでした。
父も20%のお礼が欲しかったわけではないし、落とし主が若い女性だったという事で、きっと6000円だって痛手だろうという気遣いだったらしいのですが「やっぱり今の若い子は電話なり、手紙等のコミュニケーションが苦手なんだろうか?」と悩んでおりました。
確かに、私もアラサーではありますが電話はあまり好きじゃなく、手書きの手紙なんてしばらく書いておりません。
お金を拾ってくれた事もありがたく、もちろん交渉しようとなんて思ってなければお礼を一方的に送る事もあるかもしれません。
ただ、父のような人は逆に申し訳なくなったりするのでした。
次は落とさないようにね!

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