お耳の友達に フレンズが持つ“心地良さ“を夜に視点を当てて考える

料理、服などと年齢を重ねるにつれて自分の好みが変化しているのを実感している。それは音楽も例外でなく、人それぞれの音楽遍歴があるのではないだろうか?僕の場合、10代はアイドルやその時にヒットしている曲をよく聴いてきて、行動力が伴うようになってきてからは自分の好みを見つけ、そのアーティストのライブに行くようになった。そんな中でふと見たYouTubeで「おっ、いいな」と思い、ライブに行ったのがフレンズだった。

彼等がこれまで出してきたアルバムには「夜にダンス」、「夜明けのメモリー」、「NIGHT TOWN」と夜に纏わる曲が収録されている。この3曲に共通にするのは圧倒的な“心地良さ“である。家でくつろいでいる時、移動中とどんな時でも自然と体が動き出すメロディー。テンションが上げるというわけではなく、スッと気分を高めてくれる。今までアップテンポでとにかくテンションを上げる音楽ばかり聴いてきた僕にとって、この心地良い音楽は新たなジャンルの扉を開いてくれた。その扉の名前はシティーポップ。いくつもの音が複雑に絡み合うのではなく、シンプルで明るく聴きやすいから、その音はすんなりと耳に入っていく。イントロから続く期待感がどこかで跳ね上がるわけでも下がるわけでもなく、緩やかに上がっていくのだ。気づけばその良さにはまってしまい、帰り道は何千曲も入ったiPodの中からフレンズを選ぶようになっていた。

先にあげた3曲に共通するのは夜だけではなく
《トゥモロー見せずに》(夜にダンス)、《明日のことにとらわれてる》(夜明けのメモリー)、
《HEY 未来の到来》(NIGHT TOWN)
というように明日、未来というフレーズが使われている。夜という時間帯は今日から明日、明日から明後日と続いていく。週の始めは憂鬱な気持ちになるし、週の半ばは億劫にもなって週末が待ち遠しい。僕も何か嫌なことがあった日は沈んだ気持ちで家に帰り、明日がくるのが嫌になる。結局その気持ちを引きずったまま明日を迎えることがよくある。フレンズはその「明日が来てしまう」という負の気持ちに寄り添ってくれ、その日の内に切り替えるきっかけ与えてくれる。それだけでなくその“心地良さ“は何かあっても「なんとかなるか」という前向きな気持ちにもさせてくれる。そう考えると気持ちを後押ししてくれる音楽の力はやっぱりすごいし、その存在はまさに“フレンズ“だ。

僕の生活の中で音楽だけを聴く時間はライブに行った時くらいで、何かをしながら聴くことが圧倒的に多い。そのながら作業のお供にフレンズの“心地良さ“はぴったりで聞き流すような感覚でも思わず口ずさんでしまうし、そんな自分に少し酔わせてくれる。それほどにフレンズの音楽は日常に溶け込みやすいから、音楽という棚に並んだ雑貨の一つになりつつなる。
《ねえこのままずっとさ 心地よい音楽に乗ってさ EVERYBODY say! グッドアンサー! dancing the night through the night》(夜にダンス)
この音楽を聴いたら一晩中でも思わず体が勝手に動き出すだろう。夜のお耳の友達に。さあ、今夜は何をしようか。


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某サイトに投稿して没になったもの。言い回しは悪くないけど、歌詞の引用にこだわりすぎて、いま読み返すと結構痛い文章になってる。フレンズに関してはずっとこのテーマで書こうと思っていたけど、まとめるのに苦労してしまいました。

聴き心地が良くて、家に帰ってからのゆったり過ごす時間に欠かせないアーティストの一つです。

こんな感じで没になったものから、成果が出たもの、温めてるものまでマイペースで“発信“していけたらと思います。

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