上手くなりたいならまず"ゴミを拾うべき"
先日、このYahoo!ニュースを読んだ。
この記事の中には以下の言葉がある、
*
私の指導では、"視野の広さ"を求める。自分以外の物事に意識を向けることだ。まさにこの記事の内容に書いてあることである。
指導の話になるが、私は、「ゴミ拾いができる選手は成長できる」と思っている。だから、選手に『ゴミ拾い』を要求する。
もちろん環境整備の観点からもぜひ行ってほしいのだが、それだけではない。指導の根幹に「すべてバスケに繋がる」というモットーがある私なので、ゴミ拾いを要求するのにも明確な理由がある。
まず、ゴミ拾いには大きく2つの手順がある。
①ゴミが落ちていると"認知"できること
②ゴミを拾うという"行動"に移せること
である。
バスケは『クローズアウト』の状況を作り出すことがチームオフェンスを成り立たせる上で重要な要素である。
クローズアウトの状況はいかにして生まれるか。最も簡単なのは、ディフェンスを2人引きつけて、フリーの選手にパスを出すことである。
文字にすれば、
「あっ、そんな単純なこと?誰にでもできて簡単じゃん。」と思うが、意外とできない。
そもそも、フリーの選手を"認知"できない。自分のドリブルに精一杯で、周りを見る余裕が持てない。というか、周りを見る余裕を持つ"習慣"がない。「見ようとしてない」という言葉が分かりやすいか。
さらに、フリーの選手を"認知"したとしても、パスに移そうという"行動"ができない。判断ミスである。「フリーだ!」と分かってもそこでパスを出すという即断即決をできないと、簡単にディフェンスに捕まる。
この"認知"と"行動"はまさに『ゴミ拾い』で練習できる。まずは周りをキョロキョロ見渡してゴミを"認知"できるか。さらに、「ゴミを拾う」というチームルールを遂行するために"行動"に移せるか。すべては習慣なのである。コート上でのたった2時間程度の練習だけでは成熟しない。
もちろん、「じゃあゴミを拾えばバスケの練習をしなくても上達するのか」というとそういうわけではない。ゴミ拾いの習慣が無く、なんなら試合後にベンチをカチャカチャにして帰るような選手の中にも上手い選手はたくさんいるのは事実である。(それを良いか悪いかは別にして)
ただやっぱりバスケは「ハビットスポーツ(習慣のスポーツ)」だから、生活習慣でさえも、もろにコート上に表れる。緊張して思考が停止するような大舞台なら尚更である。慌てて、いつもの自分じゃいられない精神状態になったとき、自分の弱みが露呈されるからだ。
それならば、コート上でのプレーにも繋げられるよう、コート外も改善できることあるよね、良い方向に習慣づけられることあるよね、って話である。
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今回は"ゴミを拾う"ということが題材となったが、本質は「すべてをバスケに繋げる」にある。ゴミ拾いでさえも、練習にできるか。
そういった「マインドセット」の部分こそが上達の鍵であり、そこを抜きにすると未来が変わることはない。全ての土台はマインドセットなのである。
大谷翔平選手は、たとえマウンドに立ったとしてもゴミを"見つけることができる"。素晴らしい習慣・能力だと思う。
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