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「街の灯」を見た

チャップリンの「街の灯」。チャップリン演じる浮浪者と目の見えない花売り娘とのお話。言わずと知れた名作である。

この映画の最大の見せ場は、最後のシーンのチャップリンの表情だろう。はにかんだ笑顔は、どの映画でも良く見られるが、なんなんだろう… あのシーンは見る者になんとも言えない気持ちを起こさせる。いろんな思いがつまってるんだよな。

目が見えるようになって、すっごく嬉しい。ほんと、良かった…という気持ち。
紳士の振りをしていたのに、本当の姿(ボロボロの身なりをした浮浪者)を見られて、「ごめんね、紳士じゃなかったんだよ」という照れた感じ。
たぶんだけど、そこに「浮浪者である自分が恥ずかしい」という気持ちはないと思う。チャップリンは自分を卑下しないもの。
そして、娘が目の見えなかった時と同様、手を触ることで、自分をわかってくれたうれしさ。その瞬間、娘の目にはもはやボロボロの浮浪者としてではなく、親切な紳士として映っている。

いや、もう、完全に私の勝手な解釈ですが、いいでしょ、好きなんだから。この映画。

ちなみに、喜劇王チャップリンとしてのお楽しみどころは、ボクシングの場面が有名。
レフェリーとぴったりステップを合わせて、相手から逃げ回る。

後は「ずれ」。
酔っ払っている間だけ、浮浪者チャップリンを親友だと思う金持ち紳士とのやり取りの随所に見られる。

紳士が自殺しようとして、自分の首に縄を掛けようとしたら、チャップリンの首に。
チャップリンが葉巻に火をつけようとする度に、紳士の葉巻につけてしまう。
強盗を通報したのに、自分が捕まりそうになる。(後日捕まっちゃうけど)

他にもいっぱい…というか、至るところ。有名なボクシングの場面だって、本当は八百長だったはずが、本気で強い奴に変わっちゃうし。
そもそも、花売り娘がチャップリンを紳士と勘違いするところから、始まるわけだし。

いやぁ、キリがない。あれもこれも、この映画の魅力について説明が足りてない…
白黒だし、サイレントに音楽ついてるだけだし、中学生の娘には通りすがりに「面白いの?これ」って言われたけど。
あの最後のチャップリンの表情は、ぜひ堪能していただきたい。

恐縮です