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「美女と野獣」(1947)を見た

「美女と野獣」といっても、ディズニーアニメや実写のものではなく、1947年のジャン・コクトー監督のものを見た。

なぜ、これを見たかというと、ネットの海どこかで「マーティン・スコセッシ監督が薦める映画」の中に載っていて、なおかつ、ケーブルテレビでたまたまやっていて録画できたからである。

さて、この映画。出だしはまるでシンデレラ。父親が船を失い、お金持ちの生活から、一気に貧しい生活に陥った模様。姉二人はその状況をいつまでも受け入れられないのか、相変わらずお嬢様気分。仕方ないので末っ子のベルが小間使いのような仕打ちを受けている。

兄と兄貴の友達も遊びで借金を作るようなろくでなし。このろくでなしのお友達はベルに結婚を迫るが、父親の側を離れられないと断られる。兄貴の友達のことは嫌いではない模様。顔は良いからか。

という前振りがあり、なんやかんやでベルは野獣と暮らすわけだが、その館の雰囲気が怪しさ満点。蝋燭の燭台は人の腕だし、彫像の顔は目がギョロギョロするし、いかにも魔法の館。

最初は野獣の姿を見て気絶したベルだが、だんだんと打ち解けてきた…んだと思う。映像からはあんまり感じられなかったけど(笑)

父親に会いに1週間だけ、家に帰ることを許されたベル。
キレイな格好をしたベルに姉二人は妬み、ベルが好きな兄貴の友達は野獣を倒しに行くと息巻く。ついでにお宝も頂きたいし。

ベルを迎えに来た馬に乗って、兄貴と兄貴の友達は野獣の館へ。まずは、お宝…とお宝のある建物に窓を壊して入ると、中の銅像から弓矢で射られ、兄貴の友達は野獣の姿に。

一方、野獣はベルがいない失意のどん底の中、息も絶え絶え。そんな野獣の姿を魔法の鏡で見たベルが急いで家から戻るも、息を引き取る…

と思ったら、人間の姿に!
これがまた、なんとまぁ、兄貴の友達そっくり。

悪趣味じゃない?ジャン・コクトー(笑)
顔だけの兄貴の友達と、中身が素敵な野獣が合体して、ベルの前にすてきな王子様として現れるなんてさ。

そういや、野獣、ベルに自分の他に求婚したやつのこと気にしてたしね。自分の醜さをひどく卑下していて。ベルに自分の姿を見られることを、すごく嫌がったり。

ベルが憎からず思う相手の容姿を手にいれないと、ベルの心をつなぎ止められないと、野獣は思ったのかしら。
まぁ、それは深読みな気も。

全体的な感想は以下のとおり。
白黒だから、光の陰影も相まって、非常にミステリアスな感じが漂う。
昔の女優さんは格別に美しい。
最後のシーンはちょっと残念な感じ(笑)
第二次世界大戦の終戦の翌年に、こんな映画取れるものなのね…

そのうち、ディズニー版も見てみよう。


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