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企画とかプロットとかの書きよう考

 これは世にあふれているような、そんな些末な記事でございます。

 作品を書いていくなかで、よく物語る方々が「企画書・プロットってどう書いてる?」といったような話題をしているのを見ることがあります。頻度としては、WEB小説や公募のコンテスト前後でしょうか。けっこうしょっちゅうですな。
 今回は、『いま僕はこうやって書いていますよ』というものを書き記していきたいと思います。数年単位で書き方は変わっていきますので、『いま』と前置きしておきたいと思います。

企画(書)とは

 企画とは、思い付きやネタから『ストーリーライン』と『何を楽しむ話か』を考える段階です。
・ストーリーライン → 物語がどこに向かい着地するのか
・何を楽しむ話か  → キャラのどんな反応を楽しむ話か

 今回、時代物に挑戦するべく企画を練っておりました。
 その『思い付き』から『ネタ練り』は以下のようになっておりました。

・思い付き
 『一期一振』が2本あったら大事件じゃね?

・ネタ初期
 柳生宗章を主人公に、秀吉時代の刀騒動を書こう。聚楽第に侵入した忍びらしき斬殺死体がもっていたのは、鎌倉時代の『粟田口吉光』の太刀。しかし秀吉お抱えの鑑定家兼研ぎ師の本阿弥は「新しすぎる。最近打たれたものかと」と疑問に思う。 どうやら秀吉の刀箱に潜ませようとしたらしいが、その目的が分からない。
 秀吉は大の吉光愛好家。鎌倉の技術を今に伝える刀匠が存命である可能性に、彼は部下に命じこれを探させることに。 忍びの殺されかたと、遺留品から越後(上杉)の気配。手練れ。ならば柳生宗章(主人公登場)。 陰謀とかは敵とのカッコいいシーン考えたら合うように設定しよう

・ネタ練り直し
 本阿弥光徳(研ぎ師兼鑑定家)は、聚楽第本丸の刀蔵へ呼び出される。赴くと、そこには秀吉と石田三成、そして見知らぬ武士。彼らの中心には、鎖骨から脇差しの柄を生やした(心臓を貫かれた)忍者の死体。一振りの太刀を手に絶命している忍者に驚く光徳に、秀吉は死体が持つ刀の鑑定を促す。
 鑑定の結果、「信じられないが鎌倉期の刀工、藤四郎……粟田口吉光の作刀にまちがいありません。が、新しい。新しすぎる。最近打たれたとしか思えません」と極めを出す。
 刀箱には本物の一期一振。「上杉か(秀吉)」「そうおもいます(三成)」「――もしや古刀の秘術を継承する者が他にも(光徳)」。  世にこのような吉光の太刀が溢れれば、一期一振の権威(秀吉の権威)が地に落ちることは明白。
「宗章。お主、越後へ行って真相を探れ(秀吉)」と話を向けられたのが、無言で控えていた鋼のような武士。武者修行中、秀吉の甥である小早川秀秋に拾われた柳生宗章(宗矩の兄)だった。刀番を任されていたのも運命か、鎖骨から忍びの心臓を貫き残し、刀蔵を血で汚さなかった恐るべき遣い手。 「承知仕った(宗章)」  彼が陰謀渦巻く越後に乗り込んで真田十勇士のだれかとかと戦っちゃおうかな。面白そう。陰謀? プロット書きながら考える。

――こんな感じ。
つまり
・ストーリーライン
 ふた振りの古刀の謎と陰謀を宗章が解決する話
・何を楽しむ話か
 宗章が剣法忍法陰謀をバッタバッタ解決するさまを楽しむ話

 と、しました。

 どこまでを『企画(書)』とするかですが、主要なキャラ設定までを組み上げる段階までを企画と呼ぶことが多いような気がします。
 ただ、この時点に於いてキャラが固まっている場合は少なく、多くの場合はキャラにどんな設定をつけようかに腐心し、ストーリーに沿った(合った)設定を作ることになるのですが、この時点ではまずこいつが何をしてる(何をされる)ところが読者を楽しませるかのみを書いていきます
 設定を語るためのキャラを作らないための戒めです。あと設定したことで話が広げられなくなったりするので、面白さが紙面に出ていい理由(=設定)として、ここをたらふく書くことにしております。

プロットとは(全体)

 こいつにこんなことをさせて読者を楽しませよう、面白いと思って貰えるようにという『見せたいシーン』『キャラが映えるシーン』『物語を納得させるシーン』など、シーンを登場させる段取りをプロットと考えています
 プロットをまとめる方法は、1冊完結(10万字~11万字=200kb~220kb)を想定し、現在は自分がシーンを描く際に間合いとしてる10kb区切りとした20チョイにわけた『全体のもの』メモを作り、ストーリーラインの破綻をなくしていきます

全体のシーンプロット

プロットとは(個別)

 1枚に10kb(5000字)ぶんの、どこでどう楽しませていくかの段取りを敷いていきます
 ここで読者に提供するものの過不足を洗い出します。
 また、ここで「ああこいつにこんなことさせたい」となったら、(企画の段階で作った)キャラ表に反映させていきます
 基本、企画とプロットは相互に練り直しされていくことになります。

個別(おおよその紙幅と盛り上がり)

 これを物語完結部分まで組み上げます。
 執筆に於いて、企画からガチガチに固めると自由に掛けないという意見も見受けられますが、神が降りてくる(=脳内に上記プロットのようなものが偶然組み上がる)なんてことは希です。コンスタントに筆を進めるならあるに越したことはありません。
 キャラが薄い、弱い、と感じたり言われたら、読者に見せる面白い反応が少ないのかもしれません。こういうの作っておくと通読せずとも見て分かります。

 なにより、こんだけ固めたとて、作文する段階で否応なく自分のセンスというものが注ぎ込まれますから理詰めで組むことに忌避感ある方は、面倒くさい手順であるプロット等を自分なりに組む段階を一回やっておくと、またちがう見方ができるかもしれません。

 こうして整理して書きましたが、たいていコピー用紙に走り書きを束ねています。たまには、たまには、はい、うん。こうやってるというのを再確認するために整理し一考するようにしております。

記事は以上となります。
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