見出し画像

2024年 8月 みたもの



コードギアス 奪還のロゼ 最終章

 4か月連続公開ということで楽しんでまいりました奪還のロゼ!!!

 とにかく全編を通して諸手を上げて拍手大喝采の大好物だったのがナイトメアのアクション!!!
 Ziアポロの規格外のアクロバティックな挙動をはじめとした「ナイトメアらしさ」フルスロットルな映像の波状攻撃。ニッコニコ。
 最終章、ノーランドの駆るファウルバウトとの大立ち回りも迫力満点大満足。カッコよすぎたですね……。

 給油したり山を登れなくて頑張ってたりシュイーーーンって等速直線運動をしながらお掃除するロキくんのことは段々かわいく見えてきましたよね。

 途中で既存キャラ出てきたので過去作履修いるのか!とアキトを急いで見たりもしたんですが、実際はまぁ見て無くても問題は無かったですね。
 wZERO隊が大好きになってしまって、ワンカットの出番に歓喜しつつ肩透かしを喰らってしまったのは正直なところですが……。それはまぁこっちが勝手にテンション上がってしまっただけだったので……。
 「みんなで日本観光」と「レイラをトップとした作戦指揮」が見れただけで垂涎モノなんですわ本来。

 そしてまぁこの作品を見るうえで流石に誰しもが思うところであるところの尺がない問題……。
 実際私も、もう1話あってくれればなぁ! と今も思ってるんではあります。キャラクターの数に対してマジで時間が足りてない。アインベルクの話も七煌星団の話も不完全燃焼ではありますが、サクヤとアッシュの顛末についてはかなりしっくり来ていると言いますか。

 あらゆるものを奪われた彼女らが、それでも前へと進むための希望と矜持を奪還することを成し遂げたんですよね。それが個人的には真摯だったなと。しっかり主人公を見届けることが出来たという意味でね。

 そんなこともあり、最終的にかなり好きな作品です。本当に新展開、期待してますよ。

 あとこれは奪還のロゼの続編についてなのですが、サクヤがギアスをかけたのはロゼに対してではないので次回作でロゼが普通に喋り出します。絶対そのためのギミックでしょ、詳しいんだ俺は。


ルックバック

 掲載時に物議を醸し、愛好家の多い人気漫画の映画化。原作は私も読みました、良い漫画ですよねルックバック。

 概ね原作に忠実だったように思います。呪いにも祝福にもなるような、創作の瑞々しさと破滅的な喜び……。
 
 原作にかなり忠実だからこそ、映像的な“動き”の部分に関してはやっぱり心を掴まれましたよね。藤野が先生と呼ばれた帰り道のスキップシーンや、京本が藤野に手を引かれ外の世界を尊ぶシーン。どちらも予告として使われたシーンだと記憶していますが、劇伴と相まってグッと引き込まれました。

 そして個人的にどうしても気になるのは演者。
 主演お二方、アニメの仕事が専業ではないですがとてもお上手。最近はそういう若手が多くて面白いですよね。

 京本役の吉田美月喜さんのフックのある耳に残る低音、素晴らしい。

 そして偶然直近で見た映画で心に刺さった演技をした河合優実さんですよね。声演まで惹きつけるとは……。

 藤野のクソガキ時代の子供らしい無垢で危うい全能感を表現したかと思えば、連載を続け世界の荒波に呑まれ経験を積み上げたその重さを声で表現したその手腕。これは本当に感動した。素晴らしい役者さんですね彼女は……。


舞台「アサルトリリィ・御台場女学校」-The Snowdrop-

 アサルトリリィワールド、御台場の物語ももう4作品目。まだまだ終わりそうにないのが凄い。

 今作では前作までで蒔かれた司馬燈の物語。狂人のような振る舞いが多い彼女のバックボーンを中心に描かれて行きます。

 シンプルに司馬燈というキャラクター大好きなので、1年生と仲良ししてるところがいっぱい見れるのは嬉しいのです。

 彼女と因縁のある今作から舞台初出場のリリィと結ばれる絆も、アサルトリリィらしさ前回で最早実家の味。

 アサルトリリィ名物の“契り”である血誓ラッシュがありつつ、メインどころの上級生の血誓はまだ温めてあるあたりまだまだやってやろうという気概を感じる。次は何でしたっけ、イルマ?楽しみです。

 

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト

 私ヒロアカ好きなんですが、単行本で原作だけ読んでいる感じで。劇場アニメ2.3.4と観に行っております。ヒロアカの映画はどれも面白くて良いですよね~。

 そして原作のヒロアカが最終回直前という佳境のタイミングでの完全新作ストーリーということで、これまた凄いタイミング。

 本筋を完全に邪魔しない中でもヒロアカの能力バトル的な面やキャラクター同士の掛け合いが描かれる、まさにジャンプ漫画の映画化!!って感じ。清々しいです。

 ダークマイトが良いんですよね~。もう完膚なきまでに叩き潰しても展開にも作中世界にも何の問題もない根っからのヴィラン。劇場版ブンブンジャーの敵も然り、戦隊夏映画の敵みたいな後腐れの無さが良いんです。メインキャラクターの魅力がとことんと描写される構造。

 だからこそこの徹底した悪は裏腹にとても魅力的。なんでなんでしょうねこれ。悪の美学とかそういう段階の魅力じゃないんですけどね。ダークマイト、得も言われぬ引力がある。

もしも徳川家康が総理大臣になったら

 なんかこう素晴らしく地雷臭がして最高ですよねこのタイトル。

 これがまた結構マジメというか、中々面白かったんですよね。
 冒頭でしっっっっかりメチャクチャを言い出したので細かいところを全てぶん投げる宣言を出したのが個人的には好印象なんですね。そういうの嫌いじゃない。

 内容としてはまぁまぁ分かり易く説教じみてるし、全体的な流れは単純だしどこかで見たような感じ。

 とは言いつつ。
 そうそうたる顔ぶれの役者陣が突拍子の無い大仰なアクトをするのがそれだけで楽しさもあったり、大げさな描写をしつつヘンなところにちょっとしたリアリティがあるのがうすら怖かったりな箇所に不思議な魅力がある一本。

 日本版「帰ってきたヒトラー」だという評を見かけましたがこれがその通りで、トンチキな行動で笑われているうちに人心の掌握をするまでの生々しさというか。

 バカげたテーマソングを掲げ、メディアで晒上げられいつの間にか市政に浸透していくってもうそんなの完全にオウムのそれなんだもんよ……。私は生まれる前の出来事なので知識としてしか知らないですが。あぁ、これ当時の空気ってこんな感じだったんだろうなマジで……って思わされる空気作り。これに関しては目を見張るものがあったのではないでしょうか。

 この身で体験したことでは無いのであまり強いことは言えないので……。この辺実体験者はどう思うのかちょっと聞きたいところではありますな。

ツイスターズ

 この映画本当に日本のプロモーションダサいですよね……。でもこの手の洋画のプロモーションってどんだけ時が過ぎても変わらず存在し続けるってことは数字は出てるってことなんでしょうね……。結局どれだけ映画を観ない層を映画館に呼ぶがの方が重要ですからね……。俺たちみたいなのは別に予告見なくても観に行くし……。

 さて閑話休題。
 肝心の内容ですが、ディザスター映画として求められるものがしっかりみっちり詰まっているとてもいい映画だったと思います。IMAXシアターでの上映をじゃかすか入れていただけはありますよ、とってもアトラクション。ハリウッド~~って感じ。

 何が凄いって私は通常のシアターで見たのですが、特に終盤のシーンなんかはその轟音で体がビリビリ震えるほどの圧力が物凄い!!
 通常シアターであんなんなのだから、クソデカ爆音でこの映画を観るなんてしたら本当にジェットコースターなんだろうなぁ……。

 このあたり、映画というコンテンツの「体験」の部分に対してリソースを注ぎ込むという確固とした信念を感じる良い要素です。

 それにしてもグレン・パウエルめっちゃカッコよかったな……。良い役者、良い迫力、良いガチャガチャ画面。そんな映画。

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!


 有名高校の文芸部に入りたかった主人公がひょんなことから学校の爪弾き者の新聞部へと潜入することになり、流れ流れてその結果、理事長の悪行を看破する……といったようなストーリー。

 抑圧と弾圧、権力からの反逆を大人と子供という立場から描いたような作品となってますね。

 ちょくちょく脇が甘いというか。中途半端に学園スールの雰囲気出したり、出番の割にドローン部設立した生徒が最後にめっちゃ仲間面するのちょっと不自然かなと思わなくも無かったり色々ノイズになりかねない迂闊な演出がちょっと目についたかなと思わなくもなかったですが、青春のちょっとした粋がりみたいなのが随所に感じ取れるのが嫌いになれなかったり。

 また悪役の話しますけど、高嶋政宏氏は本当に良い敵役を演じますよね。最近見たのだと18/40のお父さんとか、権力をもって下位の人間を抑え込めようとする上位者があまりにも似合う。神州無頼街の時も気持ちのいい悪役してました。

 この作品を見ようとした理由の髙石あかりさんはもう本当に素敵。顔の動かし方が芸術の域に来ている。笑顔の曲線にありとあらゆる感情を差し込む美しさと来たらあぁべビわるが待ち遠しいのはさておき。
 主演の藤吉さん?が櫻坂だとかなんとかのメンバーの方で全く専門外なのですが彼女も中々フックのある魅力ありますよね。横顔のキレイさが良い。

赤羽骨子のボディガード

 これま~~~~じで面白いんで、ホント。めっちゃおススメです

 この本予告すげ~好きなんですよね。ともすれば日本的でバカにされやすいフォーマットな予告映像になってるんですけど、作品の雰囲気と温度感とすごいマッチしててつい顔が笑ってしまうというか。

 漫画の実写化ということもあるので特にそう感じるんだと思うんですけど、このコミカルさをうま~~~~~く実写に落とし込んでエンターテイメントしてるのってのが技ありだと思うんですよ~。
 例えば評価が高いところだとゴールデンカムイなんかは「完全再現」みたいな勝負の仕方をしてると思うんですけど、原作のイラストなんかを見る限りこの作品はそういうアプローチをしていなくて。
 敢えてちょっとした隙を残しているというか、過剰な味付けで楽しませてくれてるように感じるんですよね。よく実写化されると否定的な意見として言われる「コスプレ感」を乗りこなしてるのがカッコいい。東リベとかはこっち側だと思ってます。
 見方によってはかなり特撮ヒーロー作品に近い雰囲気を出してるんですよね。実際ヒーロー経験者も滅茶苦茶出演しててすんごい馴染みのある空気が心地よい……。
 そんでまた、その作品の雰囲気をしっかりと形作っているキャスト陣がいいビジュアルしてるんですわ。人数も多くて正直何人かは描写不足感の否めないキャラクターもいましたけど、この限られた尺でクラス全体に愛着を持たせられる魅力。さらにはそれを引き立てる演出には素直に楽しい気持ちにさせられました。

 そして何はともあれこの作品を語る上で切っても切れないのが見ごたえのあるアクションの数々!!
 邦画で人数使った大立ち回りってどの作品見ても本当ワクワクします。邦アクション大好きなので……。
 ほんと冒頭のクラスメイト顔見せのアクションシーンずっと見てられますよ。ともすればこっぱずかしいキメ演出の一斉掃射の清々しさたるや、あのシーンの冒頭無料公開とかしたらそっちの層も取り込めるんじゃないかなと思わんでもないんですけどどうですか(自分が何回も見たいだけ)

 これは後々調べたことですが、どうやら原作とだいぶ設定が違う部分が多いようで。そのあたり原作好きな方ってのはどう思ってるんでしょうかね。赤羽骨子の出自、原作はヤクザの隠し子で跡目争いが主軸らしいのですけど、実写版は公安の隠し子なんですよね。

 この作品のキモってのはクラスメイトが全員ある一人のボディガードだっていう点でしょうから、そういう意味ではあまり問題はなさそう(実際面白いので……)なのですが、中々思い切ったことするなぁと感心しました。
 ヤクザの跡目争いは実写にするにはちょっとダークすぎるってぇ判断なのかもしれませんが、どちらにしても個人的にはある程度の設定変更をするくらいの方がメディアミックスをするにあたって真面目に考え抜いた結果のような気がして好印象。
 ただ、原作未読なので意見変わるかもしれませんが……。そのあたり確認するためにも原作がすごい気になってるんですよね~~。

 ラウールの顔面とスタイルが完全すぎるとか土屋太鳳演じる正親がオタク好みすぎるとか出口夏希がシンプルに可愛すぎるとか、割とひとりひとり素晴らしポイントがありますがここらにしときましょう。マジで面白いんでおススメですよ。特に特撮好きな人とか。

ラストマイル


 いや私ね、アンナチュラルもMIU404も大好きなんですね。
 もうほんとずっとラストマイル楽しみで。
 でもちょっと一抹の不安があったんですよ。これでそんなに好きな作品じゃなかったらどうしよって。
 バカなことをした……。そんな不安ぶっ飛びましたよね……。

 気になる人は私のふせったーを見てもらうとして……。

 やっぱこうこの作品の好きなところって、名もなき登場人物のそれぞれの人生やその矜持や、その積み重ねを克明に描き出しているところなんですよ。

 勿論、主人公舟渡エレナをはじめとした登場人物の魅力は果てしないもので、彼らの生き抜く姿をまだこの先もずっと見ていたいと思わせる強度を持っています。

 しかしてラストマイルという作品は、その彼女らの物語でありつつも大前提としてその世界の物語であることが自明であるように製作されていると思うわけです。

 ドライバーが国の血脈であるのと同じように、名もなき彼ら一人一人の登場人物たちは世界を形作る尊ぶべき細胞のひとつひとつであると心から理解させられる。それほどまでに重要でそのように描写をされていて。そんなスタンスを感じるこの座組の作品が大好きなんだと再確認をした次第です。

 相変わらずこの制作陣、殊更に野木さん。
 社会的な問題をその核を見誤ることなく描写し提起し、それをエンターテイメントの形として“消費”するのではなく“昇華”するのが本当に上手い。上手いなんてもんじゃない。
 娯楽作品として間口は広く、且つ、ただ娯楽で収まらない奥行きの深さが見る者を思考の海へと潜行させるんですよ。ほんとたまんないですよね。
 

 がらくた
 今回も最高の主題歌です。このMVも観客を抉り取ってくるのでおススメです。創作のバケモノしか関わってない作品、ラストマイルをよろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?