中谷吉隆写真展「125年の絆 -日本で活躍する中南米の日系人の今日-」
中谷吉隆写真展「125年の絆 -日本で活躍する中南米の日系人の今日-」
@FUJIFILM PHOTO SALON Space2 / 3, 東京ミッドタウンウェスト(〜10/17、入館無料)
約60年前、ドミニカ移民についての記事で南米日系人に興味を持ち、ペルー 、ボリビア 、アルゼンチン、ブラジル 、ドミニカ等を取材してきた、写真家の中谷吉隆氏の写真展。不勉強で中谷氏の事は存じ上げず、日系移民史に興味はあっても、どちらかというと北米寄りで南米の状況に疎く、ちょっとドキドキしながら立ち寄ってみた(しかも滅多に足を延ばさぬギロッポン)。
今回のテーマは、日本で暮らす南米出身の日系人の方々やコミュニティー。ポスターに取り上げられている、尺八奏者の渕上ラファエル広志さん&満梨さん(共にブラジル出身、東京音大で教鞭も取られている)はじめ、落語家の「らむ音」さん(茂木Bruna綾音、ブラジル出身)、浅香山部屋付の友綱親方(リカルド菅野、母方がイタリア系のブラジル出身)、他にも元野球選手の方、駐日ドミニカ大使の方など、さまざまなバックグラウンドを持つ方々が紹介されていて、それぞれの人生が興味深く、こうしていろんな方々が私達の周りに溶け込んで暮らしておられるのだなぁ、となかなか興味深かった。
躍動感と生命力にあふれる写真ながら、どこかほっこり穏やかな空気が流れる空間。ヒトの移動にともなうDNAの軌跡、それぞれの営みがもたらす、生活の多彩さと可能性。ナニ人がどうだとか異文化は難しいとか、とかく壁を作ってしまいがちだけれど、思えば日本生まれの日本人にしても、古来より海をまたいで行き来し交流してきた、全アジアのハイブリッド。長い歴史の流れの中で、たまたまだけれど、こうして生きている事の不思議さとミラクル。もう一度そこへ立ち帰ってみたいものだ、と思ったひと時だった。そういえば故・アントニオ猪木氏もブラジル移民でしたね、元気があれば何でもできる!
(撮影可のパネルのみ数点ご紹介、写真展は10/17迄)
FYI:https://fujifilmsquare.jp/exhibition/241004_02.html
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